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noteで最後の記事です。いままでありがとうございました!『成功ではなく、幸福について語ろう』 #635

「“こうなりたい”が思い浮かばない時は、“こうなりたくない”から書いてみてください」

以前、会社でワークショップを開催した時、講師の方が仰ったことです。

わたしたちは「こうなりたい」というところに目標を定めて、そこに向かって走り、達成=成功と考えてしまいがちです。でもはたして「成功」とはなんだろう? 自分にとっての「幸福」ってなんだろう?を各自で考えてもらったワークでした。

哲学者で、アドラー心理学の研究者でもある岸見一郎さんは『成功ではなく、幸福について語ろう』の中で、

「幸福は存在に関わり、成功は過程に関わる」

と語っておられます。

ご存じの方も多いと思いますが、岸見一郎さんは大ベストセラー『嫌われる勇気』の著者のおひとりです。『成功ではなく、幸福について語ろう』は、よりかみ砕いた形でアドラーの哲学を紹介しつつ、さまざまな相談に答えた内容。なので、日々の生活でアドラーの考えをどのように実践するのかの実例集といえます。

受験生の子どもが勉強しないんです。

夫が会社を辞めてしまいました。

パート先の先輩にいじめられています。

などなど、自分ではどうにもならない関係に苦しむ相談者さんに、あたたかくもきっぱりと、岸見さんが回答されています。

また、岸見さん自身の経験について語っておられる部分もあります。介護のために学校に通えなかった院生時代や、大病のために身動きができなかった時のことなど、谷間の時期を支えてくれたのは、アドラーと、三木清の言葉だったのだそう。

「大人になるための三つの条件」は、ぜひ覚えておきたいものでした。

1. 自分が決めなければならないことを自分で決められる
→ 最終的な結末が誰に降りかかるか。その最終責任を負う人の「課題」は、その人が決断すること。他の人には決められない。

2. 自分の価値を自分で決められる
→ 他者からの承認や評価と、自分の価値を切り離す。

3. 自己中心的な考え方から脱却する
→ いつまでも自分が他の人から愛されることばかり考えていてはいけない。自分の才能を他の人に使うこと。

「成功は幸福の手段である」という考え方には、「大人」としてあることが絶対に必要なことなのです。

心臓の病気で倒れた岸見さんが、病床で本の校正をしていた時、お医者さんから言われた言葉が、文字通り「希望の言葉」でした。

「本は書きなさい。本は残るから」

おかげで、迷いの中にあるとき、この本から光を見つけることができました。大事にかみしめたい言葉がいっぱいです。

☆☆☆

わたしがnoteを開設したのは2018年の5月でした。3年近くの間お世話になってきましたが、この記事が最後のエントリーになります。いつも読んでくださった方、応援してくださった方、そして下の記事に励ましの言葉を贈ってくださった方、心から感謝しています。

質問をくださった方がいたのでお答えしておきますと、この5日間、note編集部からのアクションは特にありませんでした。

「#1000日チャレンジ」はこれで635日目。つまり、あと365日、ちょうど一年残っています。ちょっと信じられない……。1000日もあったのに、減るんですね!?

明日からはTwitterに投稿します。アカウントは「@yymame33」です。よかったら、これからもお付き合いください。いままで本当にありがとうございました!


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