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本よみ日記23

4.17月

無性に歩きたくなったのと、家ではない場所で本が読みたくなり、とりあえず近くの緑地公園へ向かう。思ってたよりすぐ着いてしまい、緑地には入らずそのまま歩き続ける。

歩いても歩いても藤に会う。すぐ手の届きそうな場所から、高く大きな木の上のてっぺんあたりでふかふか咲いている。濃淡のある緑のつらなりに時折うすむらさきがあらわれ、贅沢だなぁ、眼福、眼福とがしがし歩いた。

そうこうしているうちに北鎌倉に着き、喫茶店を探す。「門」と迷って、前に行ってよかった「吉野」へ。初めてのフルーツケーキが癖になる味で静かに昂奮する。

誰かの日記をと、図書館で借りた小川糸さんの『ぷかぷか天国』を持ってきた。小川さんは生前のお母さんと確執があり、その確執がなかったら作家になっていなかった、家の中や日常にキラキラした物語がなかったから、自分で作るしかなかった、とあった。最近の私は、父や母の話しによく反応していると思う。4月17日の小川さんはドイツで納豆を作っていた。

4.18火

大きめの図書館に行く。『本を贈る』、阿久津隆さん『本の読める場所を求めて』を借り、KIBIYAベーカリーでプレーンスコーンとカンパーニュ半分を買ってささっと帰る。

『本を贈る』をさっそく読む。はじめの島田潤一郎さんの「本を贈る」を読み、私も二十代のころ、高野文子さんの『黄色い本』をよく友人にプレゼントしていたことを思い出した。『チボー家の人々』はまだ読んでいない。

斉藤倫さんの『ポエトリー・ドッグス』をちびりちびりと読み、堀江敏幸さんの『河岸忘日抄』を読み返している。気移りがちな本よみは春だからだろうか。



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