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【今でしょ!note#108】できない線を引いているのは、いつも自分

いかがお過ごしでしょうか。林でございます。

先日の記事で、大企業のいいところの一つとして「優秀な人は、人間的にも尊敬できる部分が多く、本当に優秀である」という話をしました。

人数的にも多くの人を巻き込みながら仕事を進める必要があるので、行動・思考・言葉に一貫性が求められますし、正解がない中で常に際どい判断・決定をし続ける中で鍛えられている部分もあるのだと思います。
また、最近では海外も含めた様々な国やコンテキストが異なる人たちと一緒に事業を成し遂げる必要があるので、人間的にも尊敬できる部分がないと、多様な人たちを巻き込みながら仕事なんてできないから、と言うのもあるのでしょう。

今日は、私が他部署の経営幹部クラスの人に突撃で声をかけて、自分の事業部の若手向けに話をしてもらう機会を作ったことがありまして、そこで聞いた「できない線を引いているのは、いつも自分」という話をします。


誰かに止められる前に、自分で歩みを止めていないか

「この提案を持っていっても、上司が許可してくれない」「自分の仕事の範囲はここまで」「こんな仕事は前例がないからやらない」こういった言葉を聞いたり、あるいはご自身で感じたことはないでしょうか。

私もこれまでの仕事の中で、何回もこのように感じたり、実際に言ったこともあります。
でも、大抵のことは、自分自身で見えない線を引いてしまって、勝手にその線に囚われて自ら撤退しているのです。

私の人生の中で見てきた限りの話ですが、特に、自分ができない理由を組織や上司のせいにしている人ほど、その傾向は強いように感じます。

大企業の中にいると、社内の決裁規定が決められていて、話を通す必要がある人も多くなりがちですから、どうしてもスタートアップなどと比べて意思決定のスピードが遅くなる傾向はあります。

でも、自分でオーナーシップを持って、本当に自分がやりたいこと・やる必要があると考えていることであれば、多少話を通したりするのに時間がかかったとしても、最後までやり抜けばいいだけの話です。

でも、頭では分かっているけど、それができていないケースが多いのは、ここには、2つの課題があると考えます。

  1. 自分が本当にやりたいこと・やる必要があると考えることがそもそもない

  2. 色々な人の話を聞く中で「これはダメだ」と感じて旗を下ろしてしまう


1. 自分が本当にやりたいこと・やる必要があると考えることがない

こちらについては、過去にも何度か記事にまとめています。

「目の前の仕事が忙しすぎたり、睡眠時間が足りないなどの理由で体調が良くなく、余裕がなくて考える暇がない」という要素と、そもそも「やりたいこと」がどこかに転がっていて、見つけてくるもの、という発想が出発点であることが誤りだと考えます。

前者については、毎日しっかり寝て体調を整えておくのはベースとしたうえで、現状の生活や仕事に自負を持って生きているのであればいいのですが、そうではなく納得はできていないけれど、ただ消費しているだけの毎日を送っているのであれば、見直した方が幸福度上がりますよね。

後者については、自身の経験を踏まえ、「やりたいこと」や「やる必要がある」ことなんて、最初から持っている人なんてほとんどいないし、それをいつもと同じ環境でグルグル考えていても、浮かんでくることなんて皆無です。

だから、「お願いだから戻ってきてくれ」と周囲に懇願されるまで、色んな場所・世界を見て、普段の生活では起こらない会話を発生させ、自分の頭の中で「イノベーション(=新結合)」を発生させるのです。

これまで知らなかったことや人との会話を通じて、既存の知識や価値観と、新たな環境における知識や価値観を掛け合わせたり、自分が当たり前のようにできることが、自分がいる環境よりも価値を発揮するところを見つけられると、自ずとやる必要があること、やりたいと感じることが生まれてきます。

「やりたいことがないから」と、自分で勝手に閉店ガラガラしてしまう前に、「外の世界を見ているか?」ということを自問自答するようにしたいです。

2. 色々な人の話を聞く中で、「これはダメだ」と感じて旗を下ろす

これも、私も何度もやってしまったことがあります。

最初は、ある程度自信を持って「これはいける!」と感じていたプランが、色々な人の話を聞く中で、否定的な意見に出会ってしまい、自分のプランのダメな部分に気を取られるようになって、これじゃダメだ、と自分で諦めてしまうケースです。

ここには、さらに3つのポイントがあると振り返っています。

1つ目は、「意見を聞く必要がない人の意見は無視すること」です。意見を言うだけならタダなので、意見を言うことで直接的な利害が発生しない人は、表面的・評論家的に無責任に発言してきます。
そんな人の意見に、自分が足と頭と時間を使って作り上げたプランを壊されるのって悔しいですよね。「確かにそうだ」と共感できるプランの欠点は補正していく必要がありますが、経験則的には、初めから20%くらいは聞いてやろう、くらいのスタンスでちょうど良いと思います。

2つ目は、「反対意見が多い案こそ良いものであることを自覚すること」です。
みんなに背中を押してもらえるアイデアは、言い方を変えると「多くの人が既にやっている・やろうとしていること」です。
競争戦略の基本は「差別化」であるとすると、当然みんながやらないことをやる、が王道になりますし、賛成している人がいることに価値を感じるべきです。

先日、人々の行動変容が起こるのは、価値観の変化ありき、という話をしました。

当然ながら何かが変わるときに生まれる恩恵を多く得られるのは、何かが変わる前からその領域に張っておいて、早くから投資していた人です。
反対意見が多い領域というのは、その領域に張っている人がまだ少ない領域ですから、少し賛成してくれる人がいる状態であれば「しめしめ」と心の中でニヤリとするくらい、面白がりながら取り組むのが良いです。

3つ目は、「上司への提案は3回で通す」ということです。
大体の人が、上司に意見を1回ぶつけて、そこで通らなかったら諦めます。私もやったことが何度もあるので、よく分かります。
でも、2つ目のポイントと重複しますが、本当にいい案というのは、そもそも反対意見が多いので、1回目で通らないプランの方が筋がいいと捉えるのです。
1回ぶつけてみた時に、何らか宿題が出てきたのであれば、それはラッキーです。なぜなら、それが2回目チャレンジができる理由になりますし、そこをクリアすれば少なくとも突破に近づくからです。
上司側の気持ちでは、せっかくメンバーから出てきたアイデアを活かしたいが、リスクや自分の意向と異なる部分があるので、そこを補正してほしいと考えているはずです。
だから、1回ぶつけて諦めてしまうのは、非常に勿体無いのです。

「3回」と言ったのは、とは言え1つの案・やり方に固執してしまうと、他への発送の転換機会を失ってしまうことにもなるからです。はじめから、目安として3回まではチャレンジするもの、という心構えでいるのが重要です。

失敗したらどうなるか?を想像する

最後に、提案に失敗したらどうなるか?を考えてみましょう。そんなのでクビになったり、評価が下がる環境であれば、自分から願い下げして、その環境からEXITすればいいと思います。

そして、大抵の場合は、提案に失敗したところで、無傷どころか、動かないと得られなかった経験値が得られるので、少なくとも自分の成長には繋がるはずです。

「失敗したらどうしよう」と考えて、これ以上はできない・・・と勝手に線を引いているのは、いつも自分。
自戒もありますし、私がこれまで経験して至った一つの結論を、どなたかの人生に役立ててもらえれば幸いです。

それでは、今日もよい1日をお過ごしください。
今日もお読みいただき、ありがとうございました!

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