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午後
2018年2月1日 13:56
林檎がごとりと音をたてて冷蔵庫から転がり落ちた。あ、とひとつ声をあげて、林檎を拾い上げる。お湯がぼこぼこと沸いた。火を止めて、お茶を淹れる。林檎にナイフを入れれば、給湯室一杯に、林檎の香りがひろがる。そのまま、お茶と、切り分けた林檎を、給湯室から持ち出す。誰もいない、昼の会議室では、嘘つきで約束破りのあの人が待っている。「今日の林檎は一段と綺麗だね」皮付きのまま、八つに切り分けられた
2018年1月31日 18:49
海と宇宙はよく似ている。 それを裏付けることはできないけれど、そういうものだと思うのだ。 砂浜に広がる小柄な貝殻で出来た白い天ノ川に、何処か異国から流れ着いた古い空き瓶の一等星。 流木も、かさかさと動く蟹の親子も、海という宇宙を形創る部品だ。 私もその部品になりたくて、砂浜に足跡を残したわけだけれど、それは次の日には風に潮に凪がれてしまう。 けれど宇宙からすれば、人