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「行かない」なら「逝け」よ

先日、期日前投票を終えてきた。
パスポート申請に必要な戸籍謄本を取りに行くついでに選挙はがきをバックに突っ込んだのだ。

今だからこそ気軽に行くことのできる役所。車を運転すれば20分程度なのに、車がないためバスと電車を乗り継いで40分ほどかけてたどり着く。前職にいた頃はこのためだけに半休を取らなければならず、半休など取ればかなり残業時間も伸びて、その週は体力的にも厳しくなっていた。

今思うのは、選挙もスマホでできたらなあの一言だ。もしくはコンビニなんかで出来たら仕事の休み時間にでも行くのに。投票日当日はどうしてもいけない場合もあるはずだが、わざわざ混む土曜の役所に期日前投票に行くだろうか。ついでに戸籍謄本や住民票などという制度もコンビニで完結できると随分先進国らしくなると思うのだがどうなんだろう。

だが投票方法云々の前に、未だに「行く」か「行かないか」という話をしている層をなんとかすることが先かもしれない。「行かない」なんていう選択肢が生まれてしまうことに違和感を感じないのはあまりにもヤバい。かと言って、アイキャッチにしようとしたら少し過激なタイトルになってしまったことは謝りたい。

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高校生の頃、アメリカの学校に通っていたことがある。大統領選挙の時期になると、廊下には課外活動の一環として選挙カウンターが出ていた。学生の多くは投票権を持っていないものの、そのカウンターでは誰に投票するかというアンケート調査を実施。疑似VOTEを行っていた。

昼食をとるカフェテリアのモニターでその内訳を発表しており、それを見た学生はランチタイムの話題の一つとして話してたりするものだから大人びて見えてしまった。

丁度その頃は元大統領のオバマ氏が初当選したころで、注目度は高かったのもあるだろう。当選発表のされた日は学内は盛り上がり、授業にスナック菓子を持ち合い、オバマ氏の演説をYoutube観るなどと、急遽授業内容が変更となることも珍しくなかった。そんな実体験から感じたのは、日本の政治に対する距離感だった。

帰国してから受けた「政治・経済」の授業でも、やはり選挙に関する事柄はぼんやりと遠い。最近は選挙権年齢の引き下げを受けて、ネットでの投票呼びかけを多く見かけるようになったが、そもそも「行く」か「行かない」かという思考になってしまう根本として、教育文化の見直しを行うべきだと思う。

よく政治内容について話すことはタブーとされる日本だが、政治の話すらできないのがダサい。意見が違えど国について考えて、その意見を友人とも交換し理解し合うことができる文化になるとかっこいいなと思う。

#COMEMO #NIKKEI

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