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#88.今、妻は何を思うの

仕事を終え、今日も妻の病室へお見舞いに行った。

病室へ入り妻の顔を見ると体調は問題なさそう。

ただ複視により、特に左目が見えづらいとのことで、しかめっ面だった。

家にいる時にも良く寝てはいたが、入院してからは特にすることもない為に、更に寝ているそう。

体力が落ちてしまうことが心配だ。

よく寝ることで夢を頻繁に見るようで、妻が言うには夢と現実がわからなくなってきているとのこと。

起きていなさい、と無理には言えないし難しい。

ただ明日から日中にリハビリもあるそうなので、少し体を動かすといいのかもな。

妻と会話する時間は貴重かもしれないのだが、最近はどのように話しかけたら良いのか困る時がある。

うまく言葉が出てこない。

病室へいって1時間程度が経ったあと、看護師さんが病室へ来て、お風呂に入るように言われた。

お風呂は入所者ごと決まった時間に順番に入らなくてはならず、ちょうど妻のお風呂の順番が来たので、私自身はそのタイミングで病室をあとにした。

私は帰る際に

「もう帰るね、明日も来るよ。何かあったらすぐに連絡してね」と言うと

妻から「わかった。今日も来てくれてありがとう」と。

ただその1時間後に私にメールが来て。

「どこに行ったの?一緒にご飯食べようよ」と。

妻は私が今日、お見舞いに来たことを忘れている様だった。

最近はこのようなことが多い。

妻が言ったその一言。

今、妻は何を思い、そして何を考えているんだろうか。

もうあの時の妻はいないんだろうか。

とてつもない不安に襲われ、正直にいって現実から目を逸らしたい自分がいる。

ただこういったことは、ただの序章にしか過ぎないのかもしれない。

今後の妻の容態次第では、更に現実を見せつけられるのかもしれない。

私は耐えれるのだろうか。

皆からはストレスを溜め込まないように、と言われる。

ただそのストレスを解消できる方法が分からない。

妻が改善し病気が治ってくれることが1番のストレス解消。

その為に、病気のことや治療法についても調べるし、セカンドオピニオンだろうが何だろうが、できることは何でもやりたいと思っている。

まずは明日、そして1週間、1ヶ月、そして1年と、何とか妻が無事に過ごしていって欲しいと思う。




記事を通じて、少しでも誰かのお役に立てればと思っています。