(1分で読む1冊)【クリエイター】 と 【雑学博士】 の違い

こんにちは、本日もサイボーグMasaです。
最近人に言えない病気を抱えてしまった事が悩みです。

それはさておき、今回は
細谷功 著『アナロジー思考

について解説したいと思います。


皆さんは自分のこと、器用だと思いますか?
得意な分野、苦手なモノ…確かにあると思います。
それは才能によるものです。

ですが周りに「この人何でも出来るなぁ」って思う人いませんか?
それは才能でもなく、遺伝でもなく
"アナロジー思考"なのです。


目次
1:【アナロジー思考 = 類推】
ー1−1:演繹法
ー1−2:帰納法
ー1−3:類推法
ー1−4 :スキーマ

2:【アナロジー思考の鍛え方】
ー2−1:ステップ1「とにかく共通点を探してみること」
ー2−2:ステップ2「何が問題かを常に意識していること」


【アナロジー思考 = 類推】

アナロジー思考は日本語訳にかけると"類推"という言葉に当たります。
あまり聞きなれない言葉かと思いますが、簡潔に言うとモノとモノの関係性や構造を思考することです。

まずは思考における類推がどこに位置するのか見ていきましょう。

・分析的推論ー○演繹(ディダクション)
・拡張的推論ーー○帰納(インダクション)
       |ー○類推(アブダクション)

○演繹法
分析的推論に位置する演繹法とは、論理を数珠つなぎにして結論を出す思考法です。〜だから〜である、と結論付けます。手段論法とも言われますね。
ex)野菜は栄養がある。人参は野菜だ。人参には栄養がある。…

○帰納法
分析的推論に位置する帰納法とは、多くの事実から類似点をまとめ上げ結論を出す思考法です。
ex)A君が死んだ。Bさんが死んだ。Cちゃんが死んだ。人は死ぬ。…

○類推法
本題の類推法は分析的推論に位置します。それは科学的仮説や理論を発案し、発見する思考法だからです。
つまり「異なる世界」の知見を、問題を解きたい「ターゲットの世界」の言葉で表現するとはどういうことなのか考えることです。

基本的にアナロジーの目的として、遅れた世界を進んだ世界からボトムアップすることです。(ここでいう遅れた、進んだ世界というのはターゲットの問題が解決しているかの違いのこと)
問題解決の為に違う分野の事象から物理的構造と機能的構造の類似を見つける、と言った方が分かりやすいですかね。
いわゆる器用な人、要領の良い人はこのように思考し実践しているということです。

スキーマをご存知でしょうか?
まずはこちらの文章を読んでみてください。


新聞の方が雑誌よりいい。街中より海岸の方が場所としていい。最初は歩くより走る方がいい。何度もトライしなくてはならないだろう。ちょっとしたコツがいるが、つかむのは易しい。小さな子どもでも楽しめる。一度成功すると面倒は少ない。鳥が近づきすぎることはめったにない。ただ、雨はすぐしみ込む。多すぎる人がこれをいっせいにやると面倒がおきうる。ひとつについてかなりのスペースがいる。面倒がなければ、のどかなものである。石はアンカーがわりに使える。ゆるんでものがとれたりすると、それで終わりである。

何の話か理解できましたか?
スキーマは心理学用語で「組織化された考えのパターンや情報のカテゴリ、その間をまとめる行動」と言われています。
何について話しているのか知らなければ
支離滅裂に聞こえ、文章の意図を理解することもできないのです。

ちなみに先ほどの文章は「凧をつくって挙げること」についての文章でした。
アナロジー思考というのは
あらゆるモノを関連付け、全てのことをアウトプットの対象にしてしまうのでしょう。


【アナロジー思考の鍛え方】

アナロジーを使う人間にある程度特徴があることがわかっています。
自分、もしくは周りに当てはめて考えてみてください。

○シンプルに図解することができる
○極論し、二項対立で議論を進める
○格言を使いたがる
○例えがわかりやすい

・・・どうでしたか?
以上の人はアナロジー思考が強い考え方を持っていると言えるでしょう。

アナロジー思考を身につけるメリットは理解していただけたかと思います。
さて、それではいかにして練習するのでしょうか。

○ステップ1 「とにかく共通点を探してみること」
ーアナロジー思考で重要なのが"共通"ということです。本来人間は
自分に関することに限ると、相違点が大きく見えてしまう癖があります。
今抱えている問題を”特別”と判断してしまった時点でアナロジー思考は死んでしまうのです。
方法として挙げられるのが
抽象度をマルチレイヤーとして捉えること”です。
言い方が難しいですが、この世界にあるモノ全ては抽象度が違うということです。

例えば
「時間」をマルチレイヤーとして見ていきましょう。
時間でいうマルチレイヤーとは1秒、1分、1時間、1日単位といった時間の大きさ毎の視点です。
今、美味しいフレンチを食べにきました。美味しいものを食べたその瞬間、とても幸せに感じています。
さて、1時間後にその出来事を考えてみてください。その時は料理のことで頭がいっぱいでしたが、今は違いますよね?
ご飯を食べた後美味しいお酒を飲んだかもしれません。1時間前の1つの出来事に変わってしまったのです。

このように抽象度もマルチレイヤーにしていくと、新たな視点が生まれ共通点が見えてきます。

○ステップ2 「何が問題かを常に意識していること」
ー何故ニュートンはりんごが落ちる現象から重力を見つけられたのでしょうか。
それは元々りんごに何か力がかかっているのではないか、と考えていたからです。ニュートンもりんごが落ちるのは何回も見たことがあるのでしょう。
ただ、重力を発見した時は「アナロジー思考」が働いていました。

以上から分かるとおり、アナロジー思考は常に「ターゲット」を必要とします。
問題は何だったか意識してみましょう。

ここでアナロジー思考を駆使する上で注意事項があります。
問題を正しく理解すること」です。
アナロジーとは仮説であり、検証への手引きとして用いられます。
したがって


①共通点が適切な抽象レベルにあること
②共通点がターゲット領域の目的に適切に合致していること
③結論がターゲット領域での利用方法に関連する相違点も併せて考慮していること


この3つがなければ正しい検証に至りません。
アナロジー思考を用いた問題解決法が見つかりそうな時、ふとこの3項目を確認してみてください。


タイトルにある「クリエイター」とはアナロジー思考の観点から述べると
問題を解決した後の結果にすぎません。
そうです、アナロジー思考は「価値を生み出す思考」と思っていただいて構いません。

私にはあまりクリエイティブな考えがなくて・・・
自分は要領が悪くて頭が悪いんです・・・

違います。
才能ではありません。私たちは同じ人間です。まずは自分の夢や理想と自分の共通点を見つけることから始めてみましょう。
きっと決して無理ではないことがわかるはずです。

最後に
あなたと私が同じでありますように。

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