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病気との向き合い方。

病気と私。

 人にはそれぞれ、他人には言えない、もしくは言いたくない病気を患っている人が少なくないと思います。例えばそれの病気が周りの人になかなか理解して貰えなかったり、「甘えだ」と言われ公言出来ず、そう言った事から「自分は孤独だ」と感じる人も中に入るでしょう。

 私の眼の病気は先天性の「網膜色素変性症」です。
この病気は国の「指定難病」になっており、今現在の医学では治療法がありません。
症状としては、
・夜や暗い所が見えにくくなる「夜盲」
・見える範囲である視野が狭くなる「視野狭窄」
・視力低下

この3つが主な症状です。
 私の場合これに付け加えて、色覚異常と光が眩しく感じます。

見え方について。

 見え方や症状はその人の病気の進行度合いによってかなりばらつきがありますが、あくまでも私の症状を例に見え方について説明したいと思います。
 この病気を例えるなら「見えるのに見えない病気」です。
よく誤解をされるのですが、見えてる空間が黒く塗り潰された様に見えるのではなく、視力的には普通の人とほぼ変わらない見え方をしています。それ故に周りには「正常に見えている人」と思われがちです。しかし、上記に挙げた症状の「視野狭窄」の症状により、見えている範囲が狭く、よく物にぶつかったり、段差に気付かずつまずいたりします。
 では何故「見えるのに見えない病気」と例えたのか。それは人によって視力低下にかなりのバラつきがあるからです。私を例に挙げると視力は両目で「1.0」あり、片目で約「0.7」ずつあります。その事から周りからは「見えている」と思われてしまいます。
 この病気の最も怖い見え方が「そこにある物が見えない事」だと私は思っています。やはりそれは視野の狭さによる物なのですが、先に例を挙げた様に空間を黒く塗り潰された様ではなく、例えるなら透明な見えなくなるフィルムをドーナツ状に視界にある、といった感じです。これは言葉で伝えるのがかなり難しく、なかなか理解されない部分でもあります。ですが、ある時Twitterを閲覧していたら非常に共感できるツイートがありました。
それがこれです ↓

 こちらのツイートを見せながら説明すると非常に分かりやすく伝わるので利用させて頂いています。

障碍者手帳。

 自分は視覚障碍者手帳を昨年(2021年)に発行し、等級は「2種5級」とまだまだ低い等級である物の活用させて頂いています。初めは、手帳を持つ事に抵抗があり、まだ少しそんな病気を持つ自分を認めたくないという感情がありました。ですが、そう思っていた私ですが手帳取得に踏み切ったある出来事がありました。
 それは、会社からの「パワハラ」でした。その内容がかなり酷く、病名を伝えているのにも関わらず視覚障害者を侮辱する様な発言が毎日続き、気付けば1年が経っていました。当時私は「仕事が出来ない自分が悪い」と自分に言い聞かせ必死にしがみ付いていましたが、ある日の早朝にそれがプツン、と何かが切れてしまって通勤前の自宅で号泣してしまいました。それから家族や周りからの声により退職したのですが、自分の眼の病気の事を責められたショックと恐怖が忘れられず、正常に社員として働く事にも恐怖を感じる様になりました。思えば、この時点で何かしらの精神病を患っていたのではないか、と考えてしまいます。
 少し話が逸れてしまいましたが、そんな経験をした為、病気への理解がない企業に入社する事が怖くなり、病気の証明として手帳を発行しました。

向き合い方と救済。

 自分の病気との向き合い方は、未だによくわかっていないのが正直な気持ちです。自分の場合、症状がまだそんなに重くはない事もあって、将来の暮らし方や生活にどう影響してくるのか想像が付かない事ばかりで時折不安に押し潰されそうになる事もあります。ですが、障害を持つ人が利用出来る福祉サービスも自治体によって様々あって、相談もしやすくなっていることも事実です。私も福祉サービスを利用して今は雇用にまで何とか歩を進める事も出来ました。
 大切なのは自分は独りではない、手を取って、理解して貰える、障害は弱点ではなく個性と思える事。理解ある優しい世界がもっともっと広がってほしいと切に願います。

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