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zeruからの出発 中学英語激闘編

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中学校入学1ヵ月で発覚した衝撃の事実。息子は英語がわからない! アルファベット3文字の単語すらいっこも覚えられない。その日から始まった中学英語激闘編。せめて one, two, … もっと読む
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「中学英語激闘編」プロローグ

「中学英語激闘編」プロローグ

息子が生後11ヵ月の時、思いがけなく文筆の道へ進んだ私は、ずっとずっと夢見ていた。子育てのドタバタから解放されて、執筆活動に専念できる日を。心の支えは先輩作家様の言葉、「中学生になれば部活で帰りも遅いし、接する時間は3分の1くらいになりますよ」――中学生になれば。中学生になりさえすれば。だがそれは、中学最初の小テストで発覚した、息子の絶望的英語力(のなさ)との死闘の始まりだった……!!

【おもな

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「中学英語激闘編」第1話 お助け人走る! ...そして、つまずく

「中学英語激闘編」第1話 お助け人走る! ...そして、つまずく

かつて英語の苦手な中学生だった私は、我が子が中学生になったら、力の限り英語学習をバックアップしてやろうと心に決めていた。ところが、入学式を前に非常事態発生! 混乱のさなか、息子が初めて持ち帰った小テストの結果は……?!

1-1 激闘前夜初めに言っておきたい。私はそんなに教育熱心な親じゃない。

小学校に上がるまで、カイには読み書きを教えなかった。1年生になった時、カイはクラスのお友達がみんな字が

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「中学英語激闘編」第2話 あなたは何を犬しますか。

「中学英語激闘編」第2話 あなたは何を犬しますか。

「英語、どう? わかる?」
「わかる。べつにむずかしくない」

中学生活スタート当初、カイの言葉を額面どおりに受け取って安心していたのが、あとから思えば痛恨の、私の失敗であった。
義母の入院という緊急事態に手一杯で、「当面、放っておいても大丈夫」と、無理にも安心しようとしていた部分もあるかもしれない。
でもそれは、まるっきり根拠のない安心ではなかった。

2-1 21世紀の英語教科書21世紀の中1

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「中学英語激闘編」第3話 君は s をつけたか

「中学英語激闘編」第3話 君は s をつけたか

夏休みの宿題に「むずい……むずい……」と頭を抱えるカイ。え?! それ全部1学期の復習ですけど……??
そして夏休みスペシャル、「刑事コロンボ」DVDへのカイの反応は?

3-1 中学最初の夏休み中1の1学期を振り返ってみると、あの惨状の中、なぜ「塾に行かせる」という知恵が浮かばなかったのか、不思議ではある。
いくら英語のお助け人になってやりたくても、これは素人の手に負えるレベルじゃない。さっさと専

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「中学英語激闘編」第4話 英検チャレンジ5級編

「中学英語激闘編」第4話 英検チャレンジ5級編

2学期の始まりとともに1学期の学習内容が銀河の彼方に消えたカイ。
暗記はできても応用ができない、のではなく、暗記したことすら忘れてしまうのだ。
試験範囲の反復練習だけでは展望がない。学校のテスト対策とは別次元の目標を持たないと。というわけで、目指せ英検5級!

4-1 zeru からの再出発2学期の英語の授業は小テストの告知とともに始まった。
範囲は、夏休みの宿題のワークブック。すなわち、1学期の

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「中学英語激闘編」第5話 いつも鞄に教科書を

「中学英語激闘編」第5話 いつも鞄に教科書を

中学1年秋。英検5級に合格してからのカイは、少し変わった。
教科書が新しい単元に入ると、新出単語を自分で書いて覚えるようになった。
単語を覚える時は、つづりだけでなく読み方、特に、いちばん強く読む箇所とその発音を押さえるよう日頃から言い聞かせている。なので、1学期に買い与えた音声教材をよく聴き、1語1語声に出して確認しながら覚えているようだ。

……なんてことは も ち ろ ん なかった。

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「中学英語激闘編」第6話 みんなの広場だ基礎英語

「中学英語激闘編」第6話 みんなの広場だ基礎英語

世の中には二通りの人間がいる。「半分しかない」ことに落胆する人間と、「半分ある」ことに喜びを見出す人間だ。
2013年4月。中2への進級にあたり、カイに中1の教科書の基本文を書かせてみた。
一般動詞の肯定文、否定文、疑問文と答え方、be 動詞の肯定文、否定文、疑問文と答え方、疑問詞を使った疑問文と答え方、命令文、can の文、現在進行形、過去の文……。
5割程度しか書けなかった。
がっくりと膝をつ

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「中学英語激闘編」第7話 八重の桜は咲いているか

「中学英語激闘編」第7話 八重の桜は咲いているか

結局のところ、何のためにカイに英語を身につけてほしいかというと、生きていくためだ。
勉強、仕事、娯楽、コミュニケーション、サバイバル。
世の中は右肩上がりに良くなるものと、漠然と楽観していられた私自身の中学時代と異なり、こう先行き不透明だと「サバイバル」というのも洒落や冗談ではなくなってくる。何かの時、「英語がわからないから」と尻込みしたばっかりに、生きのびるチャンスをみすみす逃すことだってないと

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「中学英語激闘編」第8話 伊豆大島に朝は来たか

「中学英語激闘編」第8話 伊豆大島に朝は来たか

中2の半ば頃から、カイは「 Twitter に書くな」と言うようになった。
カイの英語学習における、超絶珍解答や迷訳、その他諸々をである。
そりゃあ私だってそんな不名誉を世界に向けて発信したくない。どうせなら「ウチの子は出来る」という話をしたい。親としての最高峰は、やはり、「親は何もしてないのよー」ではないだろうか。「何もしてないのよー」のあとにはもちろん「(ホーッホッホッホ)」が省略されているの

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「中学英語激闘編」第9話 見よキャンパスの風に鳴る旗

「中学英語激闘編」第9話 見よキャンパスの風に鳴る旗

・定期テストの成績は悪くないが、学力テストのように、範囲の決まっていないテストだとがくっと点が下がる。
・それは暗記に頼る部分が大きく、読解力が弱いからではないか。

中3の夏休み前、担任の先生との個人面談で、英語について頂戴したご指摘である。
はぁ~。的確すぎて気を失いそうだ。
暗記は邪道。意味を考え、内容を理解しなくては。私だってそう思っていたさ。カイという個体に遭遇するまでは。
多くの人びと

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「中学英語激闘編」第10話(完結編)すべてのドアを開け

「中学英語激闘編」第10話(完結編)すべてのドアを開け

3年の2学期ともなると、相当出来る生徒さんでもがんばらないとついていけなくなるのでは、と思わず余計な心配をするほど難易度の上がってくる中学英語であるが、関係代名詞の登場に至ってカイの脳細胞は崩壊した。

 The girl who is playing the guitar is my sister.

と、1つの文に is が2回出てきたり、

 Who is the girl who play

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