見出し画像

街に溢れていたカットソー+テーラードジャケットの男たちはどこに消えたんだろうか

僕がファッションに興味を持ち始めたのは2005年、高校一年生の頃だ。

当時はインスタもなかったしYouTubeも今ほど盛んではなかったから、情報源と言えば紙媒体かどこの誰が作ったかわからないようなウェブページのみ。
『電車男』の影響で”脱オタ”という言葉が流行り、ネットにはオシャレの指南ページが溢れていた。

雑誌はサロン系が全盛期で、同級生はみんな『ChokiChoki』や『BiDan』なんかを読んでいたイメージ。
毎月毎月買ってたらお金も足りないし、回し読みしてたなぁ。
図書室に購読してもらうように掛け合ったり、とにかく知恵を絞ってオシャレを取り入れようとしていました。笑

思い返してみると、その頃はとにかくテーラードジャケットを羽織っていれば良い時代だった気がする。
シンプルなパンツにカットソーを合わせ、その上にジャケットを羽織れば量産型オシャレ男子一丁上がり、と言った感じだ。

それこそ、前述の『電車男』でも映画版・ドラマ版共通で主人公が垢抜けた後の服装はカットソー+テーラードジャケットだった。

山田孝之わけえ

当時は、これがカッコ良いの王道だったわけですね。

2023年現在は上下ともにオーバーサイズが流行ってますけど、2004~2005年頃はトップスやアウターはタイト目~ジャストサイズが主流。
下半身のシルエットは比較的自由度が高くて、タイトにしてIラインをつくるか緩めのパンツを履いてAラインをつくるかの二つに分かれてましたね。
サロン系の人はカーゴパンツやダメージデニムでAライン、キレイ目やモードテイストの人はスキニーパンツ、と言ったイメージ。
当時のファッション誌、今読み返すと結構面白かったりします。

カットソー+ジャケットっていうのは今でもビジネスカジュアルではよくあるスタイルですし、流行り廃りがないのでもうちょっといてもいいんじゃないかと思うんですけど、ほぼ街では見なくなっちゃいましたね。
あんなにいっぱいいたテラジャケ男子はどこに行ったのだろうか。

量産型と言えば昔はテーラードジャケット+カットソー、数年前はチェスターコート+スキニーパンツといった変遷を辿っていましたが、最近は量産型という表現が減りましたね。

SNSの普及によってオシャレの自由度が上がったり、ロールモデルになる人が飛躍的に増えた影響なのかも。
昔は手本になるような人自体が少なくて、みんなそれをマネするから自ずと被っていたんですかね。

昔は金太郎飴よろしく人に馴染むことばっかり考えていたテーラードジャケットの若者たちも、今は個性を表現する服を着ているのかな。

…いや、あの頃若者だった人の大半は今や30代半ば以降。
みんな結婚して子供も生まれて、オシャレに無頓着になってるのかもな。
今はみんな地味な格好して、街に溶け込んでいるのかもしれない。

本来、僕もそうなっているはずだったんですけどね。
気が付くと街のはみ出し者になってしまいました。

まあ、僕は昔からジャケット嫌い(似合わない)でしたからね。
やっぱ人と同じっていうのが根本的に性に合わなかったのかな。

この記事が参加している募集

スキしてみて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?