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「死」よりも怖いこと

桐野夏生の小説は、コワイ。
鳥肌が立ち、身震いする。

『とめどなく囁く』のストーリーは、

早樹は8年前に海難事故で夫を亡くし、
いまは再婚して平穏な生活を送っている。
ある日、元夫の義母から電話があり、
庸介(元夫)を見た、との話を聞かされ…

というものです。

そこから元夫の目撃情報が
あちこちから出てきて、
無言電話までかかってくるようになります。

真相やいかに…というミステリー小説?です。

僕は桐野さんの『柔らかな頰』でファンになったので、
今回の「失踪」小説もすごく楽しめました。

それにしても「失踪」や「行方不明」ほど、
ひとを苦しめることってありませんよね。

たとえば「死」だって、
ひどく辛いことには違いありませんが、
少なくとも「死」というひとつのかたちをとっています。

どのような理不尽なものであれ、
いずれは誰もが「死」ぬワケで、
それは絶対的とも言える事実です。

対して、「失踪」や「行方不明」は、
まず「生死」がわからない。

生きてるのかもしれないし、
死んでるのかもしれない。

希望は捨てられないけど、
希望だけにすがるにはあまりにつらい。

そして、意図的なものなのか、
事故的なものなのかが、わからない。

自分を責めていいのか、
他のなにかを責めればいいのかが、
わからない。

こんな想像力の負の連鎖が、
いつまでもつづくのです…

今回もすごく面白かった
桐野夏生の「失踪」小説『とめどなく囁く』。

次作も楽しみです。

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