【R-18】掌編 海と手錠と焼きプリン
美弥子さんはどこに行ってしまったのだろう。
丸一日何も食べていないので腹が減った。
部屋の中には蚊がいるらしく、刺された足が痒い。それなのに、掻くこともできない。手錠をかけられているのだ。
建てつけの悪いドアが開く音がした。美弥子さんが帰ってきたのだ。
「レイくん、お腹すいたでしょ。焼きプリン買ってきたよ」
美弥子さんは、うっすらと日焼けしている。コンビニの袋から二つの焼きプリンを出して冷蔵庫に入れ、バッグから鍵を出す。手錠を外すときにいつもとは違うココナツの匂