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サンマと健康

サンマには私たちの健康を促進させる栄養成分がたくさん含まれています。今回は、それらの成分を紐解いていきます。

1,タンパク質
サンマには良質なタンパク質が豊富に含まれています。タンパク質は、私たちの体の組織や細胞を作る重要な栄養素で、筋肉や骨、皮膚、髪、爪などに必要です。また、免疫系やホルモンの働きにも関係しています。サンマのタンパク質は、卵や肉などの動物性タンパク質と同じく、人間の体に必要なアミノ酸をバランスよく含んでいるため、生物価が高いと言われています。生物価とは、食べたタンパク質のうち、体に残った割合のことで、高いほど消化吸収が良いということです。サンマのタンパク質は、一食でまとめて摂るよりも、朝昼晩と均等に摂る方が、筋タンパク質の合成を高めることができるという研究もあります。

2,DHAとEPA
サンマには不飽和脂肪酸であるDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)が多く含まれています。これらはオメガ3系脂肪酸と呼ばれるグループに属し、人間の体ではほとんど作ることができないため、食事から摂取する必要があります。DHAとEPAには、血液をサラサラにする、中性脂肪や悪玉コレステロールを下げる、血圧を下げる、動脈硬化や心筋梗塞などの心血管疾患の予防に役立つ、などの効果があると言われています。また、DHAは脳や目の神経組織にも多く存在し、記憶や学習能力、認知機能、視力などにも関係しています。EPAは、炎症や免疫反応に関与するエイコサノイドという物質の原料となり、関節リウマチやアトピー性皮膚炎などの自己免疫疾患の症状を緩和する可能性があると考えられています。厚生労働省は、日本人が1日に摂取するオメガ3系脂肪酸の目安量を、男性で2g、女性で1.6gと定めています。これは、焼いたサンマ約半尾、小ぶりのイワシ約2尾、お刺身のマグロのトロ2~3切れ、ブリで4~5切れ程度に相当します。

3,   ビタミンとミネラル
サンマにはビタミンやミネラルも豊富に含まれています。ビタミンの中では、ビタミンDが特に多く含まれています。ビタミンDは、カルシウムの吸収を促進し、骨や歯の形成に必要です。また、免疫機能の向上やがんの予防にも関係しているという報告もあります。ビタミンDは、日光に当たることで体内で合成することもできますが、冬場や日焼け止めを塗ったり日傘をさしたりすると、合成量が減ってしまいます。そのため、食事からも摂取することが大切です。ミネラルの中では、カルシウムやマグネシウム、鉄、亜鉛などが多く含まれています。これらのミネラルは、骨や歯の健康、神経や筋肉の働き、血液の生成、免疫力の向上などに必要です。サンマの中でも、イワシやサバなどの小魚は、骨ごと食べることができるので、カルシウムの摂取におすすめです。

結びに
サンマは、私たちの体に必要な栄養素をバランスよく含んでいる、健康に欠かせない食べ物です。一般的に言われているサンマの旬は9月~11月です。この時期のサンマはサイズも大きく、脂も乗っています。旬のサンマを食卓に取り入れて、健康的な食生活を送りましょう。

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