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書評 #50|三日間の幸福

 身体の奥深くから浮かび上がるような涙を流した。人生は悪くない。『三日間の幸福』はそう思わせてくれる。

 際限のない世界の中で、自身の無力さを嘆いたことがある。価値を疑ったこともある。そういった考えを取り払い、純粋に自分のために生きること。大切な他人のために生きること。簡単ではないが、その追求が幸福をもたらすことを本書は語る。

 鳥肌にも温度があることを実感させてくれる。絶望は冷たく、希望は温かい。その上昇曲線に救われ、癒された。「消える存在が描く、消えた存在」の儚くも、美しい物語がここにある。


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