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「あびら教育プランとわたし」Vol.7〜移住地探し道半ばで気づかされた大切なこと〜

あびら教育プラン」に何かしらの形で関わってくれた方々の想いを聞く連載企画、「あびら教育プランとわたし」。
1月から約3週間「地域おこしインターン生」として「あびら教育プラン」に関わってくれた、”まっきー”こと本宮 万記子(もとみや まきこ)さんに、インタビューを行いました!

地方移住×教育をキーワードに、初の社会人として参加してくれたまっきー。その地域ならではの魅力的な教育とは何か?を今回の体験を通して感じたことを聞いてみました。ぜひご覧ください!

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自己紹介をお願いします。

富山で生まれ育ち、小さい頃から家の中で本を読むより、外に出て動くもの、変わりゆくものに触れている方が興味津々で、これまで主に環境教育に関わる仕事を地元や富士山麓などでしていました。

また、見たこと・触れたことのない自然や文化、価値観に出会って自分の心が揺さぶられるような旅も大好きで、世界一周の船旅やケニアでの長期ボランティアに参加していました。


その後、世界の多様性あふれる魅力や、”遠いようで実はすごく身近”である繋がりを日本の多くの人たちに伝えていきたい!という思いから、前職では都内で国際理解教育に携わっていました。


今回のインターンに参加したきっかけを教えてください。

自己実現の場でもあった仕事に満たされていたけれど、自分の暮らしぶりはどうかというと、片道1時間半ほど満員電車に乗り無機質なビル街へと通う毎日、ご近所さんや職場の来客と話す機会があっても、いつ誰がどんなトラブルの種を抱えているかわからないこのご時世、どこか表面的な人との繋がり方…

そんな自分の居場所やあり方への違和感が、コロナ禍生活も相まって、どんどん強くなっていました。

”自然や人の温度、魅力をもっとダイレクトに感じていられる場へ、地方へ移住したい!”

そう思って退職を決め、その後しばらくは、今日本でも在り方が問われている「教育」をテーマに、面白そうな現場を巡る旅をしよう!とネットで調べる中、たまたま見つけたのが”あびら教育プラン”でした。
「地方での暮らしを体験しながら教育にも携われるインターン制度があるなんて、ぜひ行ってみたい!」と思い応募に至りました。

主にどのような活動をしましたか?

あびらぼ、ワクワク研究所、遊育など、曜日ごとにある各事業のサポートの他、自分のこれまでの経験を活かして何ができるか、スタッフと相談してやらせてもらったのが、ぷれいば(遊育で行っている室内の遊び場)でのプチイベントです。

アフリカと日本、それぞれの国立公園で環境教育活動に携わったことがあったのと、多様性溢れる世界の自然、さらに身近な自然の中にも一体どんなドキドキ・ワクワクの魅力が詰まっているかを伝えられたらという想いもあり、現地の写真や動画を用いて森やサバンナを巡る”バーチャル探検ツアー”を企画し、町内外の子どもから大人まで、約20名ほどが参加してくれました。

「与えるべきは、答えではなく自ら考える機会」と頭では分かっていても、最中はゆとりを持って子どもたちと上手く対話しきれていなかったり、反省点も多くあります。そんな中でも、驚きの声が上がったり、身体を使ったアクティビティにも一生懸命取り組む様子が見られ、子どもたちの心にいつか芽吹く、種蒔きになっているといいなと思います。


活動を通して印象に残ったことは何ですか?

常に圧倒されていたのが、町民と教育チームそれぞれが持つポテンシャルの高さでした。

今でも忘れられないのが、初めて「ぷれいば」(遊育で行っている室内の遊び場)のサポートに入った日のこと。
ちょうど遊びに来ていた小学生に自己紹介し、その後私に言ってきた一言が
「ね~暇だから遊ぼ~」と。
初対面の大人(しかもそんな若くないw)相手になんという安心感なのかと驚きと和みでもう、笑っちゃいましたし、その真っ直ぐさに自然とこちらも童心に還って本気でダーツ対戦をしてしまいましたw
(毎回交互に得たポイントを一生懸命に暗算する姿もあり、主体的な学びや”遊育”ってこういうことなんだなぁと✨)

初対面のよそ者・大人に対しても線をひいたり構える様子がまるでない子どもたち。
でもそれってそもそも、なんで?って考えてみると、
町の大人たちが普段から見せている、誰に対してもインクルーシブな姿でもあったり、いろんな人たちと関わり合う日常の中、多様で異質な”個”とより多く出会うことで、自分の”個”も恐れず伸び伸び表現できる、そんな安心できる社会がつくられているんじゃないかなと感じました。

もう一つは、あびら教育プランを企画・運営する教育チームの姿勢です。
彼らが貫くのは、子ども自身が持つ力を最大限に伸ばすための”伴走”という在り方。

”教える”ことはマニュアルや答えがあればまだ簡単。けれど”伴走”となると、その子や伴走者の個性、気分や状況、お互いどれほどの信頼関係が築けているか次第でも、良い伴走の答えは様々。マニュアルも正解もない中、いかにその子のワクワクの火種を見極め、火力を上げる薪を良い加減でくべられるか、その難しさをいつもヒシヒシと感じていました。

伴走者自らもワクワクする心を絶やさず、まるで水風呂とサウナを行き来するかのような思考や閃き、個性を発揮しながらも、子どもたちのいない舞台裏では数々の議論を重ね、チームとしてブレなく進めるための細かな共有とすり合わせが日々行われていました。

そんな伴走者たちの熱波を受けた子どもたちもまた、自らの発電源に換え、立ち止まったり躓いてもまた次のステップへとよじ登っていく姿があり、それがまた伴走者の熱源にもなっていく、とても素敵な循環が生まれているように感じました。

本当にあっという間の3週間でしたが、町の中で過ごしてみて改めて分かったのは、この町の魅力的な教育のあり方は、ひとえに創られた形ではないということ。
もともと町にいる人たち、集まってきた人たちが、そこにある性質やご縁を大事にし、何かを繋ぎ合わせたり磨き上げたりしながら創られた、唯一無二の賜物のようにも感じます。


「地方移住」についてのイメージや考え方にはどんな影響がありましたか?

安平町で暮らしてみて感じたのは、今、地方でこそ、幅広い世界をぎゅっと縮めたような多様性や魅力にたっぷり触れられるのではないか、ということです。

都会暮らしだった頃は、溢れるほどの人たちがいることでお互い無関心になっていたり、便利なSNSがあるからこそ、同じ世代や趣向を持つ同士以外コミュニケーションをまるでとらなかったり。

でも地方で暮らしてみると、たとえば目の前に子どもやお年寄りがいて、何かに困っていることや、自分が手を伸ばすことで解決できるかもしれないことに気付けたりもできます。都会よりも人口は圧倒的に少ないはずなのに、自分の視野や感性に飛び込んでくる情報や気づきがぐんと広がったかのように感じました。

また、今回私が改めて大事にしたいと思ったのは、”どこに”着地するかではなく、着地した先で自分が”何を”するかということです。
移住地探しって、特に縛られる条件がなければ、それぞれ住んでみないと分からない、途方もなく感じることでもあります。
ただ、”どこ”に着眼し過ぎると、自分がそこで得るメリットは何か、自分の幸せをどこか他に委ねる考えに陥りそうですが、そうではなく、自分がそこに在るヒト・モノ・コトに触れながら、どんな楽しみを生み出せるか。自然や人との繋がりの中から得られる幸せは、比べようもないほどそれぞれの土地にあって、それを自分がどう活用して豊かさを手に入れるかだと思います。

”何を”するかを軸にしていれば、もっと楽に新しい居場所が見えてくるんじゃないかなと、色々巡り迷子にもなった末、ようやく気づかされました。(笑)


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ありがとうございました!

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