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【週末投稿】つれづれ有用植物#221(ムクロジ科ムクロジ属:ムクロジ)

落葉広葉樹の高木で、樹高は 7 ~ 15m ほどになり中には20 mを超える巨木になるそうです。日本では庭木として植えられたり、しばしば寺や神社に植えられています。中国が原産と言われています。
実や種子に薬効があることから、中国名(漢名)で「無患子」といい、それを「ムクロシ」の読みを当て、それが転訛したとされています。

新潟県、茨木県以西の本州・四国・九州の低地で見られたり、山地に自生するようです。5月~6月頃に枝の先に円錐花序で淡緑色の小さな花が咲き、咲き終わると雨のように落ちてくるそうです。

【ムクロジの花】

果実は直径約2 cmくらいで秋に黒い種子を含むようになります。

花や実の皮、中に入っている実が昔から利用されてきました。

果皮は気管支炎、咽喉カタル、痰などに用いられているそうです。
目の充血や痛みには花の煎液で目を洗うとの記述を目にしました。

実を包む果皮には光沢があり、サポニンを含み水で揉むと泡立つ事から古くから洗濯や洗髪、書画などの汚れ落としに用いられたそうです。
学名のSapindus はラテン語の石けんsapoとインドをつけて学名化したもので、「インドの石鹸」という意味です。英語でもソープ・ツリーと呼んでいることから、世界的にこの種は石鹸として利用されていたようです。

また種子は硬いので日本では、羽根つきの球や数珠などの材料として用いられていたそうです。また、煎じて解熱、止血、咳止め、健胃薬として利用されたそうです。

■ムクロジ (5分8秒)
出原大 様

江戸時代末期の風俗百科 守貞謾稿 (もりさだまんこう) にはシャボン玉を吹くサボンウリ(シャボン売り)の説明と姿が描かれています。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション 【守貞謾稿. 巻6-19p】


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