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素人だけど喫茶店をはじめました。その二

コーヒーと紙とインクの匂い。
私の好きなものたちです。
特に人より詳しいというわけではないのですが、無性にこの取り合わせを欲する瞬間があります。

先日は私のお店の紹介をさせていただきました。
今回はお店の名前について話してみたいと思います。

「Bindery」という見慣れない単語ですが、「バインダリ」と読みます。
意味は「製本所」、つまるところ製本のできる喫茶店ということです。
製本といっても専門的なスタッフがいて、手取り足取り教えてくれるわけではありません。
私のお店で行なっているのはセルフバインディングサービスです。
平たく言えば、自分で製本できるスペースがあるということです。

プロフィールを見てご存知の方もいるかと思いますが、私は大学で学生のサポートをする仕事をしています。
具体的にはポスターや小型グラフィック、布ものなどへの印刷のサポートをしています。
もちろんそこには本も含まれていて、素人に毛が生えた程度の知識ではありますが製本のアドバイスや指導を行なったりしています。

製本というと特殊な道具や技術が必要なものというイメージが強く、なかなかとっつきにくいものかと思います。
ただし思い出や記憶、思い描いているイメージなどを一つの”モノ”として綴ることのできるとてもよい手法だと私は考えています。

正直、私は文字を読むのが苦手です。いわゆる小説などは指で数えられるくらいしかおそらく読んだことがないでしょう。
しかしながら、最初にもいった通り紙は好きなのです。
だから喫茶店をやって見たいと思ったその日から、よくある読書と喫茶店といった取り合わせ以外に何か紙と喫茶店でないものかと模索し始めました。

ストレートに得意の印刷と絡めてという考えも頭をよぎりましたが、せっかくならもっとこれまでの喫茶店のかたちに近い本というアイテムを使って。つまりは本は本でも読書ではなく、本を作れるカフェを始めてみようと思い立ったのです。

とはいえ先ほども申し上げた通り、製本はなかなか難しそうというイメージ。専門的な知識がなくても簡単にできて、製本の面白さに気づいてもらうきっかけづくりはできないものかと。

そこで導入したのがこの簡易製本機でした。
クラウドファンディングでみなさんのご協力のもと、無事設置できることになったこの機械はノリで製本する機械です。
耐久性もあり、ボタンを押すだけなのでどなたにでも簡単にでき少しでも本を作るおもしろさに気がついてもらえたらと思っています。

ZINEや画集、絵本やノートなど少しづつではありますが、利用する方も増えてきています。


最初に、製本のできる喫茶店といいましたが、コーヒーを楽しみながら製本したり、製本されている方を横目にコーヒーを楽しんだりと、製本と出会える喫茶店といったほうが正解かもしれません。
それは初めて見てからの偶然ですが、そうあり続けられればと思っています。

次回は「Gigi」について触れながら話していこうと思います。


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