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パリお外ごはん こってりらーめんなりたけ (パリ節約自炊生活番外編)

旦那様がお仕事でとても良いことがあったのでお祝いに、いつも必ず行列している大人気のラーメン屋さん「なりたけ」に伺いました。千葉県船橋を中心に5店舗営業している人気店ですが、なぜか東京でも大阪でもタイでもなくいきなりパリ!そしてこの行列!なので、素晴らしい経営判断だと思います。真冬のように寒いパリから、こってりお届けします。

店名:こってりらーめんなりたけパリ店
住所:31 Rue des Petits Champs, 75001 Paris

お店はパレロワイヤルとオペラの間、日本料理店やラーメン店がひしめく通りにありながら、いつも安定の行列をつくる「なりたけ」は、紛うことなき人気店です。

ジャンルで言うと濃厚背脂系、上質な豚の背脂を贅沢に使用したコクのあるこってりスープに、硬めに茹で上げた自家製中太麺が絡む食べ応えのあるラーメンです。スープは「しょうゆ」か「みそ」から選べます。

◆スペシャルラーメンみそ
旦那様が注文したのがこちら、「チャーシュー4枚・わかめ・辛ネギ・味玉」が乗ったスペシャルラーメンみそ15€です。

まず驚いたのがその大きさ。これまで何箇所かパリのラーメン屋さんは伺いまいたが、基本的にフランスでは前菜・メイン・デザートという定型パターンがあり、ラーメン店でも餃子を前菜、ラーメンをメイン、そしてデザートを食べたり食べなかったり、というフランス人が多いため、ラーメンの量はある程度調整されていたりします。東京に住んでいた頃は「麺少なめ」で注文してもアップアップだった私ですが、パリのラーメンはちょうど良い量で完食できていたので(パリ生活で胃が広がったかもしれないというおぼろげな危惧は追いやって)その感覚に慣れていたのですが、突如、風情ある和室の床の間に飾ってある九谷焼の植木鉢かのごときサイズの丼が現れるではありませんか。それがこちらです。

みそスープはほんのりと生姜が効いていて、濃厚背脂と悪ノリするどころか、“2人のスティーヴ”のごとく各々の個性が際立ちながらも旨く融合し大変美味しかったです。

◆味玉しょうゆらーめん、アブスク、メンカタ
こちらが私の注文した味玉しょうゆらーめん11€、スープが透き通っているのでアブスクでも背脂が良く確認できます。醤油スープは味わい深くすっきりとしていて海外生活にはじ〜んと沁みる旨さ、背脂のコクが更に旨味を引き立てます。こちらのネギはフランスのスーパーでも手に入るポロ葱で、恐ろしい量がトッピングされていましたが、違和感なく融合していました。

◆普通のらーめんという至福
前述の通り、パリは一つのラーメン激戦区、様々な日式ラーメンを食べる事ができます。3店舗を展開する大手「一風堂」、大阪“堺ラーメン”を掲げる鶏ダシスープの「龍旗信」、そしてフランス人オーナーが日本をリスペクトしすぎて開店した「こだわりラーメン」。そのどれも個性が際立ち、夫々に美味しく大変幸せな気持ちにさせていただきました。

しかし、この「なりたけ」は、前述の3店とは明らかに何かが違うのです。誤解を恐れずに言うならば、華が無い。圧倒的に華が無い。
JR総武線沿い、もしくは国道296沿いで、営業が長引きランチを食いっぱぐれた14時頃、空腹に負けてふと見つけたラーメン屋にウィンカーを上げてしまい入店、カウンターに座り良く分からぬままお店の一番人気らしいラーメンに、午前中良い条件を取れた自分へのご褒美に味玉を付けて注文。全く面白くない午後のワイドショーをBGMにひたすらメールを処理していたら、突如、とんでもない量のラーメンが眼前に現れるも、空腹に負けて一気に掻き込み、結局美味しいのかどうかも分からなかったけど、ほんわりと幸せな気持ちにさせてくれて、今夜も最後のアポイントは22時スタートだけど頑張ろう、わたし。そんな、そんな気持ちにさせてくれる、どうしようもないほど普通のラーメンが、なりたけにはありました。

日本で想う普通は、一歩海を渡ると普通では無いのです。普通に美味しいごはん、普通にタレの染みた290円のカルビ、普通に美味しいラーメン、おいしく無いけど家族4人で普通にお腹いっぱいになる回転寿司、そんな日本の普通は、実は一歩外に出ると得難い程に愛おしい日本の普通という素晴らしさなのだと、なりたけでラーメンすすりながら想うのでした。

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