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ライターの未来について、今一度考えてみる。

フリーランスにおいて、常に頭に付きまとうのは仕事の問題である。

案件がなければ仕事がないわけで、ひとくちにフリーランスと言っても、毎月一定数案件がある人もいれば、不安定な人もいるだろう。

わたしはもちろん、後者の方で。


ありがたいことに継続案件をいただけているけれど、案件が潤っているか、と問われるとそうではない。

むしろ、以前よりは案件が減ってきているな、という印象が大きい。


コロナ禍で急速にSNSが普及し、リモートワークという働き方も広がった。

自由な働き方、という枠組みで、在宅でおこなえるライターやデザイナーなどのクリエイター職に脚光が浴びることとなったのも、コロナ禍の影響であるだろう。

インターネットには情報サイトが溢れ、似たようなサイトがゴロゴロと転がっている状態になっているのが現状だ。


そうなってくると、新規参入が難しくなってくると思う。

現状、新規でサイトを立ち上げたり、情報を発信したりしようと思うと、他サイト・他コンテンツとの区別化に四苦八苦するだろう。



話がだいぶ逸れてしまったが、わたしが普段仕事を受注しているライターステーションというクラウドソーシングサイトでは、去年サイト内の仕様変更があり、ライターステーションのサイトとは異なるツールでの仕事のやり取りが始まった。

以前は、ライターステーションのトップページに案件が豊富に掲載されていたのに、今では担当者からオファーが来るのみとなってしまった。(それも月に1・2回あるかないかぐらいである)


正直、案件募集の情報も、ライターの得手不得手によってある程度選定されてから掲載されているとは思うし、わたし自身ライターステーションでは1年のブランクがあるため、仕事を回す優先順位が他のライターさんよりも低くなる理由は頷ける。

だが、それを踏まえても、だ。


以前よりも、明らかに案件が少なくなっていると感じる。


そう考えると、ライターは落ち込んでいく業界なのかな、と不安な気持ちでいっぱいになる。

好き、というより"得意"を仕事にしているけれど、わたしの代わりになるようなライターさんは他にもゴロゴロいるわけで。


特に、今ライターは飽和状態なのではないか、とも考えると、他のライターさんと自分を区別化するためにどうしたらいいのか、ということに最近は頭を悩ませる日々だ。




最近直接契約を交わした、地元のWeb関係の会社がある。

だが、これも医療脱毛の分野であることから、いつまで続くか不安な案件だ。


以前、とてもお世話になったクラウドワークス経由の案件もあったが、最近話題のライバー事務所関連の記事にも関わらず、たった3ヶ月ほどでサイト運営が難しくなり、打ち切りとなってしまった。

いつまでも、案件があるとは限らない。


いくら大切にしたいご縁があったとしても、いつまでもそこで書き続けられるわけではない、という厳しい現実に打ちのめされそうになる。

でも、それがわたしたちフリーランスのライターに待ち受けている使命なのかもしれない。


自分で選んだ、茨の道だけど。

それでもやっぱり、悲しくなってしまう。




ここで視点を少し変えて、じゃあ何だったら書きたいと思えるのか、という点にフォーカスを当ててみる。


わたしが書きたいのは、言わずもがな、「誰かの想いを伝える文章」だ。


少し抽象的すぎるので、補足する。


わたしがライターとして生きていこう、と思えたのは、まぎれもなく人生初めて入社した会社で経験した業務からだ。


企業を取材し、企業の想いや魅力を学生たちに伝える。

企業を取材していく中で、企業の歴史や想いだけでなく、社長はじめ社員がどのような気持ちで日々仕事に取り組んでいるのか、というのを知り、それを言葉にする、という過程が、とても楽しかった。

そして、ライターは翻訳者だ、というのが理解できる工程だった。


だから、それに一番近いことができたら、本望だ。



しかし、そのような仕事を探してみるけれど意外と見つからない、という問題と、わたしには取材に行ける体力があるのか、という不安から、なかなか踏み出せないという問題がある。


気になる仕事として、例えば住宅会社の入居者インタビュー。

もともと家が好きなわたしは、住宅系の案件を受注することが多かったのだが、さまざまな工務店やハウスメーカーの公式サイトを見る機会が多く、その中でも実際の施工事例と、施主のインタビューを見るのがとても楽しかった。


家族の想いが詰まった素敵な家と、建てた人の想いが綴られた文章は、わたしが書きたいと思うものに一番近いと思う。


もちろん、企業の求人ページや公式サイトなどで、企業の魅力を伝える文章もまた書きたいとも思う。



また、noteを始めてからたびたび口にしていた、書籍についてもまだうっすらと野望を抱いている。

創作、という面では本は出せないだろうけれど、エッセイ、特に病気のことについてエッセイのような本が出せたら、後世にも役立てるのではないか、と思う。(SNSでの発信は難しかったので……)


なかなか現状を打開しうる方法は見つからないけれど、こっそり夢を書いておくだけはタダなので。

いつか実現できるよう、今の自分にできることをやっていこうと思う。




実は、以前おこなわれたnoteのイベントから着想を得て書いた、こちらの記事からまたタイトルをつけた。


3年経っても同じことを考えているということは、この問題はライター・クリエイターが抱える課題とも言えるだろう。

生き残りをかけた生存戦略を、常に考え続けなければいけない。

(記事内ではゆるくやればいいよ、と書いてあるけれど、焦ってしまうのもまた人間……)


また、AIの登場で、不安を覚えているクリエイターの方々も多いことだろう。

わたしも、「それぐらいAIで書けますから」と言われたら、心がすっと冷えてしまう。



どうしたら、クリエイターの価値を上げられるか。

どうしたら、"わたし"に書いてほしいと思ってもらえるか。



まだまだ答えは出ないけれど、それを見つけられたらわたしは一歩先に進めるのかな、と思う。

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