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トライアスロンへの挑戦

体が大きい事もあり、筋トレについてよく聞かれる。筋トレはもう10年以上、週2日はするように心がけてきた。趣味というのもあるが、経営者として体作りは仕事の一環、という考えもあって、日課として継続している。
自分自身のメンテナンスを日頃からきちんとできているかどうかが、仕事のパフォーマンスを左右する。そのことに気づかせてくれたのは、2014年から始めたトライアスロンだった。私はトライアスロンに魅了され、一時はいくつもの大会に出ていた。最近は参加できていないが、トライアスロンからの学びや気づきが多く、仕事ひいては人生にも大きく影響している。
 
◆ハワイで仲間とバーベキューができれば、と思って始めたはずが。
 
最初は軽い気持ちだった。
トライアスロンをしている経営者仲間から、ホノルルで開催されるトライアスロンの大会に出るのでスイムの練習を見に来ないかと誘われて、見学に行ったのがきっかけだ。水泳は子供時代、全国大会に出たことがあるくらい力を入れて取り組んだスポーツで、自信があった。ホノルルのレースは、スイムが1.5キロ、バイクが40キロ、ランが10キロ。なんとなくイメージできる程度の距離だったこともあり、見学していたらなんだか私にもできそうな気がした。先輩経営者にはトライアスロンに取り組まれている方も多く、話を聞くこともあったので、未知の世界という訳でもなく、興味がない訳でもなかった。また、ホノルルという場所に楽しそうなイメージが先行したというのもある。暖かいハワイで仲間とバーベキューをしている様子を思い浮かべているうちに、半年後のホノルルのレースにチャレンジしてみようと決めていた。
 
◆やると決めたら見えてきたもの。
チャレンジすると決めると、思いの外準備しなければならないものや、やらなくてはならないことがあった。まずは当たり前だが自転車を買わなくてはならなかった。自転車を買ったら今度は、40キロ走る練習をどうやってするのかという問題と、メンテナンスを自分でできるようにしなければならないという課題が出てきた。レース中にパンクなどのメカトラブルが起きたときに備え、自分でも修理ができるようにしておく必要があるのだ。トライアスロンの選手が自ら自転車のメンテナンスまでしていることは、始めてみるまで想像にも及ばなかったことだ。やり始めて見えてくるものがとても多く、トライアスロンのこうした「様々な状況を想定しての準備」に、ハワイでバーベキューができるという楽しみ以外の、魅力・面白味を私は感じ始めていた。
各種目、それなりの練習を重ねた。スイム、バイク、ラン。3種目あるので、誰しもある程度の得意不得意はあると思うが、私は先に述べた通り、スイムの経験があり、得意だった。その一方でランは苦手だった。それまで10キロという距離を走ったことがなかったし、走りたくもなかった。しかし、せっかくチャレンジするなら完走したい、それくらいの気持ちで走っていた。
準備はできた、と2015年5月、いよいよホノルルに向かいレースに挑んだ。
 
◆実際のレースから見えてきたもの。
予想以上にきつかった。そして予想以上におもしろかった。
とにかく気づかされることが多く、学びも多かった。
レース前は、3種目を通しで練習するということをしていなかったため、本番で初めて「力の配分」の重要性に気付かされた。一つ一つの種目に全力を出したいのはもちろんだが、エネルギーを残しておかないと、次の種目をやりきれなくなる。3種目通して完走し、結果を出さなくてはならないという点が、この競技の醍醐味だ。レースに出て初めて、「力の配分」の重要性を感じることができた。
そしてレース中は、普段は見過ごしている自分の性格と、思いがけず正面から向き合うこととなった。とにかく完走さえできればいいという程度で構えていたはずが、気が付くと私自身の根底にある負けん気がふつふつと沸き上がり、1秒でも早くゴールしたいと思っていた。沿道から見ず知らずの人達に応援されるという経験も新鮮で嬉しく、思った以上の励みとなり、手を抜けない気持ちにさせられた。おそらく全力を出し切らなくても、ゴールをすることはできるレースだったと思う。しかし私は、ゴールテープを切ると同時に倒れこむぐらい必死になり、力を振り絞って走った。負けん気が強く、期待に応えるために全力を出す。私はそういう性格なのだと思い知った。
レース直後はただ、完走した喜びと気持ちの良い疲労を感じていたが、時間がたつにつれて「もっとこんな練習をすればよかった。ここはこうするべきだった」など、細かい振り返りが止まらず、反省と課題が浮き彫りになった。また「もう一度レースに出たい」という明確な目標ができていた。

そして2か月後、2度目のレースにチャレンジする。そのレースがまさか!あんな大会になるとは…。
と、いうところで今回は終わっておこう。仕事や人生に大きな影響を与えてくれたトライアスロン、また折を見て書きたいと思う。

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