みなみ

事業会社でM&Aや新規事業開発、アライアンス締結に従事。趣味は映画やアニメ鑑賞…

みなみ

事業会社でM&Aや新規事業開発、アライアンス締結に従事。趣味は映画やアニメ鑑賞に読書。美術館や建築、建造物を見るのも好きです大学では、都市について研究しました。

最近の記事

外食企業分析~三光マーケティングフーズ編~

はじめに 新型コロナウィルス感染症による影響で外食産業が非常に大きな影響を受けた。その影響の大きさを図る術は、未だ誰も持ち合わせていないように思われる。 私自身もこの感染症がどのような帰結を迎えるのか想像出来ていないが、注目度の高いこの業界の企業を分析する意義はあるものと考えている。 そこで、まずは、外食企業のなかでも比較的大きな影響を受けた居酒屋業態の(株)三光マーケティングフーズを分析する。 分析手法としては、有価証券報告書を分析し、本来であれば競合比較なども行うべ

    • 吉野家ホールディングスの分析

      はじめに吉野屋ホールディングスが息を吹き返しているようなので、吉野屋ホールディングスの分析を行った。吉野屋ホールディングスの分析の際には、ビジネスモデルと財務分析の二つに分けて分析を行い、とりわけ前者の分析に重点を置いている。 なお、本分析は公表されているものをベースに検討したものであり、情報の正確性は万全を期したがその正確性は担保していない。そして、筆者と株式会社吉野家ホールディングスは一切関係がなく、本資料はあくまでも筆者の妄想である。さらに、本資料で吉野屋ホールディン

      • アサヒ、豪ビール事業買収について

        はじめに先日、アサヒグループホールディングスがビール世界最大手のABインベブから豪州ビール事業の買収が発表された。記事によると買収金額は約1兆2000億円と巨額買収であった。 日本企業による巨額買収がニュースになるたびに、買収金額が高すぎる等の論拠のない批評が飛び交う。確かに、約1兆2000億円という金額は巨額である。しかし、それが理論的に高すぎるかどうかの判断は理論的に可能である。今回は限られた資料からそれを推計したい。 限られた資料とはここで重要となるのが限られた資料

        • 読書会開催予定

        外食企業分析~三光マーケティングフーズ編~

          金の蔵、定額飲み放題について

          はじめに金の蔵の定額飲み放題が最近話題となっている。この制度は今年の3月から販売しており、徐々に認知が高まり利用者が増えてきたと考えられる。 この制度は我々サラリーマンにとっては非常に有難いことだが、金の蔵的にはどうなるのだろうか。先ほど引用した記事では、「アプリ決済への布石」と記載されていた。 今回は金の蔵を運営している三光マーケティングフーズの有価証券報告書を用いた経営分析の観点から、今回の飲み放題定額制について分析したい。 居酒屋市場動向まず、居酒屋業態が置かれて

          金の蔵、定額飲み放題について

          「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」の感想

          まえがきクレヨンしんちゃんはテレビ朝日が世界に誇るテレビアニメの一つです。今回考察するクレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲(以下オトナ帝国)は劇場映画9作目である。 詳しいあらすじ等の説明はしないのでWikipediaを参照していただきたい。 オトナ帝国の総評 序盤でケンの「未来を取り戻す」や「高度経済成長的な頑張り」、という言葉が印象的である。ここからケンが戻りたい時代は、誰もが未来を信じ歩むことができた時代であり、その時代こそが劇中からは高度経済成

          「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」の感想

          経営における戦略の歴史①

          戦略という言葉は軍事分野だけでなく経営分野にも多大な影響を与え、軍事における「戦略」という概念とは確かに異なる系譜を歩んでいる。今回は第二次世界大戦後までの簡単な歴史的背景について叙述する。 戦略の由来戦略という言葉は、古代ギリシア語に由来するものであり、もともとの意味は最高行政官あるいは軍の最高司令官という意味である。以来、2000年以上のあいだ戦略概念形成は、常に軍事的な意味合いに焦点を当ててその歴史を展開してきた。 経営における戦略の活用と新たな企業タイプの誕生経営

          経営における戦略の歴史①

          ブロックチェーンについて①

          ブロックチェーンという言葉は最近市民権を得たと思うが、それでもまだまだ私たちには馴染みのない言葉である。そこで、今回はブロックチェーンについて簡単にまとめたいと思う。 ブロックチェーンとは何か。ブロックチェーンはビットコインを実現する過程で生まれた技術である。インターネットが情報を繋ぐネットワークを構築することが特徴なのに対して、ブロックチェーンはインターネット上で主体や資産を繋ぐネットワークを構築する。ブロックチェーンをの定義はさまざまであるが、とりあえずは、主体に紐づく

          ブロックチェーンについて①

          産業革命のメモ

          昨今、第四次産業革命という言葉を多くの人が耳にしているだろう。第四次産業がどのようなものかはさておき、産業革命について最近考えていることをまとめたい。 過去、人類は三度の産業革命を経験してきた。それはここ数百年以内の出来事であり、未曾有の出来事であると言えるだろう。 さて、私たちが経験した産業革命によって、私たちは世界の意味合いを大きく変質させた。それは物理的な範疇に収まることを知らず、時間的な部分にまでその領域を進出させている。 例えば、蒸気機関の発明により、私たちは

          産業革命のメモ

          自動車産業の構造転換についてのメモ①

          第四次産業革命で今後産業は大きく変化していく。なかでも製造業はダイナミックな転換を迫られるだろう、とさまざまな識者が提言している。しかし、どのような形なのかいまいち分かりにくい部分がある。今回はそれについてメモを書き記す。 製造業という表現ではそこに属する産業群が多すぎので、今回は自動車産業に限って議論を進めていく。 国内では、若者の車離れが叫ばれて久しい。その間にレンタカー市場やカーシェア等のサービス市場が順調に育ってきた。無論、それは都市部と車社会の地方とでは、市場形

          自動車産業の構造転換についてのメモ①

          卒業論文とビジネスの共通項

          タイトルだけ見ると何だこれは、と思われる方がたくさんいるだろう。私自身このことについて最近まで全く共通項があるとは思わなかった。 本題に入る前に私のことを紹介したい。私は事業会社において、新規事業の構築やM&A、アライアンスといった経営企画的なものを生業としている。仕事柄さまざまなセミナー等に通い、いろいろなことを勉強させて頂いた。 そこで登場する講師の方々は、さまざまな手法を用いて消費者のニーズをキャッチしたビジネスモデルを展開されており、私が遠く及ぶことはないと自覚し

          卒業論文とビジネスの共通項

          孤独権ーヒト・モノと接しない権利ーを求めて

          IoTやIoBが第四次産業革命ののちに、社会全体として標準化された世界はまさに映画や小説、漫画の世界である。そのような社会は相当便利な社会になっているだろ。そのよう便利な社会だからこそ新たな権利が必要とされているのではないだろうか。 今日でも「忘れる権利」等新たな権利が欧州等で認められている。30年後の社会では、いま以上にさまざまな権利を市民が獲得しているだろう。そのなかの一つの権利として、おそらく「人・モノと接しない権利」が登場しているのではないだろうか。 30年後の世

          孤独権ーヒト・モノと接しない権利ーを求めて

          「フードテックで30年後の世界を救え。」の補足

          農産物や畜産の工場生産について、私が初めて知ったのは中学3年生の時でした。オランダの都市環境学の人の研究だったような気がしています。今回は「30年後あったらいいな」の補足をしたいと思います。 工場生産が社会に与える影響ですが、これは良い部分ばかりではないでしょう。おそらく、農産物の工場生産が可能となれば、食という人類の根幹が大企業に支配され、人類はますます飢えることになる可能性があります。なぜなら、農産物の工場生産は既存の農家を破壊的に減少させてしまうからです。そうなれば、

          「フードテックで30年後の世界を救え。」の補足

          フードテックで30年後の世界を救え。

          食料問題は現在においても解決されるべき問題である。2050年には世界人口が98億人に到達する予測が出されており、今後ますます世界中で食料が不足していくだろう。しかしながら、人類は今なお有効手を打てていない。 また、今後一人当たりの年間肉類消費量は年々増加していく。2027年にはアフリカを除く全地域で増加するという予測が出されている。特にアジアの新興国においては急激に需要が増加すると言われている。食肉需要の増加は、家畜の餌となる飼料の増加も意味する。家畜は生産過程での環境負荷

          フードテックで30年後の世界を救え。

          30年後あったらいいな、の内容を少し修正しました。

          30年後あったらいいな、の内容を少し修正しました。

          モビリティ革命のその先へ

          第四次産業革命により、私たちの生活空間は激変していくと言われている。それはまさに、私たちが映画やアニメ、小説の世界で想像していたことが現実世界へやってくるのである。そして、現実は想像さらに超越していく。 自動車産業は今後大きな転換を迎えることになるだろう。このことについては、自動車産業の構造転換についてのメモを参考にして欲しい。今回は簡潔に、自動車産業がサービス業化していくと表現する。 自動車産業がサービス業化し、カーシェアリング等のサブスクリプションを提供することで新た

          モビリティ革命のその先へ