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I love you はひとりごと*放送禁止曲*サザン原由子


心というものは不思議だ。

何と連動するんだろう?

思春期の頃はお決まりの
「なんのために生きているのか」
「なぜ生きているのか」というような、
自己の存在に問いかける。

誰しもが考えることなんだというのは年を重ねて知る。

「私は一体何者なのだ」というような
かっこいい命題。

誰もが皆明るく見えるその同級生たちも先輩も後輩も
明るく見えてたけど、みんなそのような思いを抱えているのだ。

自分だけではない。

虚しさという言葉を知る前に気づく自分という存在。

心のハイスピードの成長についていけない体の成長。

どんなに縦横大きくなっても、そのはらわたのひとつひとつが
不安定な成長を続けているのだ。

心と体の一致しない成長が思春期のモヤモヤと分かるけれど、
人のことなら日にちが薬のうちとと冷静な忍耐で判断できるけど、
その時の自分はどうだっただろうかと思い出してみる。

とことん、どこまでも自分を追い詰めてしまうしかなかったかも。

とことん陰キャな考えを取り出して従う。

とことん世界の悪口を並べて見る。

あらゆる、自分にできるとことんの先を考えていた気がする。

そうするとこの世の法則にひとつ気づく。

世の中には必要悪とともにあるとか
善人の偽善が一番性質が悪いとか
理不尽にまみれているとか、未必の故意にまみれているとか、
信じられるものが何もないとか、そういう色々。

あの頃聞いていた中島みゆきのアルバム。

「生きていてもいいですか」は哀しくて辛くて
このあとどんな歌を歌うんだろうと一ファンとして
とても興味があった。

どん底過ぎる曲だった。

友人達が沖縄旅行でスタッフと知り合って飲んで、
噂通り、失恋して元気がなくて心配だと話していたらしい。

心配なら、酒飲み話のネタにするなよと女は思う。

オールナイトニッポンで、
ラジオから聞こえてくる中島みゆきの声は、
どこかに歌う時の、悲しいハスキーさを残しながら
明るくて、面白い話しぶりだった。

そのギャップに最初はとまどった。

でも人間てそういうもの。


【I Love youはひとりごと】は放送禁止曲だ。

聴けば分かる。その一言で説明がつく。

聴く方は(育ちのいい女は怖い)と思ったかも知れない。

作る方は(育ちのいい女は使える)と思ったのかも知れない。

どんな物事にも一方通行はないのだ。

社会の授業以外で習ったのかも知れない。

満場一致はこの世にあり得ない。

あったとすれば根回しをしたか、扇動されたかだ。

どの先生の、なんの授業の時の言葉か忘れてしまった。

多数決の話からだったかも知れない。

まあ、面白いですけども。

若さにあがいてる二人と、道玄坂や渋谷センター街の
夜のごちゃまぜ風景が思い出されてしまうわけです。


かたや中国残留孤児の話を曲にした【流れる雲を追いかけて】
カバーした方は声も歌い方も原由子に良く似ている。

好きな歌だったけど、喉の奥に刺さった棘を想う。

(そうか、だからこの歌も淋しく、悲しい歌に聞こえる)

まだ幼いこの子を連れ、大連行きの列車
アカシアの丘、異国の地、
選んだ言葉をつなぎ合わせただけで
メランコリックな印象を呼び起こす。

どこか自分と曲を引き離したくなる感情は
そういう「あざとさ」を感じるからなのか。

言葉を使った、商業的なあざとさなら許せない。

いつの時代になっても男と女は交わらないかも知れない。

大多数のと言うべきか。

こんな曲を作るなら「おまえも女になれ」と言ってやりたい。

言葉を汚くするのは嫌いだ。


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