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パーマ・ハート

一応ワックスとかで髪の毛を整えるようにしている。大人だから。

中学生の頃、ちょっとした美意識が芽生え始めた。ワックスを初めて使ってみたのはその頃だったとおもう。母と行った美容室のおばちゃん美容師さんが、術後にワックスで髪の毛を整えてくれた衝撃といったらなかった。
これを自分自身でできるようになりたいと思い、ギャッツビーの紫を買った。訳の分からないくらいに逆立った髪の毛は、当時の流行りもあっただろうが、ただのウニであった。いや、もはや剣山。
私の頭上に花が生けられてもおかしくないほどであった。

高校生になるとその意識は暴走し謎にワックスにこだわりだした。ギャッツビーとかUNOのようなレベルでは満足できなくなったのだ。
ナカノ、アリミノ、デューサーなどなど、"当時の自分にしては"(←ここ重要)おしゃれへの第一歩、いや二歩目を踏み出した。
のだが、いかんせんこだわりが強すぎてちょっと風が吹いただけですぐ前髪をいじって鏡チェックしてしまうのは今思うとイタかった。
しかしそれもあるべきイタさ、誰もが通るイタさだったのかもしれない。

そして大学生になった頃、「寝ぐせさえついていなければよい」と、諦めという名の悟りの境地に達した。
水で寝癖を直せばよい、帽子を被ってごまかせばよい、いくらでも方法はあることに気が付きました。
風が吹こうが気にしない。T.M.revolutionよろしく強風を受けても、なすがまま。

こう見ていると、思春期らしい思春期を過ごすことができたなあと思う。
大人になって、パーマあてたり髪染めたり財力に物を言わせてできるおしゃれは多々あるけれど、子どもが子どもとして可能な範囲でおしゃれを楽しむのって見ていて微笑ましいものだなあと。

そんなことを考えるきっかけになったのが「お嬢様ずんだもんコーデ」の件のニュースでした。
中学生相手に何やってんのよ、大人たち。
細部は違っても、誰しもが通った道でしょうが。
持とうよ余裕を心にさ。ゆるっとさ。
髪よりも心にパーマあてたらどうでしょう。

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