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この記事は魔剣アクション小説『刀鬼、両断仕る』の総合目次です。 完結済み、文字数はおよそ9…
◇【前回】◇ 「あの」 馬上から声を掛けられ、村人は顔を上げた。 「聞きたい事があるの…
◇【前回】◇ 「『刻角』は、お前に似合いの刀だった」 厚畳からの声に、荒刈は答えない。…
◇【前回】◇ 「ご報告します! 刀鬼たちの勢いは止められず……」 「……ここに来る、か」 …
◇【前回】◇ 黒い鉄塊が空を切る。 ぶぉん、ぶぉん、ぶぉんっ! 重たい風切り音は次第…
◇【前回】◇ 城下町は静かだった。 混乱など、とうに過ぎた後なのだろう。 ぽつり、ぽ…
◇【前回】◇ (どう、する) 己が信念に殉ずるか。 それを捨て、力を得て戦い続けるか。 考えるための時間は、あまりにも短かった。 咆哮と共に、鎧袖が再度突撃する。 片腕を潰された無粋では、鎧袖の振るう両の拳を受けきれない。 生か、死か。 空を裂き迫る拳を前に、無粋は砕けんばかりに歯を食いしばり―― 「――オレはッ……!!」 『破甲刃』が無粋の胸に食い込み、肺を貫いた。 振りぬく拳は勢いのままに彼の肋骨を砕き折り、その肉身を弾き飛ばす。 衝撃と共に
◇【前回】◇ 「刀鬼になるつもりはない、か」 「無論だ。私はお前たちとは違う」 天宿の…
◇【前回】◇ 「ヴルルァァッッ!!」 荒刈の攻めは、苛烈を極めていた。 床や壁のみな…
◇【前回】◇ 情けない、と思った。 己の意志を曲げ、血に塗れ、それでも自分を助けよう…
◇【前回】◇ 「『……おま、えは……』」 「分からない筈がないだろう……オレは、無粋だッ…
◇【前回】◇ 先手を取ったのは無粋であった。 瓦礫の山を駆け上り、一息に中空の真波へ…
◇【前回】◇ ごうごうと、渦潮が猛る。 しっとりと湿った空気を深く吸い込んで、吐く。 …
◇【前回】◇ 『天刃』の崩壊から、数日。 未だ事件の後始末が続く滝河の国へ、一人の旅人が向かっていた。 朱色の着物を纏ったその旅人は、みれば頭髪に数本の白髪が混じっている。 手の甲も節張っていて、どことなく乾いた印象を見る者に与えた。 恐らくは、それなりに高齢なのだろう。 しかしそんな特徴に反して、旅人の足取りは壮健である。 「……もし」 旅人に声を掛けたのは、老爺である。 すれ違い際の事だ。呼び止められた旅人は、半身を傾けて老爺に目を向ける。 「なにか