タスクの選択とその優先度を設定する能力は、ビジネスマンにとって非常に重要です。特に多くの業務やプロジェクトを抱えている場合、どのタスクから手をつけるか、どのタスクを先に完了させるかという選択は、時間の効率性だけでなく、ビジネスの成果やチームの生産性にも大きく影響します。そこで、タスクの選択や優先度を決定する際の指標として、3つの要素を組み合わせた8つのパターンを考えることができます。

1. タスクの組み合わせパターンとその特徴（優先度順）

1.1 成果が上がる × 自分がやれる × 得意（ストレスフリー）

これは最も理想的なタスクの形です。自分の得意分野であり、立場上も実行可能で、さらに成果を上げることが期待されるため、効率的に業務を進めることができます。

1.2 成果が上がる × 自分がやれる × 苦手（ストレス）

このタスクは、成果が期待できるものの、自身が苦手と感じる内容であるため、進行中にストレスを感じる可能性があります。しかし、それにも関わらず、立場上自分が取り組む必要があるため、優先的に取り組むべきです。

1.3 成果が上がる × 自分がやれない × 得意（ストレスフリー）

このタスクは、自分の得意分野であり、ストレスが少ないものの、立場上取り組むことが難しいものです。これは、自身では直接手をつけるのではなく、他の部門やメンバーとの連携を強化して進めるべきタスクとなります。

1.4 成果が上がる × 自分がやれない × 苦手（ストレス）

立場上取り組むのが難しく、さらに自身の苦手な領域であるため、他の担当者や部署に依頼する、あるいはタスクの再定義やサポートを求めることが考えられます。

1.5 成果が上がらない × 自分がやれる × 得意（ストレスフリー）

成果が期待できないものの、自分の得意分野であり、ストレスを感じずに業務を進められるタスクです。しかし、成果の見込みが少ないため、他の優先度が高いタスクを完了させた後に取り組むことが推奨されます。

1.6 成果が上がらない × 自分がやれる × 苦手（ストレス）

成果の期待値が低く、さらにストレスを感じるタスクです。このようなタスクには、他の方法やアプローチを考慮するか、必要性を再評価してみる価値があります。

1.7 成果が上がらない × 自分がやれない × 得意（ストレスフリー）

立場上取り組むことができないが、自身の得意分野であるタスクです。このような場合、タスクの再構築や他の部署との協力を検討してみることが考えられます。

1.8 成果が上がらない × 自分がやれない × 苦手（ストレス）

全ての要素で非効率的なタスクです。このようなタスクは、他の担当者や方法を模索するか、再評価して取り組むか否かを検討することが求められます。

2. ビジネスマンとしての取り組み方

2.1 優先度の高いタスクの取り組み

最も優先度が高いのは「成果が上がる × 自分がやれる × 得意（ストレスフリー）」のタスクです。このタスクは、成果を最も効率的に上げることが期待されるため、即座に取り組むべきです。

2.2 ストレス管理の重要性

「成果が上がる × 自分がやれる × 苦手（ストレス）」のようなタスクは、成果が期待できるものの、ストレスを伴う可能性があるため、ストレス管理が非常に重要となります。

2.3 他者との協力

「成果が上がる × 自分がやれない × 得意（ストレスフリー）」のようなタスクは、他の部門や人との連携を強化して、共同でタスクを進めることを検討すると効果的です。

2.4 再評価の必要性

特に、「成果が上がらない × 自分がやれない × 苦手（ストレス）」のような最も非効率的なタスクは、その必要性や方法を再評価することが推奨されます。

3. マネジメント視点: 若手メンバーのタスク指導と意思決定のナビゲート

マネジメントの立場から見ると、部下のタスクの取り組み方や意思決定のプロセスを理解し、適切にナビゲートすることが求められます。特に、若手メンバーには「1.1 成果が上がる × 自分がやれる × 得意（ストレスフリー）風 1.5 成果が上がらない × 自分がやれる × 得意（ストレスフリー）」、つまり、自分たちの能力や得意分野に基づいて理想的のように思えるタスクが実は個人の自己保存から選択されているケースがしばしば見られます。

3.1 「1.1 成果が上がる × 自分がやれる × 得意（ストレスフリー）なのかどうか」の検証

若手メンバーが「1.1 成果が上がる × 自分がやれる × 得意（ストレスフリー）」と判断して取り組むタスクに対して、一定の期間を設けてその適切性を検証することが大切です。この検証期間中に、成果の挙がり方やタスクの進め方を定期的にチェックし、フィードバックを行うことで、メンバー自身の成長を促進するとともに、タスクの適切性も確認します。

3.2 「1.5だったね」と、合意形成

検証期間が終了した後、結果として「1.5 成果が上がらない × 自分がやれる × 得意（ストレスフリー）」であったと判断される場合、その認識をメンバーと共有し、合意をとることが重要です。このとき、非難や責任追及の姿勢ではなく、共に学び、次回への改善点を見つけるプロセスを大切にします。

3.3 1.2タスクへの取り組みの促進

「1.1 成果が上がる × 自分がやれる × 得意（ストレスフリー）」や「1.5 成果が上がらない × 自分がやれる × 得意（ストレスフリー）」の検証・合意形成を経て、「1.2 成果が上がる × 自分がやれる × 苦手（ストレス）」のタスクが重要であると共通認識が得られた場合、そのタスクに取り組むことの意義や必要性を再確認します。そして、メンバーがそのタスクに自信を持ち、ストレスを最小限に抑えながら取り組むためのサポートやリソースを提供することがマネジメントの役割となります。

4 まとめ

マネジメントとしての役割は、単にタスクの指示や評価だけではありません。部下とのコミュニケーションを深め、その成長をサポートし、一緒に成果を上げるための方針や戦略を共有・実行することが求められます。特に若手メンバーのケースでは、そのポテンシャルを最大限に引き出すための環境作りやサポートが不可欠です。