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生と死の狭間に生きる

祖母の介護のために埼玉の実家と東京の家を半分ずつ住むようになり約1ヶ月が経ちました。

はじめは介護というよりは介助に近い感覚でしたが、そろそろ介護になってきそうな、そんな足音がしてきた今日この頃です。

特にまとまっていませんが、備忘録として雑記を残します。

出来ていたことが出来なくなっていく感覚

祖母はよく気が付き、よく気を遣います。
最近は起き上がってくるのがやっとなのに、お見舞いに来てくれた友人には次の予定は◯時ならもう少しうちでゆっくりしていって、と未だに気を遣います。
(ちなみにその後は夜までぐったりで辛そうでした)

先々週あたりは比較的リビングで身辺整理をしている時間が長かったのですが、今週はベッドにいる時間の方が長くなりました。

お風呂やトイレは自分一人でできていますが、昨日はお風呂まで歩いて自分で入浴する時のしんどさが限界を超えたようで、今日室内で使える小型の車椅子のレンタルを頼みました。来週からは入浴も手伝いたいと思います。

3週間前、「今度藍染めをしてちょっと遊ぼう」と言っていましたが、先週も今週も遊ぶ体力はありませんでした。その今度はもう来ないのかも。

4日前にはボソッと、「こんなにあんたに世話になるようになっちゃ、どうしようもないな」と言っていました。私は「まあまあ、そんなこともあるよ」と笑って聞き流しました。

3日前と2日前には、「もうばあちゃん、(お迎えが)近いかもしんない」と息を切らしながら言っていました。私は「まだ頑張れ」とは言えませんでした。(そうだね、でももうちょっと頼むよ、とは苦し紛れに言いました)

周りに気を遣い、世話好きで独立心の強い祖母にとって、頭は全くボケてないのに自分の身の回りのことすら苦しくてできなくなっていくことがどんなに辛いことだろうかと思います。
ひょっとしたら私が炊事に来ていることにも後ろめたさを感じているかもしれません。

介護する側の気持ち

大変かそうじゃないかと言われるとちょっとだけ大変だけど、義務感ではなくただ私がそばにいたいからいるだけ。
本当にただそれだけです。

離れていると逆に心配で苦しい。
私はなるべくそばにいることで、自分の心も保っています。
そしてだんだんと弱っていく祖母を見て、ちょっとずつお別れの覚悟を決めているのかもしれません。

実家から歩いて3分、幼い頃から数え切れないほどお世話になりました。
今まで29年間、なんて甘えきっていたんだろうと後悔するくらい甘えていました。
夜中まで人生を語り合った日もありました。
私の生き方に影響を与えてくれました。
私をここまで育ててくれました。

今度は私が恩返しをする番です、と今月頭自分の誕生日に祖母へ贈った手紙に書きました。代わりに手足になるから頼りにしてねと。
私の他にあと3人孫がいますが、私が一番精神的にも物理的にも適任でしょう。
多分言いたいことが一番言える孫だし、頼りにできる孫だと自負しています。
(ちなみに他の3人は奈良、愛知、三重に散り散りでそもそもすぐ来られない)

ラッキー^o^
すぐ近くで恩返しできるなんてありがたい!
そして、よかったねばあちゃん^o^(半ば押し付け)

祖母は私の笑う顔が好きだそうです。
これまで何も返せてなかった私は、そんな半ば能天気な捉え方で、前向きに明るく、これからも手助けしていこうと思います。
そして最後まで、祖母から学び続けたいと思っています。

祖母の後悔

昨日、後悔していることが二つある、と祖母は私に教えてくれました。
二つとも、事の発端は些細な事でしたが、悔やんでも悔やみきれないことにつながっていました。
健康って本当に大切です。地球にとって自然環境が一番の土台であることと同じように、人間は健康が一番の土台です。

私はどちらもこの上なく大切にしていきたい。

家族ってなんだろう

実家は相変わらずあまり好きではありませんが笑
こんな祖母の孫になれてよかったなと思っています。
祖母にも同じようにこんな孫がいてくれてよかったと思っていてほしい。

give and takeなんて有名すぎる言葉がありますが、
家族って、giveし合える相思相愛の一つの形なんだなと思います。

母は介護が大変だと文句垂れることもあるけれど、私が東京から来る時の送り迎えは頼まずともやってくれます。
そんな母も今日、ストレスからかお腹を下し気味と言っていました。
そりゃそうだわな。

面白いことや嬉しいことがあれば2倍笑い
辛いことがあれば半分に

あぁ、こういうことだよね
と思う日々です。

現実は綺麗事ばかりではありませんが
綺麗な心で見ることはできると思うのです。

もう少し、穏やかな日常が続いてほしいと願いながら、これまでgiveされてきた分をまたgiveで返していきます。


p.s.
そんなことを思うと同時に、こうして身近な人の生と死に向き合ってきた先輩たちには敬意がふつふつと湧いてきます。
みんな、すごい。

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