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【週末投稿】つれづれ有用植物#227(キク科ヤブタビラコ属:コオニタビラコ)

白梅が咲くころ、ナノハナ類や日本タンポポが咲く前に、人里の各地に小さな黄色い花を咲かせる植物達が現れる。
タビラコと言われる植物達です。本州、四国、九州に広く分布し湿地を好みます。朝鮮半島や中国、日本を原産地としています。
日本では「小鬼田平子」と記載し、中国名は「稻槎菜」になります。

春の兆しが見え隠れする頃、人々が食べるものを求めて探し当てた植物なのでしょう。各原産地とされている所では地上部を刈り取って収穫し、煮て灰汁を取った後に食卓に取り入れている文化があります。

【開花したコオニタビラコ】

■稻槎菜,吃法很多,但不管怎么做,味道都很鲜(中国語:約6分)
XiangYe LianJie 様

「田平子(たびらこ)」という名称は、早春のまだ水がない田んぼや畦に、土に張り付くように根出葉を広げている様子から名付けられているそうです。そして「コオニタビラコ」は「オニタビラコ」より小さい植物としてと命名されました。他に「ヤブタビラコ」という植物もあります。

どちらも若い葉を食べる事ができますが、コオニタビラコより劣ると言われています。開花しない状態では、どれも容姿が似ているので慣れないと見分けがつかないかもしれません。

「オニタビラコ」は
同じキク科ですが、「オニタビラコ属」で属が違います。

【オニタビラコ】

コオニタビラコ、ヤブタビラコと違って、一本の茎から花が途中で分岐しておらず、比較的大きめです。オニタビラコは他のものより比較的多く見かけられる様です。

ヤブタビラコは
コオニタビラコと同じ、ヤブタビラコ属の植物で葉の形状が多少角ばっているので見分けがつくかもしれません。

【ヤブタビラコの葉の形】

また花の形状も違いがありますが、花ビラ差があまり無い事もあるので、葉の形状を合わせて比較されるとよいかもしれません。

【ヤブタビラコの花】
【コオニタビラコの花】

コオニタビラコは春の七草のひとつ「ホトケノザ」です。
昔から植物の命名は意外と適当に名付けられ、それが定着してしまったたに、間違いを修正できなくなっている混乱した文化があります。

【春の七草】
【七草がゆ】

ややこしいのですが、
「ホトケノザ」として命名されている植物があり、またそれ類似した植物も「ヒメオドリコソウ」という植物が存在しており、小鬼田平子と同じ頃に開花し始めます。興味のある方は、それぞれの植物達を調べてみると面白いですよ。

■参考
キク科~ヤブタビラコ(藪田平子)と仲間たち 奥行き1mの果樹園
コオニタビラコとヤブタビラコの比較  三河の植物観察様

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