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【週末投稿】つれづれ有用植物#225(クワ科イチジク属:アイギョクシ)

日本では未だ馴染みが薄いと思いますが、「台湾ゼリー」、「オーギョーチ」と言えば知る人ぞ知る、黄金色に輝く上品な見栄えとプルプルの食感が魅力的なスウィーツがあります。

台湾ではレモンシロップに浸して食べるのが一般的で、甘酸っぱいレモンの風味が爽やかな、特に暑い夏の時期に恋しくなる一品で、夜市の屋台で、巨大な金属製の鍋に、大量のシロップに浮かべて売られ、「仙草ゼリー」「亀ゼリー」と並ぶ「3大ゼリー」の一つとして親しまれているそうです。

【夜市の屋台で売られている愛玉子】

このスィーツの原料は、台湾北部にある標高1,000m超の多雨湿潤な場所に生息する雄雌異株のツル性常緑樹の種から作られます。
その実は色も形も土芒果(在来種のマンゴー)によく似てアイギョクシ(愛玉子)と呼ばれます。

■台湾スイーツ愛玉子<オーギョーチ>の作り方(8分30秒)
Dainichi Production 様


■ 愛玉の第三世代が冷え切った旧産業に新たな希望を ∣ 一歩一歩【台湾有機愛玉の新たな道】へ(中国語:12分弱)

TVBS 優選頻道 様



■オオイタビ(学:Ficus pumila)とオーギョーチ(愛玉子) 雄株(1分強)

UROうろ鵜鷺 様

■據說有很多人都沒見過這種果子,用它做的涼粉不僅好吃而且健康。
快學起來!
https://fb.watch/qdwXxbTg7j/

台湾が日本の統治下になって間もない明治後期に、政府から派遣された牧野富太郎博士によって発見され命名されたそうです。

愛玉子はイチジクの仲間で、7~8cm ほどの果実の中に詰まった1ミリにも満たない種子を利用します。果実を切り開いて裏返し、種子の部分を表出させて乾燥させ、イネのもみ殻のような形をした種子が大量に採取できます。

水の中で5~10分ほどもみ、冷蔵庫で寝かせるとゼリー状に固まります。 ゼラチンや寒天のように加熱や加工の必要はありません
これは種子に含まれる「ペクチン」という成分が水に溶け出し、固まるための様です。

台湾の屋台では、手軽に購入できて老若男女に愛されているそうです。
愛玉子自体は無味に近く、レモンシロップなどをかけて食べるのが主流です。日本では輸入食品販売店や大手中華チェーンで販売されているそうですが、知名度はまだまだ低い様です。

植物の生態としては、他のイチジク科と同じく受粉を助ける共生する昆虫である「アイギョクコバチ」を必要とします。
アイギョクコバチは台湾でのみアイギョクシの受粉を助け、台湾だけの特産品「愛玉」をもたらします。

日本でも一部の植物園で結実が確認されている様ですが、前記の昆虫を使っているのかは不明です。

以前にイヌビワの記事で、昆虫との不思議について投稿しています。
こちらも参考にして頂ければと思います。
この植物は「イチジクコバチ」が媒介者になります。

■参考資料
【週末投稿】つれづれ有用植物#203(クワ科イチジク属:イヌビワ)
 PinguBanana

平地での栽培が可能に——
 Taiwan Panorama 様

愛玉子(オーギョーチ)を楽しみ尽くす!知って食べて作ってみよう
 haochi 様

台湾で「愛玉」オーギョーチーを見つけた日本の植物の父・牧野富太郎と、彼を描いた池波正太郎
 サライ様

【本日のエスニックおやつ】お手軽DIY!ひんやりプルプルの愛玉ゼリー
 台湾エスニック料理店 様

愛玉子(オーギョーチ)アイユーゼリー
 Happy☆Smile 自然療法アニマルホメオパス 様

愛玉籽研究室


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