思い出は全部ブロンの匂い

高2のころから、市販薬のODをはじめた。
リスカする場所も無くなったし目に見える傷って馬鹿にされやすかったから。

まずは金欠の救世主、金パブ。
でもこいつまじで吐かせてくるよね
たった15tで吐き気してゴミ箱にぶちまけた日のことは忘れられない
て、吐くのが嫌でブロンにたどり着いた。

そこからはトントン拍子。

学校に行くために、席に座るために、宿題を頑張るために、怒られても傷つかないために、音源を完成させるために、あらゆる生活をブロンと共に過ごした。


クロレッツの缶でブロンとレタスを適量持ち運んで学校の最寄りの駅のホームで全部飲む。

たくさんのやさしい歌を聴きながら向かった先、
灰色の教室の片隅で目を伏せる。

帰りの電車で薬の残滓を追いながらNIRVANAを聴いて、27クラブに憧れながら帰る。


実はあの頃の思い出、はっきりしたものが無い。
とにかく辛かったのかもしれない。
自分の実体験ではなくて
あの生活は
身の回りに起こった事実の羅列のような
記憶の本棚に積まれた藁半紙の落書き
そんな認識です

唯一話せた友達が鬱で転校。
なけなしの友情を繋いで笑うクラスの空気。
サブカルチャーに現実逃避していた私を何故か好きになって、鬱で音信不通にされた元彼。
自称進学校での受験勉強生活。
トイレで静かに血を拭う昼休み。

ぜんぶ、ブロンとレタスが作った生活だった。
決断をさせてくれたのはブロンだったし、
必死に覚えた1900語の英単語を半分なかったことにしてくれたのはレタスだった(怨)

生活の軸にブロンがいて、受験勉強のご褒美はメジコンで、やりたいことも愛したい人も最早わからなくなっていって、なんてね


そして今
大学生になってからブロンきめてると、その時にだけ感じる香りがあるんですよね
鼻の奥から高校時代の匂いがする。

としか形容できないんだけどこれ分かる人いないかな!?!?!?

未だ現実逃避や家事の遂行にはブロンを使っているわけですが

数年後まだブロンを飲んでいるならその香りはどうなっているんでしょうか
いつか自分が死ぬ時にもブロンを飲んでいたら
目を逸らしてきた思い出ぜんぶが波になって脳を責め立ててくるでしょうか

首を吊ることと、どっちが苦しいかな
私は〜シンプルに首吊りの方が苦しいと思う!
どうせ愛を享受できなかった人間の最期なんて
誰の興味にも掛からないけどね

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