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クエンティン・タランティーノ監督『パルプ・フィクション』行先不明のクライムドラマ


<作品情報>

クエンティン・タランティーノが「レザボア・ドッグス」に続いて手がけた監督第2作で、1930~40年代のアメリカで流行した大衆向け雑誌の犯罪小説(=パルプ・フィクション)をモチーフに、3つのエピソードが交錯する斬新なスタイルで描いたクライムドラマ。ギャングのビンセントとジュールスは組織を裏切った青年の家を訪れ、盗まれたトランクを取り返す。また、ボスから愛妻ミアの世話を頼まれたビンセントは彼女と2人で夜の街へ繰り出すが、帰り際にミアが薬物を過剰摂取し昏睡状態に陥ってしまう。一方、落ち目のボクサーであるブッチは八百長試合を引き受けるが裏切って勝利を収め、恋人とともに街から逃亡を図る。出演はジョン・トラボルタ、サミュエル・L・ジャクソン、ユマ・サーマン。当時キャリアが低迷していたトラボルタは本作で一気にスターの座に返り咲いた。第47回カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドール、第67回アカデミー賞で脚本賞を受賞。

1994年製作/154分/アメリカ
原題:Pulp Fiction
配給:松竹富士
劇場公開日:1994年10月8日

https://eiga.com/movie/48180/

<作品評価>

85点(100点満点)
オススメ度 ★★★★☆

<短評>

上村
全てが作り物めいていて本当にパルプ・フィクション(紙質の悪い本)を読んでいるような感覚でした。
時系列をシャッフルする手法がとても上手いし、なるほどこことここが繋がるのかというのが面白かったです。
特にジョン・トラヴォルタとマーセルスが乱闘になる店の展開は予想外すぎて笑いました。
ただ、やたら「ニガー」という言葉を言っていたり、上述のホモセクシャルのシーンの不誠実さは気になるところですかね。まあでもその言葉を言うのは当事者のサミュエル・L・ジャクソンだし、ゲイの警官たちは悪いことをしているわけだから気にすることはないのでしょうか…
もっと前衛的な作品かと思ったら割とストレートに面白い作品でもありました。タランティーノのファンではないのでそこまで好きにはならなかったけど、なるほどこれは歴史に残るのも分かるなと思いました。

吉原
高校1年生の終わりに劇場で「ヘイトフル・エイト」を鑑賞した後に(R18+なのに16歳が劇場鑑賞しているのは内緒)タランティーノ監督作品を全て鑑賞し、「これが一番!!」と思ったのが本作「パルプ・フィクション」でした。
その後、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」が公開されてもこの順だけは揺るぎませんでした。
様々な時間軸の物語が入り乱れることにより、それぞれの話がどの様な順番で展開されているのかを考えるのも面白いですし、登場人物たちの意味があるのか不明な会話劇を堪能するのも重しい作品です。
しかし、なんと言っても本作の見どころは、サミュエル・L・ジャクソンの怪演に尽きます。名脇役として100本以上の映画に出演しているサミュエル。私の一番好きな俳優でもありますが、その中でも本作がベスト級の演技力です。初見の方には、内容自体も勿論ですが、サミュエルの演技に着目して鑑賞してもらいたいです。

<おわりに>

 映画史の中に残る作品と言っても過言ではないでしょう。展開力が光るタランティーノ監督の代表作です。

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