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羊を一頭食べる🐑ま~とんでもない会🐏

40数人で30キロの羊を食べた。
それもなにかの集まりではなく、羊を食べようと言う声掛けに集まった純粋な羊食いの集まりだ。

ほぼ初対面の人らと羊を食べるのだ。
そんな機会そうそうない。

アレコレ前置きを書きたいがとりあえず本題から入ろう。
羊会備忘録スタート。

※羊の解体写真が数枚あります。
苦手な方は注意を。
けど食べ物ってそういう物だからね、死肉を食らって生きるのさ。


・歌舞伎町の雑居ビルの2階で

その会は怪しげな場所で行われた。
新宿の歌舞伎町から少しはずれた所。
あまりにも不慣れな僕は入るのに躊躇してしまう。

怪しげなビルの二階、会場ち近づくと羊の脂の香りが漂いとても安心した。食いしん坊バンザイ。

店へはいると中はモンゴルの移動家屋”ゲル”のようになっている。
僕は幸運にも何度かゲルで泊ったり、ゲルを立てる手伝いをしたとこがありなんだか懐かしい気持ちになる。

主催者は2人、彼女らの友人知人、そのまた友人知人みたいな感じで集まっているのではじめましての方が多い。
僕は友人を数人誘ったので、地本の幼馴染みと高校の後輩が一緒の卓にいるという個人的に面白い席だった。

はじめましての人らは最初は固かったけど、食べ進める内に打ち解けて最後はハグするほど。羊の力ってのは凄い。

・料理スタート!

最初の最初に羊のハチノス(胃袋)がでてくる。
特に説明は無かったが、中華っぽい和え物です。

処理が丁寧で奥の方にほんのり羊の香りがする。良い塩梅。
モンゴル料理は基本的にシンプルな味なので日本人と合うのだろう。
ビールが進む味だわな~~

ここの特製サワーも美味かった。
流石にモンゴル料理屋、自家製ヨーグルトサワーうま。

・羊の解体ショー!

怪しげな白い袋に包まれた1メートル近い物がでてくる。
ホラー映画で見るヒトが包まれたのみたいだな~とか思う。

まさかのペティーナイフ1本でサクサク切り進めていく。

いわゆる枝肉ってやつ。
羊の枝肉ってこんな感じなんだ~はじめてみた。

この子は枝肉で約30キロ、内臓や頭があると60キロくらいらしい。
マトンですね、多分。

手際よくバラしているけど、これ実は当日に食べた個体とは違うらしい笑
そりゃそうよね、このタイミングから火を入れてたら日を超えちまう。

店長さん、一見怖かったけど、喋ってたらめっちゃ面白くてモンゴル料理を様々教えて貰えた。嬉しい~~!!
ボーズ、皮から作ります!!学ばねば。

生き物と食べ物の境目を感じるタイミングって料理人でも多くないから、そうじゃ無い人にはもっと触れる機会が増えて欲しいなと思ったり。
グロいとか苦手というのは分からなく無いけど、肉って死体だからね、常には難しいけどたまには向き合って欲しい物だね。

・羊の刺身

コチラは羊の刺身。

皿によって部位が違くて食べ比べ面白い。
馬刺しに近い鉄っぽさだけど奥に羊の香り。
苦手な人は苦手だろうけど、羊を食べるならばしっかり臭みはあるべきだと思うので嬉しい。
ポン酢的なタレと大根の細切りを一緒に。うまぁ~~

あと、キュウリの叩いた和え物もでたのだけど写真を撮り忘れた、、

・ついにメインが!!いよっ!!

きました!!でけえ皿にどどーーんと!!
チャンスンマハという料理、ようは塩茹でですね。

骨付きをデッカく3時間ほど茹でた物だそう。

一緒に茹でられたジャガイモも人参も普通にデカいサイズです、二人がかりで運ばれる皿の大きさ、しかもこれがこの後もう一皿です。
笑っちゃうほど羊が盛りだくさんだ。

こういうサイズ感のをいくつも食べれる。嬉しい。
味、なんというか羊。
想像以上に癖は淡い、骨付きで茹でているのもあって縮みが少なくて柔らかくて筋や脂身がぶりんぶりん。

僕は最初に背骨まわりをいただきました。
スジとか骨の間とか美味すぎて口の周りがテカテカてらてらで幸せ。

モンゴル的だからかな?味付けはあっさり淡い。
ので、塩を貰ったり卓にあった謎の唐辛子醤油をつけて食べた。
脂が強いので塩気もそれなりに欲しいと思う、これは日本人の感覚なのかな~

その後、色んな部位を頂く。
筋肉、脂、スジ、あばら、背骨、前足、もも、どこも美味い。
それに塩味だけの味なのが余白たくさんあっていい。

スパイスやハーブたっぷりで強烈な味わいにする羊も好きだけど、こうやってシンプルに食うのもうめえな。

背骨から肉をこそげる僕(羊文学のTシャツを着ている)

どんどん少なくなっていく、みんなよく食べる。
みんな少しずつ羊になっていく。

・コラム未満①モンゴルと日本と

途中、店長とアレコレ話してたら「酒はウォッカしか飲まない」と言ってて地域や文化、民族、土地柄、色々と違うんだなぁと改めて感じる。

正直、羊は焼いてくれた方が日本人的に食べやすいと思う。
まぁ今回は設備的に無理だと言っていたが、モンゴルの羊料理は茹でるか煮ることが多い。

幡ヶ谷のモンゴル料理屋で食べた羊内臓の煮込み

それは寒い地域だからとか、貴重な栄養源だからなどの理由があるんだろう。
焼くとどうしても脂はおちるしね。

それは酒も同じで強い酒を飲むのは寒いから、脂をとるのは寒いから。でしょうね(多分)
遊牧にエネルギーが必要なのも分かるし、もっとバックボーンはあるのだろう。
ゲルなんてのは特にそうだ、移動するためでありながら熱効率などもよく考えられている。

幡ヶ谷で食べた羊脳味噌の煮込み

内蒙古の料理に関してはもう少し中華っぽい味付けや調理法があるのでそっちも気になる。
モンゴル料理も知りたい、知りたい料理が多すぎる。

国による文化、食文化、面白い。

・羊のパイ包み焼き

これ美味いねん!
好きな食べ方のひとつで、羊の脂や旨味をパイ生地が吸いまくってて良いのよ~~

王道のフレンチでラム肉のパイ包み焼きってのはよくあるけど、あーゆーのとは全然別で、ギョウザの派生形みたいなジャンクさがある。
サクッとした皮と粗刻みの羊、脂がたまんね~~

・羊スープで〆

〆は羊のスープ。
コレはきっと茹で汁がベースだろうな、美味すぎる出汁。

羊の骨からでた清湯というか綺麗な出汁。
どこか鰹節のような美味さを感じる。やっぱモンゴル料理は和食に似てる。

アツアツを飲む幸福感。多幸感。

あぁ美味い幸せな会だった。
貸し切りで使わせてくれたモリンホール屋の皆様ありがとうございました。

・モリンホールって馬頭琴

そうそう、モリンホールって馬頭琴という意味らしい。
というわけで、オーナーが生演奏してくれた。

解説付きで数曲、けっこう新しめの(80年代らしい)馬頭琴の曲もあってポップでロックでかっこいい。
馬頭琴の響きは心洗われる。

以上!素敵な会でした。
今回は割愛したけど若手芸人さんのネタも見れて面白かった。

主催者の幹事力たけえ。
気遣いや心意気溢れててすげえや。仕事関係なくこういう会を開ける人に敬意を表します。

ありがとうございました!!
出会えた皆様も素敵だった~~!!ありがとう。またどこかで。


・コラム未満②肉食とか食の哲学。

韓国で犬食が禁止される法案が可決された。
理由を聞いたら驚くぜ、愛犬家が多いからだぜ??

犬を食べる人が減って、犬をペットとして飼う人が増えたから犬食を禁止しますってどういう理屈なん??

多数決で食文化を禁止するなよ~~~!!

可愛くて食べたくないなら食わなけりゃ良いじゃん。
誰も君のペットを食おうとは言ってねえよ。

犬と豚の違いはなんだよ、イメージで語るなよ~~~
犬も豚もヘビも鳥も可愛くて美味そうだよ!!

とか考えて考えて色んな文化を学んだ

胸を張ってクジラを食べる。

が、この話をしっかりするにはオマケのコラム的なとこでは弱いので、今日は少しだけ。

僕はそれなりに動物が食物になる瞬間に立ち会っている。
絞めたり、内臓や皮を外したり、解体したりね。

別に経験してないから悪では無いけど、そういうのと向き合わずに肉とペットを分けるのは違うんじゃ無いかなぁ。
豚だって可愛いし賢い、犬だって美味そう。

なにが言いたいかって、生き物と食べ物の境界線と向き合うのも食べる者の努めだよね、ってこと。

そういう意味でもとても貴重な会だった。
慣れてないであろう人々とポップに気軽に解体に触れれるの凄かったな。

あぁ羊うまかった、御馳走だった。
次は焼いて食おう。

おわり。


何日も頭から離れない曲。


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