［キーワードと言い換え］

インサイト
≒
潜在的なニーズのなかでも当人がまだ認識していないような動機の一端

［解説］

あなたも
新しい商品を取り入れる際、
「そうそう、そこが解決されるのは嬉しい！」
というように付加価値部分がグッときて購入に至るケースってありませんか？

逆に、それがないと新しいものを取り入れる気にならなかったりするかもです。

今はモノが充実し、なんなら飽和した時代で、
生活における基本的な課題はほとんどが解決されています。

簡単に言ってしまうと、「ないものがない」環境なんですよね。
（確かに…大体のものは売ってる）

また、技術力も進歩したことで基本機能の差別化は難しく、
同カテゴリーの商品はどの企業もあまり変わり映えしない印象を受けます。

以前は顧客ニーズのなかでも潜在ニーズまで把握出来れば、
そこを売り込みに反映することで売り上げに繋がりました。
(大事だよね)

ただ、それすらもはや顕在化させ尽くしたと言えるかもしれません。
(もう潜在してないのね笑)

なので今は’潜在ニーズよりも更に奥深く、
顧客が認識出来ていない動機の一端’を上手く刺激することが求められます。
(深淵)

そこが顧客のインサイトです。
さて、ではここからもっとインサイトを探っていきましょう。

［更に深掘り］

インサイト自体は「洞察」という意味の単語です。

潜在ニーズよりも更に奥深くまで探っていくには卓越した洞察力が必要ですから、
「まさに」といったところでしょうか。

ところがインサイトには「コレだ」と言えるような明確な答えがありません。
(え…無理ゲーやん)

どういうことか具体的に紐解いていきます。

まずは顧客の設定として、
「郊外に住み、都心のIT企業に勤めるオシャレ好きな29歳の独身男性」
がいたとしましょう。
(これあれだ！)

vol.38のペルソナですね。

インサイトを探る為にはペルソナの設定が欠かせません。
(深掘りするには細部がわからないとね）

男性は視力矯正用のメガネを新調しようと思っており、なおかつ強度の近視です。

ほとんどコンタクトレンズで生活している為、メガネを作るのは久しぶりであまり知識もありません。

そんな彼には
①メガネのフレームが多種多様に取り揃えてあるが、レンズの解説が普通程度の店舗。
②レンズの解説が丁寧に紹介されているが、フレームの種類は普通程度の店舗。
どちらが受け入れられるでしょうか？
(え、①っしょ)

ペルソナがオシャレという点で①の方が単純に考えると良さそうですが、
メガネの難しさがここに隠されています。
(お前誰だよ笑)

度の入ったレンズに変わると、
店舗に陳列された度なしのメガネフレームを掛けた時と、見た目も印象も度数の強さによって変わります。

その辺の込み入った説明は長くなるのと本題ではないので流石に控えますね。
(気になるんだが…)

とにかく重要な部分は
「度なしの状態と度が入った状態ではメガネ自体も掛けた時も印象が変わる」
という点です。

つまり店頭で鏡に合わせた時と、完成後に掛けた時とでは人によって大きく違う可能性があります。

そう思うとメガネの提案ってナラティブだなと思いますね。
※ナラティブはvol.33

これはちゃんと説明されないとわからないので、
購入者によっては完成してから体感することになります。
※ほとんどの眼鏡屋が購入時にはちゃんと説明している

その辺を加味すると①は初めての購入では選ばれるかも知れませんが、
リピートしてもらいにくいです。

人によってはメガネを嫌煙する要因になる気がします。
(掛けたくなくなるかもね)

その点②では、実際に掛ける時のことを考えて紹介しているので、
次回以降の購入でも安心してもらえるかもしれません。

今回の男性もメガネが初めてではないですし、
並んでいるメガネのオシャレさよりは、
掛けた時のオシャレさを求めるはずでしょうから、
②の方が購入確率もリピート率も上がりそうです。

このケースにおける顕在ニーズは、
「視力矯正用にメガネが欲しい」
ということですが、潜在ニーズとしては
「オシャレなメガネを掛けたい」
です。

その上でインサイトとしては、
「フレームだけでなく度が入ったレンズまでを含めた完成時のイメージが知りたい」
となります。

当たり前といえば当たり前ですが…

度の強いレンズが印象や見た目に及ぼす影響を熟知している人なんて、メガネ屋のスタッフかメガネオタクくらいですからね。

一般的なユーザーは事前に気づけない部分ということになります。

［投げかけ］

あなたも
ユーザーがまだ認識していないような求められる価値の追求をしてみてはいかがでしょうか？

以上

今回はインサイトを解説しました。

［次回のプチスタ予告］

次回は
ザイオンス効果
こちらを解説予定です。

お楽しみに！