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【私と本】大橋歩さんの文章

 大橋歩さんを知ったのは、村上春樹氏の本からだった。銅版画を見て、こんな版画をつくる人ってどんな人だろうと興味を持って調べると、雑誌『MEN’S CLUB』へのイラスト掲載を経て『平凡パンチ』の表紙を担当していたイラストレーターという経歴にあたり、ますます興味が湧いた。

 いくつかのエッセイ本を読んでみて、独特の文章を書く人だな、とおもった。読みにくいようで、読みやすいようでもあって、誰とも違うリズムを持った文章に、すごーく惹かれた。
 前に、食べものまわりの描写について女性のものは飽きることが多いなどと書いてしまったけれど、大橋歩さんも例外に加えるのを忘れていた。この方の書くのは、とても好き。
 大橋歩さんのエッセイで知った、『オーボンヴュータン』のお菓子がずっと憧れだった。人混みが苦手で、なかなか東京に行かず、やっと食べられたのがおととし(2019年)。生菓子ではなく、プティ・フール・セックをお土産に買ってもらった。おいしかったぁ。

 あとイラストレーターや画家の人の書く手書き文字が好き。こういう人たちって、文字についての意識が違うんだろうか。きれいな文字もいいな、とおもうけれど、絵描きさんたちの文字はそれとは別のところで「いいな」とおもう。

 1940年生まれの大橋歩さん、現在は2010年に立ち上げたファッションブランド『a.』(エードット)のアイテムやグッズのギャラリー兼ショップを東京、京都に持って元気に活躍しておられます。そのウェブサイトも色んなコンテンツがあって、楽しめるのでときどき覗いています。

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おいしい おいしい

 この本の巻末は大橋歩さんの絵によるレシピがついています。薄いピンク色の紙に、イラストつきのかわいいレシピ。

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