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Une Semaine à Zazie Films 週刊ザジ通信【1月12日㈬~1月18日㈫】

オミクロン株による急激な感染拡大で、東京にもまん延防止等重点措置が実施される流れになってきました。映画館に時短や座席数制限の要請が出る、という話は今のところ聞こえてきてきませんが、再びお客様の動きが鈍くなってしまうことが予想出来て、暗い気持ちになってしまいます。先週の“岩波ショック”がまだ尾を引いているというに、ホントにやんなっちゃいます。

そんな状況下で私に出来ることはただひとつ。とにもかくにも映画館に通い続けること。今週末はサンダンス映画祭で4冠に輝いた『コーダ あいのうた』、人気俳優ユ・アイン主演の韓国映画『声もなく』の上映が始まるので観に行く予定です。

自分ちの映画のことも書いておかなくてはいけませんね!シアター・イメージフォーラムで開催中の“奇跡の映画 カール・テオドア・ドライヤー セレクション”。当初4週の全日興行の予定でスタートしたのですが、好調につき22日からの1週間も、引き続き全日4回上映して頂くことが決まりました。大阪でもテアトル梅田での上映が1週間延長。こちらは朝から1回、1本ずつの日替わりで続映です。東北地区の先陣を切って、フォーラム仙台でもいよいよ21日から上映開始!皆様、どうぞ感染症対策万全の上、ぜひともご来場ください!

弊社事務所。お正月のお花と、ジャンヌのうつろな瞳…(笑)。

さて。「映画は映画館で」という基本姿勢は守りつつ、このコロナ禍、配信で映画を観る機会も以前と比べるとだいぶ増えました。配信オリジナル映画も、劇場でかかる映画はなるべく劇場で観ようと思っているのですが、期間も劇場も限定公開が多いので見逃す作品も多く、『パワー・オブ・ザ・ドッグ』『tick, tick…BOOM! チック、チック…ブーン!』『消えない罪』は配信で観ました(『ドント・ルック・アップ』は劇場で観ましたが、こっちを配信で観て『パワー・オブ・ザ・ドッグ』を劇場で観るべきだった、と激しく後悔。笑)。

一方配信オリジナルの連続ドラマは、劇場で観るという選択肢がないので、もっと気軽に観ています。話題の「イカゲーム」「地獄が呼んでいる」は鑑賞済み。今は13日から配信が始まった「新聞記者」を観始めたところです。で、やっとトップ画像に貼ったドラマDVDボックスの話になります。

昨日、社内宣伝スタッフと、6月に配給する新作の売り方について意見を交換していて、「この映画に似てる作品って何だろねぇ」という話になった時、宣伝Mから出てきたタイトルが「阿修羅のごとく」だったのです。

なるほど!膝を打ちまくった私です。多くの人が挙げると思いますが、「阿修羅のごとく」は私にとっても“向田邦子マイ・ベスト”。だから今回配給する映画も初見で思いっきり気に入ったのか、と自分のことながら腑に落ちました。でもなぜ、30代前半のMが「阿修羅のごとく」を知ってるのか、といえば、コロナ禍の巣ごもり時間に配信で見つけて、ハマったのだそうです。私はリアルタイムで向田邦子ドラマを観ていた世代なので、思いがけず“70年代80年代ドラマ好き”のスイッチが入ってしまい、山田太一、向田邦子、倉本聰、市川森一、早坂暁、鎌田敏夫…、テレビドラマ黄金期の話がとめどなく溢れてくることになってしまいました。「観たことがない」という、もう一人のスタッフHのために、今日は自宅からDVDを持ってきた次第。頼まれもしないのに、ついでに「幸福」、「冬の運動会」も。しばらく皆でまわし見することになりそうです。

ちなみに私のオールタイムベストは王道ではありますが、市川森一脚本の「淋しいのはお前だけじゃない」、山田太一脚本「岸辺のアルバム」、「それぞれの秋」辺りでしょうか。「淋しい~」「岸辺~」は、DVDボックスを持っていたのですが、誰に貸したのか覚えておらず行方不明。特に、テレビや配信ではある事情により第7話が放送出来ない「淋しいのは~」は買い直してもよいぐらいなのですが、今や高額商品になってしまって手が届きません。「それぞれの秋」は29,700円か…。ポチってしまいそうだ。

…ということで、まったく関係ない話で、一人で盛り上がってしまった今週のザジ通信。6月公開の新作の宣伝に、「阿修羅のごとく」のエッセンスがどう生かされるか?というのを楽しみにお待ち頂ければ幸いです(まったく生かされない、という可能性もありますので、ご容赦願います)。

texte de daisuke SHIMURA







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