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なぜ「可愛い子には旅をさせよ」なのか

一般的に、親にとって可愛い自分の子どもは大切にしたいし、危険から守ってあげたいと考えるのは当たり前のことですね。しかし、その気持ちが強過ぎると「危ないからこれはするな・あれもするな」となってしまいます。

そうなると、その日その時その場所での危険は回避できますが、長い目でみればその子は何も経験することができずに知恵を授かることができません。

さて、人はどのように成長するのでしょうか。
それを理解する上で大切な概念として、デビッド・コルブ博士が提唱した「経験学習理論」というものがありますので、今日は簡単に説明します。

人が成長するためには先ずは「現実体験」が必要です。知恵や知識は成功体験や失敗体験からたくさん得ることができます。

次にその経験を「内省観察」すること、つまり振り返ることが必要です。その振り返りを通じて経験は「抽象概念化」されます。抽象概念化とはつまり、ある実体験を汎用性の高い知恵と知識に変換する作業です。

そして、その経験から得た新しい知恵と知識をもってして、次の新しい行動を自らしかけていく「能動的試み」を行なうと、また新たなる「現実体験」が生まれます。

人は、特に若者は、このサイクルを何度も繰り返す中でたくさんのことを学び成長できるのです。

「可愛い子には旅をさせよ」とは、たくさんの経験をさせよということ。ただし、経験しっぱなしでは武勇伝は増えますが、成長にはあまり繋がりません。かならず、振り返る習慣を持ちましょう。

内省観察にはキャリアカウンセラーなど、経験の振り返りを支援できる専門家の介入が役に立ちます。


コルブの経験学習理論を参考に筆者が編集

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