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再読レビュー

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初めて読んだ本ではなく、二回目、三回目読んだ本のレビュー。
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認知症老人が異世界転生したらセックス&バイオレンス:山田正紀「ジュークボックス」

認知症老人が異世界転生したらセックス&バイオレンス:山田正紀「ジュークボックス」



山田正紀は全然通っていなくて、たまたま四半世紀くらい昔に図書館で借りたこれくらいしか読んでいない。たぶん読んだのは1992年ごろ(出版されたのは1990年らしい)で、当時、なんとなくSFをちゃんと読みたいと思って、山田正紀をためしに一冊読んでみようと思ったのだろう。全然嫌いな作風でもないのに、なぜかこの後「神狩り」にも「宝石泥棒」にもいかなかったけれど、最近無性に再読したくなって古本を入手。ど

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20年前の官能メタフィクションはSNS社会風味:酒見賢一「語り手の事情」

20年前の官能メタフィクションはSNS社会風味:酒見賢一「語り手の事情」

僕の世代の本読みのご多分に漏れず、最初に酒見賢一を読んだのは「後宮小説」だった。もう30年くらい前なので、内容は全然覚えてないけど。

この「語り手の事情」は中国ものが多い彼には珍しく、ヴィクトリア朝イギリスが舞台の官能メタフィクション。1998年の出版で2001年に文庫化。表紙のミュシャのイラストが印象的。僕が最初に読んだのは2004年頃。

ヴィクトリア朝イギリスの(たぶん郊外の)御屋敷に隠遁

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