微花

目ざましいものではなくてかすかなものを 他をしのぐものではなくて他がこぼすものを あら…

微花

目ざましいものではなくてかすかなものを 他をしのぐものではなくて他がこぼすものを あらしめるもの またあらしめようと目ざすこころみです

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記事一覧

開かれてある世界に生きなおす

2015年に微花を創刊し、2016年の夏までに四季六冊を刊行したタイミングで一時休刊。そうして、2019年4月に装幀をあらたに復刊したことを機に、同年4月から8月にかけて全国…

微花
1か月前
4

「絵本的」於 月白

2015年に微花を創刊し、2016年の夏までに四季六冊を刊行したタイミングで一時休刊。そうして、2019年4月に装幀をあらたに復刊したことを機に、同年4月から8月にかけて全国…

微花
2か月前
3

「絵本的」於 READAN DEAT

2015年に微花を創刊し、2016年の夏までに四季六冊を刊行したタイミングで一時休刊。それから2019年4月に装幀をあらたに復刊したタイミングで敢行した微花復刊記念ライブツ…

微花
2か月前
4

もっと棍棒の話をしよう

きっと耳を澄ますにつれ庭がどこまでも広がってスウスウ流れこんでくること請けあいのラジオ 『庭声』の更新です。 第7回目となる今回は、待望の棍棒回。ZNKKXCUP 第1回全…

微花
6か月前
3

2023年4月23日

きのうはサンジョルディの日という、花と本を贈り合うスペイン・カタルーニャ地方の祝祭日で、花と本を贈り合うこの日に、花の本をつくろう、と八年前のきのう創刊されたも…

微花
1年前
10

もっと庭の話をしよう

きっと耳を澄ますにつれ
庭がどこまでも広がってスウスウ
流れこんでくること請けあいのラジオ
『庭声』の更新です。

第六回目となる今回は、「庭師が読む『僕たちは…

微花
2年前
2

庭師が読む『僕たちはどう生きるか』

きっと耳を澄ますにつれ 庭がどこまでも広がってスウスウ 流れこんでくること請けあいのラジオ 『庭声』の更新です。 第五回目となる今回は、独立研究者・森田真生さんの…

微花
2年前
5

虫のことは嫌いでも庭のことは嫌いにならないでください

きっと耳を澄ますにつれ 庭がどこまでも広がってスウスウ 流れこんでくること請けあいのラジオ 『庭声』の更新です。 第四回目となる今回は、去る五月十八日に行われた「…

微花
3年前

おいしいサラダはほんまにおいしい

きっと耳を澄ますにつれ 庭がどこまでも広がってスウスウ 流れこんでくること請けあいのラジオ 『庭声』の更新です。 第三回目となる今回は、「#庭師の休憩中」と題して、…

微花
3年前
2

時の贈り物

六年前の春の今日、花と本とを贈り合うサンジョルディの日という祝祭日にちなんで、花の本を、と創刊したものが、ほかでもない微花だった。それから季節ごとに刊行を重ねて…

微花
3年前
15

庭師が読む『一汁一菜でよいという提案』

収録を終えて 後編の冒頭、「庭は家庭料理的であるべきだと思う。」と口をついて出た言葉に自分で意表を突かれたものの、それから日を置いて、その言葉の前後に連なる対話…

微花
3年前
8

庭声

まえがき いまから三年ほど前に写真意匠担当の西田が庭師として歩きはじめた道を辿るようにして、思いがけず自分も庭師となってからの三ヶ月ほどを、土地土地の庭にはた…

微花
3年前
20

blackbird gift card

先月初めに、blackbird books専用の図書カード「blackbird gift card」の完成を受けて、その制作の経緯がblackさんのブログに公開された。以下に、その発案から制作の一部…

微花
3年前
41

一年

大晦日 といって変わらず、朝から歩いてその季々の草や花を眺める。それだけで今日も良い一日だと思える。 —— 今年という一年を振り返ると、春に復刊をしてからは方々お…

微花
4年前
3

絵本的、その後

今年もあとひと月足らずで終わってしまう、というような時の節目ごとの感慨に、僕はいつもかまいつけないようにしている。それはまやかしで、あるのは日々、今日この一日な…

微花
4年前
11

夏が来て

おととい、作家・川上未映子の最新長編、 「夏物語」を買った。 これについて、「つち式」主宰の東から、「8月4日に向けて読むつもり、なんか気になる。」と連絡が来たと…

微花
4年前
8
開かれてある世界に生きなおす

開かれてある世界に生きなおす

2015年に微花を創刊し、2016年の夏までに四季六冊を刊行したタイミングで一時休刊。そうして、2019年4月に装幀をあらたに復刊したことを機に、同年4月から8月にかけて全国十ヶ所を巡った微花復刊記念ライブツアー「絵本的」—それらのアーカイブの一部を、このたび公開いたします。

三つ目は、2019年8月4日に恵文社一乗寺店でひらかれた「絵本的」の最終講演、微花とつち式による鼎談「開かれてある世界に

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「絵本的」於 月白

「絵本的」於 月白

2015年に微花を創刊し、2016年の夏までに四季六冊を刊行したタイミングで一時休刊。そうして、2019年4月に装幀をあらたに復刊したことを機に、同年4月から8月にかけて全国十ヶ所を巡った微花復刊記念ライブツアー「絵本的」——それらのアーカイブの一部を、このたび公開いたします。

ふたつめは2019年5月11日にひらかれた「絵本的 」於 月白——微花と月白店主による鼎談となります。

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目次

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「絵本的」於 READAN DEAT

「絵本的」於 READAN DEAT

2015年に微花を創刊し、2016年の夏までに四季六冊を刊行したタイミングで一時休刊。それから2019年4月に装幀をあらたに復刊したタイミングで敢行した微花復刊記念ライブツアー「絵本的」
2019年の4月から8月にかけて全国十ヶ所を巡ったこのライブツアーのアーカイブをこのたび、各種音声メディアに公開します。

ひとつめは
2019年6月16日にひらかれた
「絵本的 」於 READAN DEAT で

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もっと棍棒の話をしよう

もっと棍棒の話をしよう

きっと耳を澄ますにつれ庭がどこまでも広がってスウスウ流れこんでくること請けあいのラジオ 『庭声』の更新です。

第7回目となる今回は、待望の棍棒回。ZNKKXCUP 第1回全日本棍棒飛ばし選手権大会の片付け後、全日本棍棒協会会長の東樫をゲストに、棍棒飛ばしの奥深さについて語りました。

出演
東樫
西田合歓
石躍石楠花

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目次

前篇
棍棒があると木の勉強に良い/森系はロマン派が出現しがち/

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2023年4月23日

2023年4月23日

きのうはサンジョルディの日という、花と本を贈り合うスペイン・カタルーニャ地方の祝祭日で、花と本を贈り合うこの日に、花の本をつくろう、と八年前のきのう創刊されたものが微花でした。

そうして、創刊してからは年毎に、この日かぎりの花と本のお店を、軒先などの場を借りてひらくことを続けてきたのですが、ここ数年は世情もあってひかえており、そのようにして数年も行き過ぎると、平日となんら変わらないような気がして

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もっと庭の話をしよう

もっと庭の話をしよう

きっと耳を澄ますにつれ
庭がどこまでも広がってスウスウ
流れこんでくること請けあいのラジオ
『庭声』の更新です。

第六回目となる今回は、「庭師が読む『僕たちはどう生きるか』」のアフタートークです。前回と合わせてどうぞ◎

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目次
もっと庭の話をしよう/フリーペーパーをつくりたい/ドライブ・マイ・カー/人間関係ではなく存在関係/名前をなよんでる/suzumeという屋号/雀にもともと関心があった

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庭師が読む『僕たちはどう生きるか』

庭師が読む『僕たちはどう生きるか』

きっと耳を澄ますにつれ
庭がどこまでも広がってスウスウ
流れこんでくること請けあいのラジオ
『庭声』の更新です。

第五回目となる今回は、独立研究者・森田真生さんの『僕たちはどう生きるか』を繙きながら、この普遍的な問いに、庭師としての応答を試みます。
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目次

前編
この本読んで会社やめました/コロナ以後、目に入ってきたのが庭だった/消毒よりも味噌づくり/エコロジカルな自覚/真に人間が健康にな

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虫のことは嫌いでも庭のことは嫌いにならないでください

虫のことは嫌いでも庭のことは嫌いにならないでください

きっと耳を澄ますにつれ
庭がどこまでも広がってスウスウ
流れこんでくること請けあいのラジオ
『庭声』の更新です。

第四回目となる今回は、去る五月十八日に行われた「月白にて第十夜」の振り返りから、物と事で物事であること、その事としての/ 媒介としての / 関係性としての庭について。

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目次

月白にて / 私も自分のこと庭師だと思います / 団子虫 / 好き嫌いはどうでもいい / 可哀想も間

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おいしいサラダはほんまにおいしい

おいしいサラダはほんまにおいしい

きっと耳を澄ますにつれ
庭がどこまでも広がってスウスウ
流れこんでくること請けあいのラジオ
『庭声』の更新です。

第三回目となる今回は、「#庭師の休憩中」と題して、庭仕事の合間の一服、その一齣をお送りします。珈琲の話をしていたら、いつの間にかサラダの話へ、そうして、やっぱり庭の話へと展開していきます。

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目次

サラダって直接的 / 植物喰ってる / おいしいサラダはほんまにおいしい /

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時の贈り物

時の贈り物

六年前の春の今日、花と本とを贈り合うサンジョルディの日という祝祭日にちなんで、花の本を、と創刊したものが、ほかでもない微花だった。それから季節ごとに刊行を重ねて、一時休刊、そうして、一昨年の春の今日、創刊号を装幀あらたに写真絵本として刊行しなおした際、末尾に書き足した文章を読み返すと ——

「どの鳥が鳴いたかで季節がわかる。ことに春は、鳥がおしえてくれる。と何気ない会話に聞いたことが、とうていお

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庭師が読む『一汁一菜でよいという提案』

庭師が読む『一汁一菜でよいという提案』

収録を終えて

後編の冒頭、「庭は家庭料理的であるべきだと思う。」と口をついて出た言葉に自分で意表を突かれたものの、それから日を置いて、その言葉の前後に連なる対話を聴き直すことを重ねるたびに、いよいよ深く納得する。そのような、不思議なラジオ体験となった今回。料理研究家・土井善晴さんの——ひいては、これまで様々に食事を重ねてきた有象無象の人々の——広々として巨きい肩の上に乗ってはじめて見えてきた庭を

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庭声

庭声

まえがき

いまから三年ほど前に写真意匠担当の西田が庭師として歩きはじめた道を辿るようにして、思いがけず自分も庭師となってからの三ヶ月ほどを、土地土地の庭にはたらきつつ庭という言葉を転がしていると、ときに初心に帰るというのか、一つの春が過ぎてから一巡りあって、そうしてまた春がやってきたときのなつかしさとあたらしさの綯いまぜになったような気持が時々する。どういうことかと遡ってみれば、それは微花の創

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blackbird gift card

blackbird gift card

先月初めに、blackbird books専用の図書カード「blackbird gift card」の完成を受けて、その制作の経緯がblackさんのブログに公開された。以下に、その発案から制作の一部を請け負った微花としての追記を書いてみたいと思う。

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今年の初めから、今も続いている危機にあって確かめたのは、普段何心なく通っている本屋のかけがえのなさであった。これまでも折々本に救われてきた身と

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一年

一年

大晦日
といって変わらず、朝から歩いてその季々の草や花を眺める。それだけで今日も良い一日だと思える。 —— 今年という一年を振り返ると、春に復刊をしてからは方々お騒がせ、たいへんお世話になった一年でした。そのなかで「絵本的」という言葉で表現してきたことは、何のことはない、いつもの日課、歩いて、花を撮り、言葉を書くという、ひとつひとつは素朴な行いでした。ひときわせわしい一年だった分、その終わりに、日

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絵本的、その後

絵本的、その後

今年もあとひと月足らずで終わってしまう、というような時の節目ごとの感慨に、僕はいつもかまいつけないようにしている。それはまやかしで、あるのは日々、今日この一日なのだという具合に。ところが今年は微花の復刊があり、それに準じて四月の末から八月の初めにかけて「絵本的」と題したトークライブツアーを、足掛け全国十箇所で開催してから今さらに落ち着いて、ふと、これを振り返らないでは年を越せないという気持ちになっ

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夏が来て

夏が来て

おととい、作家・川上未映子の最新長編、
「夏物語」を買った。

これについて、「つち式」主宰の東から、「8月4日に向けて読むつもり、なんか気になる。」と連絡が来たとき、それが反出生主義など、人の誕生にまつわる倫理をテーマとした作品であると、おおよその察しはついたものの、それが8月4日に控える「微花」×「つち式」の鼎談とどのように関わってくるのか、いまいち想像がつかなかった。

「夏物語」を買う少

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