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古典ミステリー初読再読終読:サマーセット・モーム『アシェンデン或いは英国諜報員』その2
(承前)
「古典ミステリー初読再読終読:サマーセット・モーム『アシェンデン或いは英国諜報員』」でふれたX国駐在英国大使の告白を聞きながら、アシェンデンはしきりに時間を気にしている。
夜遅くに「人と会う約束がある」のだとしたら、ふつうなら情事だと思うが、アシェンデンはエイジェントだ、何か別の理由だろう。
しかし、大使の独り語りが終わり、外出から戻った夫人に挨拶すると、アシェンデンはそそくさと公
ローランド・カーク - Triple Threat, 1957
子供の時にテレビで見て、テナーとソプラノを同時に吹くというアクロバットに驚いたが、虚心にプレイを聴けば、出音もピッチもよく、その気ならスタジオ・プレイヤーにもなれただろう技術を持っている。
ローランド・カーク - Triple Threat, 1957
そもそももヘチマもあったものではない。デビュー盤からして、すでに4ビート的というよりR&B、いや、ポップ・アルバムといってもいい。ほとんどキング・カーティスを聴いている気分で笑ったのなんの。
ローランド・カーク - Complete Recordings 1956-62
どこでグレて「そういう人」になっちゃったのかと、そもそものはじめまで遡って聴いてみた。デビューから数年間のリーダー盤、ゲスト盤の詰め合わせ。
ローランド・カーク - Blacknuss, 1971
いや、モータウンのカヴァーはまだわかる。わからないのはMake It With You。同題異曲でしょ、まさかアレじゃないさ、と思ったら、まさかのブレッドのアレ! ふつう、あの時代のジャズ・プレイヤーはやらないぜ。
ローランド・カーク - Blacknuss, 1971
選曲もマーヴィン・ゲイのWhat's Goin' OnだのテンプスのMy Girlだの、ええ? だし、サウンド的にも4ビートというより、ジャズ・ファンク。そういう人だっけ? であった。
『ファム・ファタール』
Obsessionは見終わって「面白いんだけどさあ、これじゃあちょっと……」と困惑したが、同じように「それはちょっとなあ」というプロットでも、ファム・ファタールは「しよーがねーなー」と苦笑いするのみ。口の中に厭な味は残らなかった。
『ファム・ファタール』
エンディング・クレジットを見たら、キャメラ・オペレーターとはべつに、ピン送りのスタッフ(Focus Pullers)の名前がちゃんとあった。アメリカ映画の分業化には毎度驚かされる。
『ファム・ファタール』
この機内の2ショット、眼病の経験があるわたしは、また目が悪くなったのかと、見直してしまった。さにあらず、被写界深度を浅くし、話者が替わるたびに、そちらへと微妙にピン送りをしていた!
『ファム・ファタール』
IT富豪を演じたのはピーター・コヨーテ。20年ぶりぐらいに見た。懐かしい。本物のヒッピーだった人で、最初はグレイトフル・デッドについてコメントしているのを見て知り、あとで出演映画を見た。
『ファム・ファタール』
堂々と正面切って誰の耳にもラヴェルとの類似がわかる曲を書いたのは、いったいどなたさまとクレジットを見れば、坂本龍一。なるほどねえ。いや、構成法、スタイル、気分が似ているのであって、メロディーが似ているわけではなく、模倣ではない。為念。
『ファム・ファタール』
そのエロティックかつサスペンスフルな冒頭のケイパー・シーンの音楽が、性行為のメタファーと云われるラヴェルの「ボレロ」を思わせる、シンプルなモティーフを延々と繰り返し、緩やかなクレシェンドで「上り詰める」音楽で、ニヤニヤしてしまった。
『ファム・ファタール』
ヒチコックも窃視症的だったが、ディ・パーマも同類、エロティックなシークェンスで腕を見せる。ボディー・ダブルのダンス・シーンはポーン以上にセンジュアルだったが、ファム・ファタールのふたつのエロティック・シーンも素晴らしく蠱惑的。
『ファム・ファタール』
ヒチコックのめまいを模したObsessionというディ・パーマ映画があった。面白いが無理を重ねすぎたプロットだった。やはりヒチコックの裏窓にヒントを得たボディー・ダブルでそのへんはかなり修正されたが、ファム・ファタールはまた無理筋に戻った感がある。
Brian de Palma - Femme Fatale, 2002
ディ・パーマが懐かしくなり、Femme Fataleをプレイヤーに。画面を縦に多重化する鈴木清順風のけっこうな映像と、例によって「それはちょっと無理では?」というプロットの、いつものディ・パーマだった。
天使の分け前ふたたび:グレイトフル・デッド"From The Mars Hotel: The Angel's Share"
グレイトフル・デッドの50周年記念天使の分け前シリーズの、Wake of the Flood篇については何回にも分けて詳細に書いたにもかかわらず、まだ完了していないのに、もうつぎのFrom The Mars Hotel篇がリリースされてしまった。
元盤のリリースは1974年、たしかに半世紀たったのだが、それにしても、あまりと云えばあまりな光陰矢の如し、「♪あれから50年」じゃあ、ただのジジイとバ