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作品を引き寄せ、作品を引き上げる俳優、菅田将暉。

劇場版「ミステリと言う勿れ」の快進撃が止まらない。
夏休み終わりの10月は映画館の閑散期シーズンで、大作の公開が少なくなる時期だ。
その間隙を縫って、週末興行収入ランキングで5週連続1位を達成。

興行収入は、間もなく40億円に届く。
本年度、邦画で首位に立っているのは「キングダム 運命の炎」の55億円、第2位は「TOKYO MER」の44.8億円。
この2つは、物語のスケールも大きく邦画としては大規模なバジェットが注がれた作品。
一方、「ミステリと言う勿れ」はタイトル通りミステリーが主体。制作費もそんなにかかっていなさそうなので、おそらく本年度最も利益を創出した邦画ということになるだろう。

本作で主演を務めたのは、ドラマシリーズと同じく菅田将暉。
彼の主演作が連続して1位を獲得するのは、今回が初めてではない。
2021年に公開された「花束みたいな恋をした」も、5週連続で興行収入1位を記録している。

この作品も、コロナ禍で競合作が少ない状況の中公開された。
しかしながら、本作に人気が集中したのは間違いなくこの作品自体に引きがあったからである。

どうやからこの菅田将暉という男、良作を引き当てることは勿論、作品を注目させるような力を持った星の下に生まれたように見える。

例えば、菅田と同年代の俳優が主演作をどれぐらいヒットさせているかを調べてみると、大体こんな感じである。

興行収入10億円以上の主演作品数…
菅田将暉(30歳)ー9本
福士蒼汰(30歳)ー7作
山崎賢人(28歳)ー7作
神木隆之介(30歳)ー5作
坂口健太郎(32歳)ー2作
竹内涼真(30歳)ー2本

ちなみに、福士蒼汰は「仮面ライダーフォーゼ」関連の作品3本、山崎賢人は「キングダム」シリーズ3作、神木隆之介はアニメ映画である「君の名は。」と子役時代の「妖怪大戦争」を含んだ数字。

菅田の数字も「仮面ライダーW」関連作2本を含んでいるが、それ以外はシリーズ作なし。
やはり、圧倒的にヒット作が多いことが分かる。

出演作で演じた役柄を見ても、ごくごく普通の男性からキワモノまで幅広い。
それでいて、飾らないキャラクターやファッションセンスも支持を集めている。
また、歌手としてのヒット曲も多数。これも同世代の他の俳優にはない点だ。
器用さと世間的な人気の両立している点が、彼のいちばんの強みだろう。

30歳を迎え、結婚という転機を経た彼が今後どんな役柄を演じ、どんな作品を我々に見せてくれるのか。楽しみである。

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