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こぼれタルタルのサーモンチーズバーガー

ズルめし美女。それは高カロリー、高脂質、高糖質……そんなの美味いに決まってる、通称”ズルめし”を、ひたすらかわいい女の子に食べてもらうことで、あらゆる背徳感をお届けする「男の欲望が詰まったグルメメディア」である。

ここはまさに禁断のサンクチュアリ。いや恍惚のギルティー。はたまた微笑みのパラダイス……。足を踏み入れたら最後、あなたはあらゆる欲をくすぐる料理と女によだれが止まらなくなるだろう。

プロのカメラマンとフードスタイリスト、ライターが本気を出してつくる当メディア、前回は新感覚エスニック料理 「サーモンのカレーオイスター炒め」をご紹介した。

さて今回は、ちょっぴり贅沢に「サーモンバーガー」であなたの欲望を刺激しようではないか。

今回のズルめしガール

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前回に引き続き、ズルめしガールを務めるのは、降旗さくらさん。大人びたクールな印象と。子どもっぽい笑顔の両面を兼ね備えた、不思議な魅力を持つモデルだ。

大手にはできない”馬鹿”をやろう

炭水化物のなかに主菜がポンとあって、手で持って食べられるって、日本だとおにぎりである。回転率爆発のフォーマットは、やっぱりどの国にもあって、中東だとケバブサンドだし、メキシコだとタコスなのだ。このスタイルの特徴は、大部分を炭水化物が占めていること。そして手軽に食べられること。そう、空き時間に太れるのである。

今回、紹介するのはアメリカンファストフードの王様・ハンバーガーだ。バンズという淡水化物に主菜をポンと挟む、シンプルな料理、それがハンバーガー。チーズバーガー、エビバーガー、チキンクリスプ、テリヤキバーガーなどなど、マックやモスなどの大チェーンは長らくハンバーガーの可能性を研究しては、新たな組み合わせをリリースしている。この組み合わせは、正直無限だと言っていいかもしれない。無限の可能性で太れる。

そこで、我々ズルめしクルーは、主菜にサーモンを選んだ。実は2000年代初頭ごろ、マックにもケンタッキーにもサーモンを使ったバーガーがあったのをご存じだろうか。マックはムニエルのようなあっさり系のサーモンブロックを挟んだもの。ケンタッキーはカットしたサーモンフライを挟んだものを出していたのだ。美味しそうなのだが、両メニューとも、実はあまり長持ちせずになくなっている。おそらく原価が高かったのではないだろうか。

そこでズルめしクルーは、にやりと笑った。「大手にできなければ、世界一小規模なグルメメディアである我々がやったろう」。大手にできないことを、虚勢を張ってやるのが、我々のスタイルである。とはいえ、どうしてもお金がかかる……。ブロックの鮭を少しカットして数個つくるべきか……。カメラマンの小堀氏と私が悩んでいると、「さらさらさら」と背後で音がした。

振り返ると、シェフの田口氏が小麦粉を丸々1つのサーモンブロックにまぶしていた。

「田口さん……それ……」

「あぁ、もう丸ごと揚げちゃおうかと思って。ズルめしってこういうことでしょ?」

けろっと言い放つ田口氏を見て、さっきまでのオノレを恥じたのは言うまでも無い。我々はズルいメニューを作っているのだ。よし、田口氏、それひと思いに揚げちゃってくれ! と言うまでもなく、彼はたっぷりの油にでかでかのサーモンを投入していた。

こうしてできあがったのが、ズルめし流・サーモンバーガーである。

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見よ、この長崎の名産・佐世保バーガーを彷彿とさせるほどの厚さを。そしてさらにチーズを乗せ、その上からたっぷり過ぎるほどのタルタルソースを掛けるという暴挙を犯してやった。

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こんなものがマックで作られたら、客から「食べにくい」とクレームがくる。クルーからは「作りにくい」と渋い顔される、経営層からは「利益が出ねぇだろ」と肩を叩かれるに違いない。我々の「喰わせたいものを作るスタンス」だからこそ作れた、ある種の“爆弾”なのだ。

さて、いよいよお披露目の時間。崩さないように気をつけながら、御前にサーモンバーガーをどーんと投下する。

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「え、え、すご~い! ハンバーガーですか?これ」

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オドロキとヨロコビが入り交じったような顔がもう、魅力的過ぎる。せっかくなので、他のカットも。

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こうして見ると、やはりバーガーの存在感がハンパじゃない。

「これ、どうやって食べれば……これ……。こっちから、こうガブッと、ですか?」と困った顔で、バーガーとクルーの顔を交互に見るさくらさん。

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いじらしいとはこのこと。そのあまりのかわいさに、ちょっぴり意地悪なクルーはあえてアドバイスなし。あまりにかわいいもんで、泳がせる作戦である。

「じゃあ、いただきます!」

意を決したさくらさん、サイドからそのままガブッと攻める。

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「おいしい! サーモンのボリュームがすごいですね。タルタルソースもおいしい!」

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噛みついた瞬間に溢れる具材とソース。ボタ、ボタと皿に落ちるも気にせずに、もう一口。

「んー、おいしいです」

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溢れたレタスを手で取りながら、なおも次の一口。そう、ハンバーガーは汚せば汚すほどおいしいのである。そして口の端からタルタルソースがこんにちは。

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わざとらしいほど多いタルタルソースに違和感を覚えた読者さんもいらっしゃるだろう。そう、これこそが、我々が仕掛けた罠である。噛みつけばピタゴラスイッチよろしく、自動的に口に付くようになっているのだ。あぁ、拭わないで。

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店内であれば、少し恥ずかしいタルタルソース。しかしズルめしでは、かわいさのエッセンスである。「何も気にすることはないぞ!」と思いつつ、条件反射的に拭ってしまうさくらさん。

「ラスイチです」

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そんなこんなで、気付けば完食してしまう。そう、肉ではなくサーモンなので、あっさりいけてしまうのだ。それにしても、あのボリュームで完食とは、バーガーの魔法なのか、さくらさんの胃袋の強さなのか。しっかりとサーモンバーガーを平らげたさくらさんは、汚れた手を気にして「今でしょ」的なポーズを取っていた。

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次回予告

さて今回はサーモンバーガーをご紹介した。次回はサーモンの「ポキ丼」。ハワイのローカルフードで、すっかり南国テイストなさくらさんを見ていただこう。


■こぼれタルタルのサーモンチーズバーガー

【材料(1人分)】
サーモン(刺身用)サク   150g
塩、こしょう        少々
小麦粉、溶き卵、パン粉   適量
揚げ油           適量
バーガーパン        1個
タルタルソース(市販品)  適量
レタス           適量
スライスチェダーチーズ   3枚分
紫玉ねぎ輪切りスライス   適量

【作り方】
1、 サーモンに塩、こしょうをふり5分ほど置き、サーモンから出た水気をペーパーで拭き取り、小麦粉、溶き卵、パン粉の順に付け、170℃に温めた揚げ油できつね色になるまでじっくり揚げる。
2、 1のサーモンフライにスライスチェダーチーズをのせトースターで軽く温めチーズを溶かす。
3、 バーガーパンは切った面を下にしてフライパンに置き、ふたをして軽く焼き目がつくまで温める。
4、 3のバーガーパンでレタス、2のサーモン、たっぷりのタルタルソース、スライス紫玉ねぎを挟む。

タルタルソースはそれぞれみじん切りにした玉ねぎ(水にさらして絞ったもの)、茹で玉子、パセリ、ピクルス、ケッパー、塩、粗挽きこしょう、レモン汁、マヨネーズを混ぜたものにするとより美味しく仕上がります。


■クルーの紹介

photo:小堀 将生(https://bicture.jp
style:田口 竜基(http://fooddragon.net
write:緒方 優樹(https://giraffecompany1016.wixsite.com/mysite

model:降旗 さくら

Instagram(@sakura_riririri)https://www.instagram.com/sakura_riririri/

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