M子

昔の記憶や想い出を交えながら、今、思う事を綴ります。

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最近の記事

夕方5時のチャイムが 今日はなんだか胸に響いて

4つ上の兄が居た。兄が長男、私が長女の二人兄妹だった。今年の8月はいまいち夏らしくなかったのもあって久々に「あつがなついぜっ!」な一日に戸惑いを隠せない。映画『ピンポン(2002)』を観たばかりなので早速この名言を使ってみた。 あの"兄"と呼べる人は8月生まれで、それゆえなのか小さい頃に伯父の軽トラの荷台に2人で犬と一緒に乗り込んで夏風を切りながらキャッキャしていたのをここのところ頻繁に思い出すのだった。今から20年以上前の田舎道だったからこそ許されていたであろう、あの懐かし

    • ぐるぐる回転木馬が廻っている 偏見や不条理や忍耐を乗せて

      直近2020年のM-1グランプリが終わった翌日、元ハヌマーンで現バズマザーズの山田亮一がツイキャス配信をしていた。今年のM-1は──という酷評の先で、彼は言った。「“優勝者該当なし”という選択肢があってしかるべきである」と。 超個人的、二大天才アーティストは「大島亮介」そしてこの「山田亮一」で、それだけはこれからも揺らぐ事はない。なんならもう一人引っ張り出して“三大天才アーティスト”で綺麗に並べたいところだけれども、この二人の才能が凄まじすぎてそれこそ三人目は該当者なしであ

      • 何度つまずいてもずっと立ち上がってきたら 心がもう無理と悲鳴を上げて壊れた

        “もう、いいんじゃないかな”、そんな後ろ向きな気持ちに駆られて早一週間が経つ。一体何回同じ事を繰り返すつもりなのだろう。 郵送でもメールでも「選考結果のお知らせ」「残念ながら今回は──」少し前まではそんな無慈悲な選考通知や役目を終えた企業研究ノートの切れ端を感情的に破り捨てていたけれども、次第に破る気力さえ失ってしまった。終いには面接前になると“どうせ落ちるだけなのに”とぼそりと呟いて電車に飛び乗るような有り様で、もはや言動があべこべである。 こんなの、誰に言われてやらされ

        • やんなっちゃうやんなっちゃうやんなっちゃう♡

          『幸せカナコの殺し屋生活』という漫画を今更知って案の定ハマった。主人公はブラック企業から抜け出して、ひょんな感じで殺し屋になってしまったんだとか。前職の上司を早速殺してみろという命令に臆するも、なんだかんだ任務完了で「あげぽよ──⭐」なカナコさん。 この物騒でポップな世界観に「気分爽快──⭐」なトランス状態になったせいなのか、これは規制ギリギリかといったヤバめな過激思想があらゆる穴という穴から漏れ出てきてしまった。どうやら私は相当疲れているらしい。 ここから先は、生きる事に疲

        夕方5時のチャイムが 今日はなんだか胸に響いて

        • ぐるぐる回転木馬が廻っている 偏見や不条理や忍耐を乗せて

        • 何度つまずいてもずっと立ち上がってきたら 心がもう無理と悲鳴を上げて壊れた

        • やんなっちゃうやんなっちゃうやんなっちゃう♡

          君がいた夏は 遠い夢の中 空に消えてった 打ち上げ花火

          ──「高校生になったら、絶対に軽音部に入ってベース弾いてバンドやる」 そんな突拍子のない事を言い出したのは、私が中学2年生の時だった。理由は明白、RADWIMPSのBa.武田祐介なるお方に憧れての事である。というか初めて聴いた“バンドサウンド”がラッドで「この低くて深く胸の奥に響く音、なんていうか、めっちゃ良いな──」という感覚が、私のベース人生の始まりなのであった。 もしもギターの高らかなピロピロ音に惹かれていればそれこそGt.桑原彰、あるいはテクニカルで繊細なドラムに魅

          君がいた夏は 遠い夢の中 空に消えてった 打ち上げ花火

          話せなくていい 忘れていいから ふとした瞬間アルバム開いて

          またも芸能界のおしどり夫婦の泥沼不倫が文春砲でドカンとやられている。そんなの嘘だと言ってくれよ…!と思うほどに、杏ちゃんと3人のちびっこたちが不憫でならなかった。散々“家族”というものに振り回されてきた杏ちゃんがまた…、と思うと私まで胸が痛くなってしまったのであった。 『コンフィデンスマンJP』の“ボクちゃん”には、不倫のフの字も浮かばないような温厚でいかにも安全な旦那というイメージを勝手に持っていた。3年間も不倫をしていただなんて、まさに“人は見かけによらない”としか言い

          話せなくていい 忘れていいから ふとした瞬間アルバム開いて

          「誓いの言葉は何だっけ」なんて 言ってたっけ

          昨日の朝、私は学生時代の友人の紹介で採用面接を受ける事となり久方ぶりに都内へと向かっていた。すっかり午前中という概念を放棄していた今の私にとって、朝7時起きは厳しいように思われたけれども実際にはその一時間も前にばっちり目覚めてしまった。我ながら本当こういうところだよな、と思う。いちいち繊細で、アホくさい。 そのまま布団を出るのも癪だったので、Twitterのトレンドになっていた『俺は沢口靖子のことを何も知らない』というウェブ漫画を朝っぱらから一気読みした。私だって沢口靖子の

          「誓いの言葉は何だっけ」なんて 言ってたっけ

          自己紹介特技はナチュラル作り笑い

          今すぐに空気を凍らせてみたい やらないけれど このにゃんぞぬデシ『勘違い心拍数』のMVの主人公が、自身の思い描いていた20代社会人女性の理想形すぎて羨ましくなった。 オフィスで一人遅くまで残業、仕事終わりに居酒屋で一人酒── 当人からすればそんな毎日しんどくてたまらないし一体どこが羨ましいの?と言われてしまうかもしれないけれども、私はそんな行き場のない都心のOLというかキャリアウーマンになりそびれた身であるので、今でもなんとなく憧れてしまう。それは決して嫌味などではなく、

          自己紹介特技はナチュラル作り笑い

          もしも僕が教祖になったなら 今日から君は盲目さ

          私はとにかく写真を撮られる事が苦手である。元が悪けりゃ写真映りも悪い。ついでに性格も悪いのだってファインダーを通せばお見通しなものだからカメラは凄い。性格は顔に出ると言うし、それが映っているだけなのだと考えると、もう何も言えない。 自撮りの研究だとか盛れるカメラアプリをインストールするだとか、そういう努力や工夫でカバーする事もできるのは解っているけれども、そこまでして自分を良く見せたいと思うほどの自己愛がないので、これまでほったらかしにしてきた。 しかしだ、今年度中の就職

          もしも僕が教祖になったなら 今日から君は盲目さ

          うまいことできた世界だ 嫌になるほど

          私がこの世に生まれて最初の記憶は、母が誰かと長く立ち話をしている傍ら、地面に散り積もっていた桜の花びらをかき集めて一人遊びをしていた光景である。 その切り取られたワンシーンだけがはっきりと記憶として頭に残っており、とてもよく晴れた日の昼下がりの事であったとのように憶えている。 小さな両手にいっぱいの散り桜は、当たり前の事ながら季節が春である事を示していた。それが一体いつの何の出来事であったのか、何気なく母に尋ねてみると、それは父方の祖父のお葬式の日の事だろうとの返答を得た。言

          うまいことできた世界だ 嫌になるほど

          変わり続ける君を、変わらず見ていたいよ

          年末にギャラリーの整理をした。2020年代が始まるその前に、これまでのあらゆる思い出の数々を一旦区切っておこうと考えたのである。 PCにコピーしておいたデータや勝手にバックアップされていた写真など、その一挙を現在使用しているスマホに移行した。すると2008年-2019年という11年間にもわたる膨大な思い出がデータとして残されていたのであった。写真の数は5,000枚以上にものぼる。これらが何かの拍子で消失してしまったらと思うと末恐ろしくてたまらない。PCだけでなくクラウドとやら

          変わり続ける君を、変わらず見ていたいよ

          今も街はひとしく ここにあるだけで

          ──もうすぐ、2019年が終わる。 この書き出しで始めるnoteは結構ダサい気がするけれども、もっと気の利いたフレーズで年末を総括できるほどのセンスがないので早々に諦めたい。 さっさと終わっちまえ、2019年。令和元年。 お察しの通り、今年は私にとって最悪の年だった。しかしながら、そんななんの実りもない空っぽな一年にしてしまったのは、まあまあな比率で自分のせいである。 私は休職期間中に2019年を迎え、1月末に母親が事故を起こして入院した。祖父の介護などで疲労を溜め込ん

          今も街はひとしく ここにあるだけで

          待ったなんてなしなんだって言われて

          ──「夜寝たら、また朝が来るから」「また学校に行かなくちゃならないから」 担任教師の口から代弁された彼女のこの言葉を“いじめ問題”が報道される度に思い出す。1年A組の連中は、13歳の未熟なその頭でその言葉を各々どのように受け止めたのか。そしてあの頃の私は、何を思ったのか。 彼女の爪は誰が見てもボロボロだった。それは“癖”であって、私の兄だってよく爪を噛んでいたせいで母に逐一注意されていたものだ。それが精神不安の表れだという事は今でこそなんとなくわかるものであるが、当時それ

          待ったなんてなしなんだって言われて

          【#100文字ドラマ】聴こえるはずのない声

          主人公は24歳の独身OL。家賃6万5千円のワンルームアパートで一人暮らし。朝起きて仕事して帰って寝て朝起きてまた仕事の不自由な生活。「こんなに退屈なもんなのかねえ、“オトナ”って──」 そんな私には小さな頃から大切にしているぬいぐるみがいる。手でやさしく握れるサイズの小さなゴマちゃんのぬいぐるみ。名前は、“まつきち”。 そんな代わり映えのないある日、帰宅してからいつものようにベッドに倒れ込むと、何やら小さくこもった“声”が聴こえた。驚いた勢いのまま布団をめくるとそこにはま

          【#100文字ドラマ】聴こえるはずのない声

          去年のクリスマスにジョンレノンとポールマッカートニーが爆発した夢を見たから俺はもうどうにもなんねえんだよ

          先月、NHK『ドキュメント72時間』を両親が熱心に観ていたものだから私も一緒になって観るなどした。今回は「大空に飛行機を見上げて」というタイトルで成田空港を発着する飛行機が間近に見える“さくらの山公園”が舞台なのだった。 なんだかんだでこの番組を観る事は多いけれども、ヒコーキは私の管轄外なのでその回はなんとなく流し観ていた。しかしながら番組の後半、警備員の息子とその父がインタビューを受けているのを見て、私は「!」と声を上げた。 (この変な人) “さよなら、また今度ね”とい

          去年のクリスマスにジョンレノンとポールマッカートニーが爆発した夢を見たから俺はもうどうにもなんねえんだよ

          あなたには あたしより 大事なものがある【後編】

          私の家は長い坂を上った山の中にある。自転車を一生懸命引いてやっと坂を上りきるまでのその間、現在28歳となっている“先輩”の事を思い浮かべていた。 2010年4月、大好きな先輩がもう居ない校舎には未だに雪が降り積もっていた。桜はまだまだ咲きそうにない。 高2となった私は、3年間同じメンバーで担任も変わらないクラスに居たので学年が変わったところで大した変化はなかった。しいていうなら教室が3Fから2Fにずれた程度で、私の居る1組はいつだって南側の角に位置している。3Fに居た時より

          あなたには あたしより 大事なものがある【後編】