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かわいい娘の話をします

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娘のかわいい日常をお届けします。日めくりカレンダーの絵柄のように、くるくる変わる子どもの世界を、少しでも書き留めておけたら。
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2019年7月の記事一覧

子どもが正しく間違えている

娘が、マジックに興味を持ちはじめた。 きっかけは、学童で見たマジックショー。それからというもの、鉛筆を手にくっつけて浮かせようとしたり、手のひらのコインを動かそうとしたり忙しそう。 夫が片方の手で見えないように鉛筆を押さえ、手を開いても落ちないマジックの種明かしをしたら、娘は「インチキだ!これはリアルマジックじゃない!」と怒っていた。 それをみて、ああ、娘は「正しく間違えている」のだなと思った。 * あたかも自分の言葉のように書いたけれど、「子どもは正しく間違える」

たぶん、きっと、これは愛

子どもというものは不思議なもので、日に日に成長するはずなのに、親目線で毎日「大きくなったなあ」とは思わない。 ふとした瞬間、「あ、大きくなってる」と気づく。 届かなかった棚に手が届くとか、背伸びしてのぞき込んでいたダイニングテーブルを見下ろしているとか、その瞬間はいくつもある。なかでも私が好きなのは、バスタオルで拭いてあげるときに気づく背の高さだ。 お風呂から出てきた娘の、濡れた体を拭いてやる。おぼつかない足取りの2歳のころは、まだまだ小さかった。娘の目線と、膝をつけて

はじめての、おかいもの

noteを毎日書いていると、たまに「これは絶対に書かねば」という気持ちになる。 もともとは、娘の成長を書き記すために始めた毎日更新。最近は、日々思うことや書くことについての感情を言葉にする記事も多いのだけれど、昨日は本当に「これは絶対に書かねば」という一大イベントが発生したので、こうやって書いている。 なにかというと、5歳11か月の娘が、うまれてはじめてお小遣いで買い物をした。なんだ、そんなことか。そうです、本日のnoteは、人様にとっては「なんだ、そんなことか」を一生覚

今日という日を楽しくするクレープ

やぶれかぶれな気持ちになる休日の朝。予定はとくにない。というか、娘が「お家で遊ぶの!」と主張して外に行けそうにない。 時計の針が、10時半をすぎる。「お母さん、パンケーキつくろ?」小腹が空いた娘に提案された。 パンケーキかあ。正直にいうと、私はちょっと苦手。つくるのは好きだ。だけど、いざ食べるとなると、バターとメープルシロップをたっぷりつけても、口の中でモソっとする食感に残念な気持ちになってしまう。 「クレープにしない?」代案を娘になげかけた。「クレープ」がなにかを知ら

妖精は、ペルーにいた

あるはずのウェブサイトにアクセスしても真っ白な画面が表示されたときから、いやな予感はしていた。おそらくダメだろうと送ったメールの返信は、予想を数ミリ斜めに超えたものだった。 何の話かというと、娘の誕生日会の出し物のことです。 8月の末に娘は6歳になる。いまから誕生日会の準備をしないと、諸々間に合わない。 6歳の誕生日会? そんなにやることある? とあなたは思っているだろう。 もちろん、どれほどの規模にするかはご家庭次第。けれど、七五三や桃の節句といった子どもの年中行事

べつに星に願わなくても

「ネコちゃんがほしいの」 昨日の夕食後、娘と七夕だし短冊でも書こうかねという話になった。 ネコちゃんは私も好きだが、あいにく夫がネコちゃんアレルギーである。その願い事は叶えられない。 「七夕は、ほしいものじゃなくて、なりたいお願いを書くんだよ」 夫が教えると、娘はうーんと悩んだ後、「うたがじょうずになりたい」と口に出した。習得途中の平仮名を一字ずつ確認して紙に書き、それを庭の竹にくくりつけた。 * 「Wish(お願い事)、かなったかなあ」 翌朝、起きてきた娘に質

知らない不安と、ピアスの穴

「ねえお母さん、お耳をパッチンするやつってさ……」 数日前のこと。さあ寝るぞという段階で、ベッドに入った娘が口をひらいた。なんだか少し不安げに、未知のものを尋ねる表情で、布団にもぐりながら私を見上げている。 ああ、ピアスのことをいっているのね。 最小限の単語で、情報が伝わるのが家族のふしぎだ。 「ピアスあけたいの?」 尋ねると、娘はちょっと泣きそうな感じで「う~ん……」と歯切れのわるい返事をした。 たぶん、興味はあるけれど、怖いのだろうなと思った。 住んでいるニ

いっしょにスーパーマーケット

子どもと一緒のスーパーは、ちょっとした戦場だ。 娘は5歳10か月。乳児の頃とくらべれば、たいへん「イージーモード」だが、カートをぐいんと押したり、あれ買ってこれ買ってと横入りしてきたり、わりと気をつかう。 その点、夫とふたりの買い物は楽だ。夫がたまに平日休みの日は、近所のスーパーマーケットへ行く。面倒な買い出しが、ちょっとした楽しみでさえある。 ずらっと並ぶヨーグルトを前にして、どのフレーバーがいいか相談する。 「やっぱりイチゴがいいかな」「娘ちゃんはこっちが好きじゃ