良野均

文章や詩歌など色々な形で自分の気持ちに忠実に言葉を紡いでいきたいと思います。

良野均

文章や詩歌など色々な形で自分の気持ちに忠実に言葉を紡いでいきたいと思います。

最近の記事

【詩】泣かないように泣く少女

心がピアノへ届かずに 突然弾けなくなったのは 少女がはじめて恋をした 十五歳のある夜のこと ひとり身震いする想い うまく抑えたつもりでも ピアノにだけは見抜かれて たがいの波長が行きちがう 素敵な人とピアニスト とてもひとつに絞れない 恋との嬉しいめぐりあい 夢との悲しいすれちがい 恋と夢との両立が まだ困難な十五歳 恋と夢とにはさまれて 方角さえも見失う けれどもそんな迷える日々が 自分を磨いてくれるのだと 悩み苦しむかたわらで 少女は深く信じてる 泣きたい気持ちか

    • 【詩】時代錯誤も悪くない

      がんばらないことが トレンドのご時世で いっそのこと時代錯誤に なってみようか がんばることを 悪者扱いしても それが自分を幸せに するのだろうか 今一度がんばるという言葉 くちびるに少しずつ取り戻し 今一度がんばるということを 生きている証明にしてみたい そんな時代錯誤なら 決して悪くはないだろう

      • 【詩】少女は風の中の花

        花に寄り添う横顔が 花の色よりあざやかで 今ここに咲いたばかりの  その一輪をぼくは見つめる まだ哀しみも恋も知らない あどけない微笑みを この手に包みこんで 木枯しの激しさから 救ってあげられるのなら 寒さに弱いこの身さえ 喜んでなげうてる 風の中の少女は 花さながらに小躍りして 色彩を放ってる

        • 【詩】人間を信じてるバカ

          人間を信じるなと誰かがいう 人間は裏切る生き物だから 傷つきたくなければ はじめから信じなければいい それが利口な姿勢だという たしかにそうかもしれない そうかもしれないが それでもなぜか 人間を最後まで 信じてみたいとも思う はかない希望にすぎないが 人間の心というものを おなじ人間の心で 信じつづけるなら 必ずこたえてくれる人々はいる なんという愚か者だろう 人間を信じるなんて そう笑われるバカでいい

        【詩】泣かないように泣く少女

          【詩】人間くさい生き方を

          弱虫小僧がただひとり 今でも俺の中心で 時に泣きべそかいている 格好つけても青春で 涙と縁を切ることは 何より至難なことらしい それならそれで構わない 人間くさいまま生きる 自分を許すことにする その方がより幸せに 近いと信じられるから

          【詩】人間くさい生き方を

          【詩】心の声がやまなくて

          心の声に逆らえば これまで通りの顔見知り 心の声に従えば 孤独と孤独を消しあえる ならば迷わず後者を選び あなたのもとへ駆けつけるだけ 心の声に忠実に ほどけないほど指からませて 心の声を聞かせあう なくてはならない間柄

          【詩】心の声がやまなくて

          【詩】愛にタブーの日が来ても

          何がタブーかもわからない時代 愛さえも言葉にできない まっぴらごめんな世の中に なってくれるな けれども百にひとつ 愛がタブーになったとしても 破ってしまうだけの甲斐はある むしろ掟に楯つかなければ 誰ひとり愛せやしない

          【詩】愛にタブーの日が来ても

          【詩】母校の匂い

          閉じられた校門を前にして ふるさとの匂いなどおぼえてる 校庭を流れてた歌声が 耳もとで突然にこだまする いくつもの青春を見届けた 母校も長年の その役割を終えるという おしゃべりあふれた校舎が 今では無口な子に似て 寂しそうに立ち尽くす

          【詩】母校の匂い

          【詩】一人ではない朝焼けに

          朝焼けの訪れに ほんのり照らされた 穏やかな寝顔に 思わず頰をゆるませる この人のそばならば この世の闇も この世の光も すべてがおなじ美しさ 風の激しさにも 雪の冷たさにも 一人でうろたえなくていい そんな確信が 小さな自分をささえてる

          【詩】一人ではない朝焼けに

          【詩】明日という名の目的地

          悲しみのかけらさえ持ち越さず さわやかな一日を迎えたい 深い祈りの中 深い眠りにつく まっすぐ朝へ向かいたいけど 夢に道草させられて 時間を食ってしまうだろう それでもやがてたどりつく 明日の景色がこの胸に 一足はやく広がって ちょっとした旅人の気分だよ

          【詩】明日という名の目的地

          【詩】青春のシンボル

          青春のシンボルは この傘をわかちあう君 夢も情熱も差し置いて 君ひとりだけ 心をどこかへ置き忘れ どうにかこうにか過ごしてた ぬけがらみたいな毎日が 君の微笑みひとつに救われる 天使の歌を聴くように 雨のすきまをかき分けてくる 特別な靴音を待っている

          【詩】青春のシンボル

          【詩】見える世界の見えない魅力

          幾筋かの桜の流れに 風の模様が透ける 肉眼では見えないものも 心を通せばはっきりと その存在を確かめられる 見えない何かが見えるものより 力強く感じられて 夢見ることに困らない たびたびの敗北も やり直すきっかけと 何度でも信じさせてくれる この世の見えない魅力

          【詩】見える世界の見えない魅力

          【詩】未来の詰まった青春で

          さらばと告げる相手は これまでの自分でいい ようこそと迎える相手は これからの自分でいい どこへ通じているのかも 知らない道にくたびれて 前を向くのがやっとの時も ただ未来だけを頼りにした 未来の詰まった青春で しばしば道に迷うとも 自分を見失うことはない

          【詩】未来の詰まった青春で

          【詩】さよならは愛の終りではない

          力いっぱい抱きしめた日々の 陽を浴びたようなあたたかさ 時の重なりに埋もれることなく からだの奥で燃えつづけてる 愛するというのも さよならというのも おなじ重さの言葉だった そんな想いをただ一人 祈りでも捧ぐかたちに 閉じた目の中でかみしめる

          【詩】さよならは愛の終りではない

          【詩】反省というタブー

          反省しても 反省しても また間違える その場かぎりの反省は 自分を変えるきっかけにならない それどころか 反省という言葉を 自己弁護に利用している 反省とは何なのか どうすれば反省になるのか 大人の今もわからないでいる 反省はしばらくタブーにしよう 自分を戒めるどころか 甘やかすだけの言葉なら 封じてしまう方がいい 反省は言葉ではなく 生きる姿勢で示すものと信じるから

          【詩】反省というタブー

          【詩】女神の髪を洗う海

          泳ぎ疲れたこの身を横たえ 水平線へ寝返る 海にあまねく広がる陽の色 なぜか長いブロンドに重なり 女神が御身を清めてる そんな絵がひとつ 画用紙さながら澄む空に ありありと浮かんでる 海と空のコラボレーションに シャワーを浴びたあとの心地する

          【詩】女神の髪を洗う海