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小話

2
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林檎

林檎がごとりと音をたてて冷蔵庫から転がり落ちた。あ、とひとつ声をあげて、林檎を拾い上げる。
お湯がぼこぼこと沸いた。火を止めて、お茶を淹れる。
林檎にナイフを入れれば、給湯室一杯に、林檎の香りがひろがる。
そのまま、お茶と、切り分けた林檎を、給湯室から持ち出す。
誰もいない、昼の会議室では、嘘つきで約束破りのあの人が待っている。

「今日の林檎は一段と綺麗だね」
皮付きのまま、八つに切り分けられた

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宇宙と海の密接なる私たちへの干渉

宇宙と海の密接なる私たちへの干渉

 海と宇宙はよく似ている。
 
 それを裏付けることはできないけれど、そういうものだと思うのだ。
 
 砂浜に広がる小柄な貝殻で出来た白い天ノ川に、何処か異国から流れ着いた古い空き瓶の一等星。
 
 流木も、かさかさと動く蟹の親子も、海という宇宙を形創る部品だ。
 
 私もその部品になりたくて、砂浜に足跡を残したわけだけれど、それは次の日には風に潮に凪がれてしまう。
 
 けれど宇宙からすれば、人

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