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【短歌十四首】秋の再会

五、六年ぶりに集えばストパーのかかりし友の艶やかな髪

ドイツ語の店の名前にウムラウトありて懐かし学生の日々

中国語訛りの滲む店員よ、どうかこの地の恥部を浴びずに

とうに去りし職場の近況聞きながらレモン鍋の酸味のやさし

厭世は日々極まれどストロベリーロールケーキの旨きことよ

「いい人は、いなさそうだね」そう言えば恋ってものがあったんだっけ

恋はもうする気も全然ないけれどアイスティーにはガムシロ入れる

年上の友は今でも恋をしていると言い切る、夫に恋を

友と濃き時を過ごせし秋の日は非日常の色に染まりぬ

贅沢に食べて語って心臓よ帰路に爆発すればいいのに

「見ろ、人がゴミのようだ!」と高層のカフェの窓辺でムスカごっこす

新たなる苦しみを死を、つまり子を、生み続けては悲嘆の戦地

一番に誇れることは誰ひとりこの子宮から生まなかったこと

生まれさせられたからにはどんな子も幸せであれ幸せであれ

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