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俳句メモ

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俳句を学びながら考えたことや、講座などのイベントで印象深かったことのメモ
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記事一覧

あし俳の歩き方 〜あしらの俳句甲子園2024に参加して〜

あしらの俳句甲子園(以下、あし俳)に初めて参加した。 楽しかった。 帰ってきてからもポカポカ満ち足りた気分になっている。 多分また参加するだろう。まだ参加したことがない方にもおススメしたい。 同じ形式で開催されるとして、将来の自分に向けて5点だけメモを残しておく。参加者の皆さまが思い出を振り返る材料や、これから参加する方々の参考になったら幸いです。 1. 早く申し込んで、最前列で見よう今回 12月2日 21:00から受付が開始され、うちのチームは8番目に申し込んだ。

いい俳句とは ver2.0 & 自選十句

俳句3年目に突入しようとしている。俳句を始めた頃に「いい俳句とは ver 1.0」というnoteを書いた。その後「いい俳句とは?」の定義が僕の中で更新されたので、このタイミングでまとめておきたい。 2022年5月の自分:いい俳句 = 情景が大きく立ち上がる句 2023年12月の自分:いい俳句 = 感性をリフレッシュする句 である。例によって、僕の考えをまとめるためのメモですので、未熟の極みですが、何かの参考になれば幸いです。 感性をリフレッシュするとはいい俳句に出会う

句集の楽しみ方。『かちょふげ』の場合

初めて句集制作に参加した。 名を『かちょふげ』と言う。 俳句ポスト並盛連盟(以下、俳並連)の二周年記念句集だ。 句集ができてわかったが、句集は多分、作者側の方が楽しく読める。 去年まだ俳並連に入ってなかった頃に、一周年記念句集『ふんわり』を読んだが、その時より今回の『かちょふげ』の方が断然楽しい。 なぜか。 背景の情報が豊富だからだ。俳句を読むのに鑑賞力や知識が要求されるように、句集を読むときにも、関連情報があると楽しみやすい。 もちろん句集である以上、純粋に俳句が

自身の句境を深める選評とは 〜まのあたり句会2023秋を受講して〜

秋の大まのあたり句会に参加した。まのあたり句会は前々から気になっていたが、今回初めて参加した。 講師の先生方は、 【青山教室会場】 小川軽舟、堀田季何、神野紗希、岩田奎 【梅田教室会場】 岸本尚毅、山田佳乃、若林哲哉 である。豪華!若い! いわゆる先生同士の句会を見るのは初めてで、楽しく学べた。 本講座に参加して考えこと、感じたことをまとめます。 公開句会から考える、先生方の選評の特徴同じ句会の選評でも自分のような俳句初学者と、先生方では何が違うのか。3点挙げてみる。

俳句の山のマイルストーンとは 〜道後俳句塾2023の学び〜

道後俳句塾2023に参加した。 去年に続き2回目である。塾の形式は基本的には去年と一緒なので、気になる方は↓をご覧頂きたい。 ただし、去年と変わったことが3点あった。 黒田杏子先生に代わり、西村和子先生が講師を務めた 進行役が新設され、家藤正人さんが務めた 懇親会が実施された 正人さんが進行役に入ったことと、西村先生が会場にいらしゃって直接お話しされたことで、去年に比べて先生方が塾中で喋った内容が多くなったと思う。体感的には3割以上増えた。 なので去年よりも「選

俳筋力の鍛えやすさとは 〜道後俳句塾2022の学び〜

道後俳句塾2022に参加した。 学びしかなかった、と言いたいところだが、俳句1年目の自分が、すべてを消化するには難易度が高かった。それくらい圧倒的な質と量の教えがあった。 今回の俳句塾は、宇多喜代子先生、黒田杏子先生、松本勇二先生、夏井いつき先生の4人の先生方が講師だ。そうして、 1日目:事前投句した2句について、4人の先生全員が「どちらがいい句か?」を判定、講評する。参加者115名。各先生が特選五句、入選十句の選も行う 2日目:1時間30分の吟行で2句投句する。その

いい俳句とは ver 1.0

今年の初めに、夏井いつきのおウチde俳句くらぶに入会した。ご多分に漏れず『プレバト!!』で興味を持ったクチだが、新年を機に妻が一緒に登録してくれた。そうして句作を始めた。 『プレバト!!』を見ていると、俳句の良し悪しをわかった気になる。もっと言うと、自分でもそれなりの句を作れるんじゃないかという気になる。 でもそれはとんだ勘違いで。 我が身一つで俳句を詠むとなると、絶望的な句しか生み出せない。原曲と一緒に歌って「それなりに歌えるじゃん」と思っていたのが、カラオケで失望す

季語の力とは

「季語の力を信じる」や「季語を立てる」というフレーズが『プレバト!!』でたまに出てくる。 いち視聴者としては「だよなぁ〜わかるぜなっちゃん!」と思う。 やっぱ季語を主役にしなくちゃダメだよな。 だが、ぞんざいに季語を扱っている自句のなんと多いことか。季語以外のテーマで俳句を詠むときなんて、歳時記からちょうどいい字数の、相性良さそうな季語を探してくっつけるという所業さえする。 もはや画数だけで決めるキラキラネーム。 あるいは選択肢100個のマークシート試験。 俳句を始め

初心者にとって、俳句が上達するとは

俳句を始めて8ヶ月目である。 『俳句ポスト365』で初級の優秀句に選んで頂けた。次回から中級に進む。 ひとつ節目になったかなと思うので、ここまでどう上達したかをまとめておきたい。 「1回、俳ポ初級金曜になったくらいで上達した気になるとは、不埒者め!」という声があるかもしれない。うっかりヒット説も否めない。 ただ、『俳句生活』で人になったり、『ラジオまどんな』で読んで頂いたりしたので、多少は再現性があると思う。あることにしてほしい。 その前提で、「ひとりの初級者の実感と

詠みたい俳句を詠むとは

間もなく俳句を始めて1年が経つ。1年前の自分に、 これからお前は俳句を始める 俳句集団に入って、松山でも東京でも会う友達ができる 夫婦で夏井先生から、特選句に選ばれてサインもらう NHKとテレビ愛媛で俳句が読まれる 俳句を眉村ちあきの歌詞にしてもらえる なんて言っても信じないだろう。W杯で日本がドイツとスペインに勝つのと同じくらい信じない。冗談八富利のカリフラワーである。 だが実際にはそうなったわけで、人生は本当にわからない。 来年も何が起こるか、まったくわから

ミルクボーイ風季語漫才「滝」

「どうもーミルクボーイですー。お願いしますー」 「ありがとうございますー」 「いま夏雲システムで、コメントなし予選をいただきましたけどもね」 「ありがとうございますー」 「こんなんなんぼあってもいいですからね」 「言うとりますけれどね」 「いきなりですけどね、うちのおかんがね、  好きな季語があるらしいんやけど」 「あっ、そうなんや」 「その季語をちょっと忘れたらしくてね」 「季語の名前忘れてまうってどうなってんねん」 「いろいろ聞くんやけどな、全然わか

第24回 NHK全国俳句大会観覧メモ

第24回 NHK全国俳句大会に行ってきた。 とてもよかった。何がよかったって、先生方の最上級の褒め言葉を聞けることである。今年は35,090句が(有料で)応募されて、その中の特選20句についての10人の先生方の評が聞けるのである。 そりゃあ、自ずと先生方の俳句観も尖って現れてくるわけで、面白くないわけがない。 併せて、その前に開催されたNHK学園の「春のプレミアム俳句講座」にも参加して、西村 和子先生、星野 高士先生、神野 紗希先生、西村 麒麟先生の話も伺えた。そのパー