『成瀬は信じた道をいく』
前作『成瀬は天下を取りにいく』を読み終えて、すぐに本屋へ直行した。「成瀬」は中毒になる。もともと、気に入れば同じ作家の作品を読み続けるたちだが、今回は明らかに成瀬の先行きを案ずる保護者のような気分でこの続編を買い求めた。
さて、大学生になった成瀬あかりは相変わらず我が道を進む。大学は京都大学に通っているものの、受験以外では京都のエピソードは出て来ず、物語の中心はあくまで滋賀県、大津、膳所である。近所のスーパーでアルバイトをし、時には近辺の「自主パトロール」をこなし、びわ湖大