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18-25冊目


“時間が解決してくれる。 そんな言葉は聞くけれど、時間は早送りできないし、一秒は長い。今辛いのに、時間は同じ速さでしか流れてくれない。そうじゃない。今、助けてくれ。今、救ってくれ。今、辛いんだよ。今、悲しいんだ。 と、頭を抱えているわたしが、 「100冊の本に救いを求める。」 noteを開設しました。”

という心の叫びからはじまったこのnote、まだ20冊もいっていないけれど、読んだ冊数と書いた冊数にかなり乖離がでてきてしまいました。
読むことはわたしの日常になっているけど、書くほうがね、どうしてもね、追いつかない…。読みたい本はどんどん増えていくし、書きたいこともたくさんあるんだけど、それを文章にまとめる技量が足りておりません。差が開くほど書きにくくもなってくるし…。ということで、シンプルめにどんどん書いていこうと思います。

 

18冊目!
えをかくふたり(中村一般/小学館)

面白い本っていっぱいあるけれど、そのすべてがたいせつにしたい本かというと、必ずしもそんなこともなく。いやもちろん本を愛する人間として、すべての本や出版物がたいせつではあるんだけど、時々、これはこの先もずっとそばに居てくれるだろうな、みたいに、特別な気持ちで思う本があって…
この本はそういう本。です。

と、いきなり重めの感想。それくらい好きだった…。
もう最初の1ページで心を奪われた。
 
「ふたりにとって、「絵」とは言語だった。」
「俺の経験上、「絵を描く」という行為そのものは、祈りに近いような気がしていて」
という言葉がすごくよかったので、残しておきます。
 
 
 
 

19冊目!

7月のダークライド(ルー・バーニー/ハーパーコリンズ)

https://www.harpercollins.co.jp/hc/books/detail/15372

 やっぱり海外文学は、比喩がいいなあと思う。
「ぼくは水煙草を吸う。この瞬間はなじみがありすぎて、実質的にすべての瞬間のようだ」
話の本筋とは関係ないシーンだけど、そういう些細な比喩がきれい。きれいな言葉って印象に残る。物語にも引き込まれてずんずん読んだけど、それとはまた別にいくつも覚えている場面がありました。それにしてもせつなかったな…。
 

20冊目!
ざらざらをさわる(三好愛/双葉文庫)

https://www.futabasha.co.jp/book/97845757150190000000

 

イラストレーター三好愛さんのエッセイ。川上弘美さんの「某」という書籍で装丁のイラストを描いていた印象あって、あの物語にひっぱられてるのかな。どことなく心がざわめくような、目が離せないような感じがいつもします。

 日常の切り取り方が独特で、淡々としているのに繊細で、不思議な気持ちになった。「夜中の、一緒に暮らしてる人が先に寝てしまい、外を歩いている人のざわめきもなくなり、私だけが活動している、というときのそばにある空気の親密さは、世界が私だけのためにあるような、誰にも迷惑をかけない優越感を与えてくれます。」 


 
21冊目

板上に咲く MUNAKATA:Beyond Van Gogh(原田マハ/幻冬舎)


 原田マハさんの作品を読んでいるといつも思うことがあって、これはどこまでが史実なんだろう…って疑問がうまれる。でもいつも、読み進めていくうちに夢中になってしまって、どっちでもいいかもって思って読み終わる。


青森市出身の板画家・棟方志功を、妻の目線から描いた一冊。
芸術的なことだけでなく、彼の人生に触れられます。読み終えて世界のムナカタの作品が見たくなって、こっちも読みました。

『棟方志功作品集てのひらのなかの森羅万象』

https://www.tokyo-bijutsu.co.jp/np/isbn/9784808712310/


 
22冊目

恋とか夢とかてんてんてん(世良田波波/マガジンハウス)



マガジンハウスのウェブサイト、SHUROで連載されていて、書籍化をたのしみに待っていた一冊。

夢みて上京して10年、さえない毎日をおくるカイちゃん。カイちゃんの必死さや愚かさにぐぬぬ……と心を揺さぶられる一冊です。カイちゃんを見てると、ばかだなあと思うし、そんなのやめたほうがいい!と言ってしまいたくなるんだけど、理解ができないわけじゃなくて、すごくよくわかる…。よくわかるからこそ苦しくて、読むのをやめられない…。


23冊目!
あかるい花束(岡本真帆/ナナロク社)

『水上バス浅草行き』から2年…!だいすきな岡本真帆さんの歌集です。
話し始めると一生話していられそうだから、好きな短歌を2つずつ載せます。
 
水上バス浅草行きから
「ほとんどもうセックスだった浮ついた気持ちでなぞりあうてのひらは」
「平日の明るいうちからビール飲むごらんよビールこれが夏だよ」
 
あかるい花束から
「夏が好き すべてのものが永遠のような顔してそうじゃないから」
「冬眠をするならジュンク堂がいい図鑑の花に恨まれながら」


 

24冊目!
無人島には水と漫画とアイスクリーム(最果タヒ/リトルモア)

ルックバック・ゴールデンカムイ・違国日記・宝石の国など25作の漫画をきっかけに、詩人最果タヒがあれこれ綴るエッセイ集。マンガを切り口にしながらも、最果タヒの考え方のようなものをいっぱい読めた。
「物語を愛している、けれど同時に、その物語に精一杯向き合おうとする「私」という人のことも愛しているのではないかとたまに思う。」


25冊目!
今日の人生3(益田ミリ/ミシマ社)

日々生きていることの証が詰まった宝物のような一冊。さくらの下でも、真夏の夜にも、金木犀が香る秋にも、息が白くなる冬にも、ぜんぶの季節に読み返したくなるような優しいエッセイです。




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