見出し画像

ハニヤ・ヤナギハラ『To Paradise』~楽園を目指して~【ネタバレなし】

1週間ほど前にハニヤ・ヤナギハラ著『To Paradise』(未邦訳)を読了しました。700ページ超のめちゃくちゃ分厚い本で、読み終わるのに時間がかかったものの、今年読んだ小説の中でぶっちぎりにクオリティが高く、「小説好きで良かった!あと英語が読めて良かった」と心底思いました。本当に名著なので日本語にも翻訳されますように…!!😚

今回はこの作品の紹介を通じて、わたしをイギリス移住へと導いた「ここではないどこかへ行きたい」という願望について綴っていきます。


またもや表紙に惹かれて長編小説を読んだ

そもそもこの本を手に取ったのは、書店でこの表紙を目にしたからなんですよね。英米文学の小説の表紙で人の顔をアップで使うことはわりと珍しく、しかも南洋系?アジア人?の独特の風貌に目が行って。また、ハニヤ・ヤナギハラ(父親が日系アメリカ人、母親が韓国系アメリカ人)の作品であること、そして何よりも『To Paradise』というタイトルに惹かれました。

ここから先は

2,568字

¥ 200

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?