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同世代の人

認知症の義母との会話が成り立たない。
義母「ここをこうして、折ってええか?」
私「うん、えーっと、何を折るの?」
義母「それは…、言われへん。」
私「そうか、ええんとちゃうか? 知らけんど。」
という具合だ。

それが先日、居住しているマンションのロビーで出会った、義母の同世代の女性に
「私な、美容室行ってきてん。」と話しかけられると、
「ええやん。似合ってるやん。」と答えている。
更に、
「お宅はええねぇ。染めたりせんでええやん。キレイな白髪やし。」と言われて
「えぇ、まぁ、苦労してますからねぇ。」と答えている。

同世代の人となら、なんでそんなに上手いこと答えられるん?と心の中で笑った。

私は私で、昨日、同じマンションに住む、私と同世代の人が誘ってくれたので、録画しておいた『男はつらいよ』を義母が観ている間、階下でお喋りしながらコーヒーを飲んだ。
お喋りの内容は、たわいもない、しょーもないことで、「一番好きな果物は?」みたいな、もう何を話したか忘れてしまった。
30~40分くらいの間だったのに、それまで鈍く感じていた頭痛が、ピタッと止んでいた。
そして今もずっと痛くない。
日々、ストレスを感じていたわけでもないのだが、やはり、気分転換は大切だなあ、と思った。

どうして同世代の人だと、気安く楽しくお話できるのか、説明は難しいけれど、私も義母と同じだなあ、と思った。

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