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売ってはいけない 売らなくても儲かる仕組みを科学する まとめ

「売れる価格」よりも「売る価格」
「売れる価格で売らなければ」と値下げすると、価格目当ての顧客が集まるようになる。一方で、価格が下がりサービスが低下して雰囲気が悪くなると、優良客も静かに去っていく。
必要なのは自分が「売りたい価格」「売る価格」で売ることである。
その方法を考え抜くことが必要。
●価格は戦略とセットで考えろ

低価格戦略は、高価格戦略よりもはるかに難しい
「低価格と大量販売で成功できるのは、ほとんどの業界で1~2社に限られている」byハーマン・サイモン

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画像引用元:https://sugimuratakashi.com/blue_ocean/

QBハウスに行く顧客は、低価格だけでなく「10分でカットできる」という点にも価値を感じている。(付加価値)
他方、高価格戦略であれば、価格に囚われず、様々な打ち手が可能になる。
※低価格戦略では、「低価格」という前提条件で制約されてしまう。
●迷ったら選ぶべきは高価格戦略

売ると失敗するサブスクリプションモデル

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画像引用元:https://hodai.globis.co.jp/courses/298902e0

サブスクで成功するには、まず新しい顧客体験を創り出すことが必要。例えば、今まで高くて手が出なかったものを安くする。あるいは面倒なものを簡単にする。そしてサービスを継続するためには収益化も必要。両方とも実現できないサブスクは早期に撤退すべきである。

サブスクは使い続けてもらうために、商品やサービスの魅力を継続的に高め続け、顧客体験をアップデートする努力が必要。
●サブスクは売ってからがスタート。顧客体験をアップデートし続けろ

大友的編集後記
必要なことは「こうしたらうまくいくはず」という仮説を考えたらすぐに実行。必ず結果を検証し、対策を立てるというフィードバックのループをひたすら回し続けること。

「失敗=過ち=恥」と考えるから、日本人は失敗を認められず、失敗から学べない。
●売れない失敗こそ、次のバカ売れの種である

上記あとがきの内容であるが、非常に共感ができる。昨今は、確実に仮説思考は重要で、できる人とできない人とでは業務のスピードも異なってくる。

本書自体は、短編でまとまっており各社の事例も多く、読みやすく入り込みやすいのが特徴に感じる。(ポイントもまとまっているのでうれしい)
有名な話もあれば、前作で取り上げた「100円のコーラを1000円で売る方法」シリーズでの使用されていた例もあったので事例の深堀や別事例も含めてより深い理解になるだろう。

テーマとなる「売ってはいけない」に関して、日常的に繰り広げられている商売に対してNGポイントを見出しに使用しながら、こうしたらうまくいったという実事例もあるので、表題とのギャップは良い意味で存在する。
価値だけではなく、顧客を知るのもそうだし、大きな市場に入り込むのも、同質化を目指すのも短絡的に考えがちなところを止めてくれる。(自分はやらないだろうと思っていると、煮詰まったときに本書のようにはまってしまう考えは絶対起きると思う)

単なるマーケティングのスキルの話ではないので、思考を切り替える上でも使えるし、別業界でこんなことが起きているのかと視野を広げることもできるので、是非多くの方に読んでもらいたい。


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